File15:XIF-4

 第二次大戦後にアメリカで開発された実験用歩兵戦闘機。機体番号のXは実験機、IFはインファイトリーファイター(歩兵戦闘機)、4は4番目、通して言うと4番目の実験用歩兵戦闘機ということになる。これまでアメリカが開発した歩兵戦闘機は大型でとても実用化できるものではなかった。XIF-4は旧帝国軍の施設を接収した際に発見した中山方式と呼ばれる機体機構を採用したことで、実戦形式の実験に耐え得る性能を得ることが出来た。これを期に歩兵戦闘機用の武装の試作も始まり、アメリカでの歩兵戦闘機の実戦配備が現実味を帯びてきた。しかし、アメリカはプロペラしか使えない歩兵戦闘機よりもジェットエンジンが使える航空戦闘機の研究を推し進め、歩兵戦闘機は細々と研究がなされる程度に留まった。


 XIF-4は空中を飛行していた。航空戦闘機と実験戦闘を行うためだ。対戦する航空戦闘機はP-80。最新鋭のジェット航空戦闘機だ。P-80が上がってくる。

 ここで実験戦闘の規定を提示しておく。まず実験はP-80がXIF-4の真後ろについた状態から始まる。そして実験開始5秒後まで攻撃は禁止される。次に勝敗条件は相手にペイント弾を当てること。そのためP-80は機体内蔵の機関砲、XIF-4は手持ちの機関銃での攻撃しか許されていない。

 P-80がXIF-4の後ろについた。通信室の指示で実験戦闘が始まった。XIF-4は機動し、P-80の射線から逃れる。P-80はXIF-4を追いかける。背後からP-80が機関砲を放ってくる。XIF-4はバレルロールで弾を避けると共に、P-80の後ろをとろうとした。しかしそれに対応するようにP-80は宙返りをしXIF-4の後ろをとった。そうするとXIF-4は即座に反転し機関銃を撃った。突然の行動にP-80は対応できなかった。放ったペイント弾は全て機体に着弾する。勝負は決着した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る