202011 ジャパロボ チーム祐奈3-1

渋谷かな

第1話 チーム祐奈3-1

「ふあ~あ! よく寝た。青い空! 澄んだ空気! なんて幸せなんだ!」

 いつものように祐奈は仕事中に居眠りをしていて目が覚めた。

「祐奈教官、昼寝してサボってると綾幕僚長に告げ口しますよ。」

 会議の準備に忙しい麻衣であった。

「それだけはご勘弁ください!? 神様! 仏様! 麻衣様!」

 相変わらず綾幕僚長には頭が上がらない祐奈。

「確かに仕事量に対して、チーム祐奈の隊員数が少なすぎるんですよ。」

 メカニックの久美も会議に呼ばれている。

「でも、そのおかげで緊急出動以外は学校が休みの週末と夏休みと冬休みだけしか出動しなくていいんですから。」

「まあまあ、我々は他の自衛官が土日に休んで家族団らんできるための、土日出撃部隊だからね。」

 祐奈教官以外はパイロットは高校生何だからである。

「土日出撃部隊!? ダサい!」

「仕方がないじゃない。私たちは新人発掘オーディション部隊なんだから。」

「せめて超能力部隊とか、サイキック部隊とかカッコイイ呼び方にしてくださいよ。メカニックとして恥ずかしい!?」

 新人類部隊はどこへ!? ニュータイプ部隊は使えない。

「春になったら麻理子は卒業で入隊してくれるんだから、それまで我慢しようね。アハッ!」

「それまで久美ちゃん・ジャパロボを改造しまくります。アハッ!」

 笑って誤魔化す祐奈。

「さとみちゃんやすずちゃんも正式にチーム祐奈に入れちゃえばいいんじゃないですか?」

「娘たちはまだ高校生だから自衛隊のパイロット候補生として、学校が休みの時にアルバイトとして来てもらうつもりだよ。」

 今後の活躍に期待が持てるチーム祐奈。

「祐奈教官。」

「なに?」

「うちに入隊希望者はいないんですか?」

「いるよ。」

 国民的英雄の祐奈隊長の部隊に入隊希望者は殺到していた。

「なら面接して、採用しましょうよ。」

「ダメ。私のにわかファンばっかりで厳しい自衛官には向かない人ばっかりだよ。」

「祐奈教官も向いていないと思うのですが?」

「アハッ!」

 しかし戦力にならないのではしょうがない。

「あ、一人いたよ。」

 祐奈は履歴書を見せる。

「前田みなみ。パイロット希望。ジャパロボ操縦歴は3年。」

「スゴイ! いるじゃないですか! 逸材が! 祐奈教官! 採用しましょうよ!」

「ジャパロボのカスタマイズもできます!? 私の部下に欲しいです!」

 麻衣と久美は興奮する。

「よく見て。こいつの所属先。」

「え?」

 麻衣と久美は履歴書を見る。

「反大日本帝国同盟ジャパカイダ・・・・・・。」

「なんでこいつ所属先にテロリストの名前を書いているんだ!?」

 なんとテロリストからの入隊希望だった。

「よく分からない。でも面白い。こいつに会ってみるか!」

「珍しい! 祐奈教官が食いついた!」

 風雲急を告げる。

 つづく。

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