てっちゃん、あやと別れるために動きます
あやと付き合ってもう1年。来年は卒業だ。
話は変わるがあと1週間で文化祭が始まる。
恒例の「自己主張」のイベントもある。
俺は今回でることに決めた。
高校生生活最後だからあやへの日頃の想いを伝えようと考えている。
この自己主張の原稿は文化祭の実行委員会に提出をして中身のチェックと当日の動きを確認しなければならない。
実行委員会側から特に問題ないと言われた。
この自己主張に出ると決めたのは実はたーにーとりなねえのアドバイスによるものである。
1ヶ月前あやの家に遊びにきた帰りにたーにーから「俺の部屋きて」と呼ばれた。
部屋にはりなねえがいた。
たーにーの部屋に行くと作りかけの作品や木の匂いで安心する。
「そういえばもう文化祭近いんでしょ? なにするの?」
「俺のクラスはタピオカ屋になりました。他のクラスも同じこと考えていて激戦でしたけど」とりなねえの質問に答える。
「タピオカ人気だもんねー。でさ、あやの嫌がらせの証拠はたまってる?」
りなねえの質問に「そりゃもう・・・・・・」と歯切れの悪い答えになる。
むしろ溜まりすぎてどれにすればいいのかわからない。
「うわぁ、左首に傷がついてるし、右頬赤いじゃん。他やられてない? みせてよ」
とたーにーに制服を脱ぐよう言われる。
「ちょっと写真とるねー」とたーにーはスマホを取り出して傷やあざがついている所を撮影していく。主に肩や鎖骨あたりである。制服をきても気づきにくいところばかりである。
写真を撮っている間、気を遣っているのかりなねえは視線をそらしている。
あやは休み時にネイルするために伸ばしているので、ひっかけられたらかなり痛い。
しかも理由が「なんとなくむかつくから」「他の女子と喋っていた」と理不尽な理由である。
たーにーから「もう着ていいよ」と言われ着替える。
結局撮ったのは肩や鎖骨あたり、あとは足まわり。
俺が着替えている間、たーにーとりなねえは写真を見て揃ってため息をついた。
「やり口が陰険すぎる、兄として恥ずかしい・・・」
「
梨里というのは俺の姉でりなねえと仲がいい。
あやと付き合って1ヶ月経った頃かな。
「もうあやと付き合いきれない」と姉に相談した。
そこから菅原兄姉に話が伝わり2人の協力のもと証拠集めをしてきた。
俺はその頃から別れたかった。
「てっちゃん、自己主張で妹の本性披露してやりな!」
二人に背中を押されて俺は着々と準備を進めてく。
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