初顔合わせは、可もなく不可も……なくはない! 2

「第5回ドラコンノベルス小説コンテスト」応募作

【王朝流離譚】限りなく無慈悲な皇子の溺愛 〜超絶不憫系の主人公には、薄っぺらな、薄っぺらな、愛情なんて迷惑でしかない〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935

作者 雨 杜和

第2章 天上界の事情

初顔合わせは、可もなく不可も……なくはない! 2

https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935/episodes/16817330656677136658





※誤字脱字・構文など

> 丁寧に磨きあげられた板張りの床は黒光し、ほこり一つ落ちていない。

⇒基本的には「黒光り」と「り」を送ります。「黒光」は人名として使われますが、一般名詞・する動詞(サ行変格活用)で用いるときは「り」を送りましょう。


> 冠を頭にのせ、姫君のような格好したわたしとは、あまりにも対照的だ。

⇒「格好をした」ですね。


> 地に響くような低いガラガラ声は、女ぽさの欠片もない。

⇒「女っぽさ」が一般的です。





※寸評

 パワー系と頭脳系が儀式の競争相手となるのですか。

 ということは知力のメイリーンと体力のムーチェンだから、時の運がシャオロンということに (それはウルトラクイズ)

 それぞれ名の通った人たちみたいですね。

 でもタイプが異なるということは、どんな競争になるかはふたりも知らないってことですよね。

 このあたりの見せ方がよいです。

 もし筋肉隆々がふたり現れたら、体力勝負であることが目に見えていますからね。

 あえて異なるタイプにすることで、どんな儀式になるのかを隠す効果があります。

 これで「どんな儀式だろう」と読み手に謎を与えることで、先が読みたくなる「惹き」が強くなります。

 そしてシャオロンが貧民窟のクセを出しているのも、第一話からの流れを汲んでいてよいですね。もし礼儀正しく収まっていたら、貧民窟はなんだったのかとなりかねません。

 これからも随所で貧民窟育ちであることが描写するほど、シャオロンのキャラクターが立っていきます。今でもじゅうぶん立ってはいるのですが、一度立てたからあとは立てなくていいというものでもないのです。

 過去に依拠した人生ですから、ある程度場馴れでもしないかぎり、クセとして出てきますし、それがかえってキャラクターの持ち味になります。

 なので、第一章の伏線をシャオロンのクセとして書くことで毎回回収していくと、キャラクターの背骨が強くなります。

 キャラクターがじゅうぶん立っているからこそ、効果的な手法でもありますので、ここまでのシャオロンのキャラクター立てがうまくいっていることの証左ですね。

 逆に言うと、ウーシャンはまだ過去がわかりませんから、キャラクターはほどほどしか立っていません。顔や身のこなしはよいけど綺麗好きで潔癖症、自分の官職などを鼻にかけたところが見受けられるちょっと嫌みなキャラクターといった印象ですね。

 ウーシャンよりも回想で出てくるヘンスのキャラが立っているくらいです。

 物語の流れとしては、今のところウーシャンを謎の多いキャラクターとしていることで、「儀式」の勝負がなにかわからないという状況をうまく演出できています。

 謎めいていればこそ、というところですね。




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