十和里山伝説「紡ぎの時計」第六幕 ツインレイ
十和里山伝説「紡ぎの時計」
作者:神崎 小太郎
第六幕 ツインレイ
※誤字脱字・構文など
> 続いてアルコールランプの火ともるコーヒーサイホンから、ナッツのような甘く芳ばしい香りが鼻腔をくすぐってきた。もちろん、初めて知る店である。
⇒「火がともる」と助詞「が」を入れると構文としては落ちつきますが、「火」の言葉が強く主張してくるので、「火」よりも「香り」を立てたい場合は、あえて「火ともる」でもよいかもしれません。助詞「が」で「火」を主張させたくない場合はということです。
あと「もちろん、初めて知る店である。」ですが、その店にすでに足を踏み入れたのであれば「初めて来た店である。」が適切ではあります。根本さんから話を聞いたのであれば「初めて聞く店である。」「初めて知る店である。」でもよいのですが。
>一見、穏やかそうな紳士に思えたが、やはり人知れず瞳の奥にとり残された孤独を抱いているのかもしれない。
⇒「人知れず瞳の奥にとり残された孤独を抱いているのかもしれない。」ですが、区切り方ひとつでニュアンスが変わってしまいます。
おそらくですが「やはり人知れず孤独を抱いているのかもしれない。」が元の文で、そこに修飾として「瞳の奥にとり残された」を加えたのかなと推察します。この差し込みでニュアンスがとりづらくなっていますね。
>「小日向薫です。文学部一年生です。『ツインレイ』って何ですか?」
⇒第何話かを正確には憶えていないのですが、初出のときは「こひゅうがかおる」の読み方だったはずです。私は「これ『こひなた』とも読めるよなあ」と記憶しておりましたので。
寸評
根本さんと三人で喫茶店へやって来た。本が収められた珍しいお店ですね。
それだけで根本さんの日常を垣間見る印象です。
今話はフリーマーケットから場所を移したお話。そこから根本さんを掘り酒座ていきます。
これまでの流れとしては自然ですので、違和感はありません。
ただお店の印象がやや薄いかもしれません。
「ナッツのような甘く芳ばしい香りが鼻腔をくすぐってきた。」という一文があるので、ここはもっと嗅覚に訴えかける文章を意識すると喫茶店の印象が強くなります。
あと、根本さんがいきなりコーヒーを飲みだしているので、いつオーダーが届いたのかわからないですね。つまりミルクセーキと海苔トーストとたまごサンドはすでに手元にあるのでしょうか。あるなら海苔トーストで嗅覚をもう少し刺激できると思います。
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