なんとか逃げなきゃ 2

「第5回ドラコンノベルス小説コンテスト」応募作

【王朝流離譚】限りなく無慈悲な皇子の溺愛 〜超絶不憫系の主人公には、薄っぺらな、薄っぺらな、愛情なんて迷惑でしかない〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935

作者 雨 杜和

第2章 天上界の事情

なんとか逃げなきゃ 2

https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935/episodes/16817330656386871038





※誤字脱字・構文など

> 流れ出る涙とともに鼻をすすりながら、美しい絹の衣装にすがりつき、潔癖ウーシャンの袍衫を汚してやりながら、とりあえず大泣きした。

⇒以前指摘しましたが、袍は冬着、衫は夏着です。


>さすが。この世界の王者。麗しいすぎる。美しい、最高の男、世界の女をとりこにしてる」

⇒「麗しすぎる」ですかね。ただ、慣れない言葉でこうなったのなら理解できなくもないのですが。


> 部屋の隅で固まっていたスーリアンとズースーが、わたしの腕を掴み、ウーシャンにしがみついた両手を強引に外し、そのまま、ベッドにくくりつけられてしまった。

⇒一見すると問題なさそうですが、主語と述語が噛み合っていません。

 主語「スーリアンとズースーが、」と述語「くくりつけられてしまった。」

 これを取り出すと「侍女のふたりがくくりつけられた」ように映ります。

 どこかで主語を切り替える必要があります。

 主語を入れ替えない場合は以下のような文になります。

> 部屋の隅で固まっていたスーリアンとズースーが、わたしの腕を掴み、ウーシャンにしがみついた両手を強引に外し、そのまま、ベッドにくくりつけてしまった。

⇒ですが、ここで主語を侍女2人にしてしまうと、一人称視点から外れてしまうので、あまり良策ではありません。

> 部屋の隅で固まっていたスーリアンとズースーが、わたしの腕を掴み、ウーシャンにしがみついた両手を強引に外した。そのままわたしは、ベッドにくくりつけられてしまった。

⇒とこのようにすれば主語「スーリアンとズースーが、」と述語「外した。」、主題「私は」と解説「くくりつけられてしまった。」が噛み合うようになります。


>「先ほどから、愚かな行動をなさっていますが、あなたを選んだには理由があるのです」

⇒「あなたを選んだのには」ですね。助詞「には」は体言に付きますので、用言のままの「選んだ」とは直接くっつきません。用言を体言化する形式名詞「の」や「こと」「もの」などを挟むと文法がしっかりします。





※寸評

 シャオロンなりの処世術。すべて空振りのようでしたが。

 三球勝負で空振りしたような感じですね。

 しかし金貨一両で引き渡されて、金貨五十両で「英雄」にもなろうと。

 冒頭第1話とまったく異なるシャオロンを見られると、愛着が湧きますね。

 刹那を生きたような貧民窟。なにもかもが贅沢で時がゆったりと流れるような天上の王国。

 環境の変化で思わぬ面が繰り広げられる。

 今話でシャオロンのキャラクターが決定づけられたような印象ですね。

 これだけキャラが立っていれば、読者選考の一次選考はかるく突破できるでしょう。

 シャオロンって小動物みたいな印象ですね。

 まずいところを見つかったら、主人の機嫌をとろうとする。それで「許して」と思っている小動物を見るようです。




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