砂漠の街に吹き荒れる砂嵐 3

「第5回ドラコンノベルス小説コンテスト」応募作

【王朝流離譚】限りなく無慈悲な皇子の溺愛 〜超絶不憫系の主人公には、薄っぺらな、薄っぺらな、愛情なんて迷惑でしかない〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935

作者 雨 杜和

第1章 貧民窟と王都

砂漠の街に吹き荒れる砂嵐 3

https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935/episodes/16817330655769166928





※誤字脱字・構文など

>「王都へ行け」

>「ヘンス、冗談がきつい。なにを夢みたいなことを言っているんだ。市民権を持ってないのに、どうやって王都のひとつに行くんだ」

⇒「王都へ行け」に続いて「王都のひとつ」と書くと、ヘンスの指した王都がどこなのかがわからなくなります。この世界に王都がいくつかあって、そのうちのひとつに行く、ということなのか。

 もし王都が複数あるのなら、ヘンスは「○○の王都へ行け」と言うべきですね。

 もし王都がひとつしかないのなら、シャオロンは「どうやって王都に行くんだ」となります。

 で、読み進めると三つの王国があるようなので、「○○の王都へ行け」が正解かな。


>「『開かずの門』が開く。王都の代表として皇都で開催される儀式に参加するといい。俺はおまえを選んだんだよ」

⇒ここは意図的だとは思いますが、「王都の代表として〜儀式に参加するといい。」「俺はおまえを選んだんだよ」と続くと、ヘンスは「王都の代表」を選ぶ立場にあることになります。

 これが伏線として機能するかは以後の展開を読むしかありませんが。

 ある程度察しが良い人なら、「ヘンスって実は有力者なのでは」と考えると思います。


(1)> 誰も見たことのないが、まさに夢物語の世界だ。

⇒「見たことのないが、」が不自然です。助詞「の」は体言を修飾しますが、受けるのが「ない」という形容詞(用言)なので噛み合っていません。ここは、

(2)> 誰も見たことがないが、まさに夢物語の世界だ。

(3)> 誰も見たことはないが、まさに夢物語の世界だ。

(4)> 誰も見たこともないが、まさに夢物語の世界だ。

 のうちのいずれかですね。(4)は助詞「も」が重複するので、わかるとはいえ少し一意性が低い。(2)は格助詞「が」が接続助詞「が」に近いのであまりスマートな形ではありません。

 (3)を支持しますが、著者様の任意で構いません。

 どれも原文よりは良い形ですので。


> 砂嵐で一寸先が見えずらいが……。

⇒「見えづらい」ですね。「見える」+「辛(つら)い」が原型です。


> 背丈の倍以上もありそうな鉄門まで、ボスは彼らを警戒しながら後退りしていく。

⇒「彼らを警戒しながら」とは誰でしょうか。

 おそらくですが「彼ら」はボスの取り巻きであり、「ボスは警戒しながら彼らと後退りしていく。」かなと。原文に寄せると「ボスは彼らと警戒しながら後退りしていく。」ですね。ただ、「鉄門まで、」と書いてあるのでそこまで後退りするのか、という問題も出てきます。ちょっと絵が思い浮かべづらい一文になっています。


>わたしも戦闘体制を取り、ボスの脇を固めた。

⇒「戦闘態勢」ですね。


>「時が来た」と、ボスが囁いた。

>〜(中略)

> ボスが低く命じた。

>〜(中略)

> ボスの行動は素早かった。

⇒ここは意図的に「ヘンス」でなく「ボス」で統一しているのでしょうか。ここまでほぼ「ヘンス」と書いてきたので、ここで「ボス」表記は若干違和感があります。ただ、物語の性質上、ここは「ボス」であることを強調したい場合は、原文ママでかまいません。





※寸評

 事実上の序章第3話ですね。

 ヘンスがシャオロンに託したものはなんだったのか。

 今はわからない。

 でも、託したものを見つけるためにシャオロンは前へ向かうしかない。

 という状況ですね。


 寂れた砂と泥水の町から王都を目指すことになるわけですか。

 町の様子があまり描写されていないのは著者様らしくないなと思っていましたが、すぐに場面転換するため、重要ではなかった。であれば、町の描写はこの程度でかまわないと思います。


 貧民窟から見知らぬ都会へ出ていくことになるシャオロンが、これからどうやって暮らしていくことになるのか。主人公の不安を読み手と共有できるのも良い展開です。


 では昼食後にいったん他の方の添削をしてまいります。

 こちらの添削に復帰した際には、またコメントを残しますので目安としてくださいませ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る