Arthur6 行方不明事件
アーサーオブナイト 学園都市に眠る生命の泉
作者 サファイア
chapter2 レイン・アルフォード
Arthur6 行方不明事件
https://kakuyomu.jp/works/16816452219451956549/episodes/16817330648039539612
※誤字脱字・構文など
> 帰りのホームルームを終えたレインは、カバンを持って、所属しているテニスコート二個分ある剣道部の訓練場に入った。
⇒「所属しているテニスコート二個分ある」と続くと、テニス部に所属しているように読めてしまいます。最後まで読むと誤解はなくなるのですが、一瞬でもためらわせる表現は控えたほうがよいですね。これはふたつの情報を詰め込んだ一文になっているからでもあります。
> 帰りのホームルームを終えたレインは、カバンを持って、所属している剣道部の訓練場に入った。そこはテニスコート二個分の広さがある。
>「シュテル君。お疲れ様」
⇒「レイン君」ですね。
> 右手を上げてながら挨拶する上級生に言葉を返すと、着替え室に入る。
⇒「右手を上げながら」かな。
> ロッカーを開け、制服を脱ぐと美麗かつ女性を魅了する肉体があらわになる。
⇒ここに女性がいないのに「女性を魅了する」形容をするのは適切ではありませんね。剣道部の女性が見ているのでなければ、「女性を魅了する」は省いたほうがよいでしょう。
> ロッカーを開け、制服を脱ぐと美麗な肉体があらわになる。
>荷物をロッカーに中に入れると、防具に着替えて竹刀を取り、部屋から出た。
⇒「ロッカーの中に入れると、」ですが、「ロッカーに入れる」と書けば「中に入れる」ことを意味しますから「中の」は不要ですね。また「入れると」にするとロッカーの動作が終わってしまうので、「防具に着替えて」が「どういうこと?」と思われてしまいます。
そもそも「制服を脱ぐと」の後に「ボディシートで上半身を拭い」、その後に「荷物をロッカーに入れた」後に「防具に着替え」という流れなので、長い間下着姿なのかなと思わなくもありません。
>荷物をロッカーに入れ、防具を着込んで竹刀を取り、着替え室から出た。
⇒と助詞「を」がたくさん出ますが、重文と並列表記なのでこれは問題ありません。
>「今回も手合わせをお願いします」
>「あぁ、手加減はしないからな」
> 上級生と対峙する形で竹刀を構える。
>「申し訳ありません。遅れました」
>「大丈夫だよ。君達」
> 訓練場の入口から現れたのは、カリーヌ、ジュード、エリーだった。
⇒レインと上級生の会話なのに、突如として「申し訳ありません。遅れました」だと「レインがこんなときにこんなことを言うのか?」と疑問が湧きます。
たとえば、
> 上級生と対峙する形で竹刀を構える。
> すると訓練場の入口から声が聞こえてきた。
>「申し訳ありません。遅れました」
>「大丈夫だよ。君達」
> 現れたのは、カリーヌ、ジュード、エリーだった。
⇒とすれば、少なくともレインが言っていないことは伝わりますよね。
> 実践方式の練習が始まった。
⇒「実戦形式」ですね。
> タメになるアドバイスにレインは竹刀を拾い上げて、再び構える。
⇒「タメになるアドバイスに」は書かないほうがいいですね。ちょっと押し付けの強い言葉です。
(1)> 実践方式の練習が始まった。レインは相手の動きを見て攻撃を仕掛ける。しかし、読まれていたのか、上級生から小手に直撃を受けてしまう。予想外の事態に、竹刀を落としてしまう。
(2)>「さすがですね。先輩」
(3)>「剣の動きは良いが、感情が出ている。剣道というのは勝ちたいという私情を出せば、相手に隙を与える。無の心で戦う意思が無ければ、いくら君でも相手に打ち勝つのは無理だよ。ほら、再開だ」
(4)>「はい、分かりました」
(5)> タメになるアドバイスにレインは竹刀を拾い上げて、再び構える。
(6)>「ではいくぞ! レイン君!」
(7)>「たぁぁぁ!」
(8)> 額に汗流しながら、上級生に立ち向かっていき、己の成長のために鍛錬を重ねていった。
⇒(1)は「小手に直撃を受けてしまう」は「小手を打たれた。」ですね。「予想外の事態に」は「小手を打たれるとは思わなかった」ということになりますが、実戦形式で行なっているのなら「予想外の事態に」だと合わないですね。たとえば、
(1’)>しかし、読まれていたのか、上級生に小手を打たれた。衝撃で竹刀を落としてしまう。
とすれば流れもスムーズになります。
⇒(3)は「感情が出ている。」は「気持ちが出すぎている。」とするとよいのですが、レインがある程度剣道に慣れているのなら、「まだ気持ちが出ている。」と書くとよいですね。
「勝ちたいという私情を出せば」は「勝ちたい欲が出れば」ですね。助動詞「たい」は「欲する」意があります。私情ではなく欲ですね。
「無の心で戦う意思が無ければ、」は漢字で書くので「無」の字の重複が気になります。また「無の心で戦う意思」と書くと「無の心で戦う」という「意思」があるわけですよね。「無の心」つまり「無心」の境地に達すると、なにも考えません。「無の心で戦おう」とも思わないのです。単純に「ありのままを受け入れて、流れに逆らわずに動く」のが「無心」の境地です。ここは「無心の境地に達しなければ、」あたりが最適ですね。
(3’)>「剣の動きは良いが、まだ気持ちが出ている。剣道というのは勝ちたい欲が出れば、相手に隙を与える。無心で境地に達しなければ、いくら君でも相手に打ち勝つのは無理だよ。ほら、再開だ」
⇒この部分では(2)(5)(6)(7)(8)は不要な文です。削ったほうが文章が締まります。
>「さすが、先輩方は強い。経験が積んでいる」
⇒「経験を積んでいる」ですね。
>「そうね。まだまだ、未熟だけど頑張っていこうね。レイン」
⇒「そうね。」じゃなくて「私たち」にしたほうが文章としてスムーズです。
>「私たち、まだまだ未熟だけど頑張っていこうね。レイン」
> 一息つきながら煙月を見た後、視線を前に戻す。
⇒「煙月」はかなり古い語彙なので、近未来のファンタジーとしては取り合わせが悪いですね。まだ「朧月」のほうが新しい語彙です。
(9)>「さて、寮に帰るか」
(10)>「ちょっと待ってください」
(11)> レイン達が移動魔術を発動しようとした時、後ろから誰かに声を掛けられた。見てみると、中肉中背で茶髪に黒い瞳をした男子生徒の姿が目に入る。
(12)>「なにか用かい?」
⇒(10)の声は(11)で他人だとわかります。この語順だと四大騎士家の誰かが言ったように捉えられます。
動作をしっかりと描くことで、前後しないようにしてみます。
(9)>「さて、寮に帰るか」
(11’)> レイン達が移動魔術を発動しようとした時、
(10)>「ちょっと待ってください」
(11’)> 後ろから誰かに声を掛けられた。振り返ると、中肉中背で茶髪に黒い瞳をした男子生徒の姿が目に入る。
(12)>「なにか用かい?」
>「森本君か、よろしく。すでに知っているけども、僕はレイン・アルフォード、赤髪の彼女がカリーヌ・マルース、緑髪の彼がジュード・ルイン、黄のハーフアップの彼女がエリー・キャロル」
⇒「すでに知っているけども」が奇妙な言い回しです。
「すでに知っているだろうけれども」と推量の助動詞「だろう」を使うとすっきりします。
>「ところで、制服に付けてあるバッチを見るかぎり、銀だから中流の人間だね?」
⇒「中流の人間だよね?」はかなりぞんざいな物言いです。「中流だよね?」でよいです。
あと、「バッジを見るかぎり、銀だから」も言い回しとしてはすっきりしないので、
>「ところで、制服のバッチを見るかぎり、中流だよね」
>「嬉しいわ。元気づけて良かったわ」
⇒「元気づけて良かったわ」がよくわからない言い回しです。この一文は削ったほうが流れがよくなりますね。
>「やはり、そうでしたか。きっと、学園長が教育の障害になると考えて、貴方達や|上流の生徒さんには伝わらないように情報規制をしたんですね」
⇒「|上流の」と「|」の字が余計ですね。削りましょう。
>(人の命が係っているのに、学園のトップに立つ人ではないな)
⇒「人の命が懸かっているのに、」ですね。
>その事件は騎士庁に任せてたらいいので」
⇒「騎士庁に任せたらいいので」ですね。
> レイン達は、頭を下げる森本に別れの挨拶をしながら、移動魔術で寮へと帰る。
⇒「寮へと帰った。」と過去形にしましょう。これで移動魔術で移動できたのが確定します。
※寸評
まだ「シュテル」がいるので、「レイン」へきちんと変更しておきましょう。
文字列「シュテル」を検索して「レイン」に置き換えていけば済む話ですので。他に「シュテル」が含まれる単語があるのなら、一語ずつ置き換えるか判断していけば済むことです。
あとは文章がぎこちないですね。若いからというのもあるのですが、文章がこなれていないので、どうしてもギクシャクした言い回しが多いのです。
以前からお話ししていますが、文章がうまいなと思える作品を書き写して、文体を吸収してみてください。目標になる文体を見つけ出すのも、書き手としての引き出しを増やすのに有効ですよ。
内容自体は前作を読んでいるのでとくに驚くものもないですし、穏当な一話だと思います。
とにかくもう少し文体を固めたほうがいいですね。
「書く」には「読む」量をこなさなければなりません。
読まずに書ける人はほとんどいません。それは一般人がいきなり文豪レベルの作品を書くのと同義だと思ってくださいませ。
文豪の模写を繰り返せば、その文豪に追いつくことはできます。しかしなんの手がかりもない一般人がなにもせずに文豪レベルには到達しないのです。
だから、とにかくよく読んで、書き写してみてください。
きっと作者様の力になるはずですよ。
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