平安の世、陰陽師と姫君 6
陰陽師の呪縛 〜男を必ず落とす超モテ女の秘密〜
作者 雨 杜和
第一部 平安時代「深草の女房日記」前編
平安の世、陰陽師と姫君 6
https://kakuyomu.jp/works/16816452219750143893/episodes/16817330648712694210
※誤字脱字・構文など
誤字等はありませんでした。
推敲お疲れさまでした。
※寸評
>「明日は、わたしにとって、ここは忌むべき方角と言うではないか。別の屋敷に行く。用意せよ」
⇒「忌むべき方角」とは基本的に「移動すると凶となる方位」のことです。
平安時代では陰陽家の間で「奇門遁甲(八門遁甲とも)」「六壬神課(大六壬とも」「太乙」あたりが受け継がれていました。そのうち私が知る「奇門遁甲」「六壬神課」の方位術は「移動する方角が凶になるから、いったん凶を避ける方位へ赴き、数日から数ヶ月暮らして移動先が吉方位になったら移動する」ことをしていました。これを「方違え」というのです。
で、今回はいつもいる屋敷が「忌むべき方角」になるということです。
普通「方位術」というと「凶方位を避けて移動する」のが主目的なので、「動かない」ことは想定外なんです。
そこで考えられるのは作中にもあったように「敷地内を移動するのに方違えが必要なほど広大な屋敷である」とすることです。
今私が知る中で最短距離の「方位術」は500m移動して5分滞在すると「方違え」が成立するものです。
一般的には50km以上移動して5時間以上滞在(できれば一夜を明かす)というもの。
平安当時に50kmもの広さを持つ屋敷はまず考えられないので、最短距離の500mを採用することになります。(単位は現在のメートルを用いています)。
今回の解決策なのですが、明後日に屋敷内の別棟を訪れる予定だが、方位が悪いため一晩「方違え」を行なってから移動しよう、ということにします。
そもそも深窓の姫ですから、兼家の屋敷から出ることも稀ですよね。
稀に動こうとして、そこが「凶方位」に当たるから、「方違え」で別邸や寺社へ一泊してから目的地に赴く。という流れにすれば、問題なく解決すると思います。
今回は西に「方違え」しているので、東西が凶方位ではないですね。同じベクトルでは「方違え」にならないので。たとえば南西へ移動したいが、凶方位なのでいったん西へ移動してから南東へ移動するような形で「南西」への直接移動を回避する手があります。
パターンとしては
「南 が凶方位」で「西へ方違え」し「吉方位の南東」へ向かうもの。
「南西が凶方位」で「西へ方違え」し「吉方位の南 」へ向かうもの。
「北 が凶方位」で「西へ方違え」し「吉方位の北東」へ向かうもの。
「北西が凶方位」で「西へ方違え」し「吉方位の北 」へ向かうもの。
この四つが挙げられます。
いずれにせよ「方違え」が必要な理由を少し変えたほうがよいですね。
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