平安の世、陰陽師と姫君 7
陰陽師の呪縛 〜男を必ず落とす超モテ女の秘密〜
作者 雨 杜和
第一部 平安時代「深草の女房日記」前編
平安の世、陰陽師と姫君 7
https://kakuyomu.jp/works/16816452219750143893/episodes/16817330648918317105
※誤字脱字・構文など
>いつこんな姿形を形成したのか、異形の者が佇んでいた。
⇒「形」の字が一文に三回出てきます。これを嫌うのが少し読み慣れている人で、まったく気にしない人はあまり小説を読まない。また意図がありそうだと感じる人もいます。
通常「一文に三回も」だと作為を感じざるをえません。
もしひとつだけ残すのなら、
>いつこんな姿を成したのか、異形の者が佇んでいた。
と「形」の字をふたつ消すだけで成立します。
ただ「形」を畳み込むことで生まれる「執着心」を出すには、あえて三回出すと良いでしょう。
※寸評
「方違え」でやってきた別邸で怨霊に襲われる。
方位術の誤りなのか、あえてそんな「方違え」をさせるための罠なのか。
このあたりの説明があると、政治的な面で藤原兼家の影響力を描けるでしょう。
あえて彼の娘を、凶方位へと追いやった人物がいたのではないか、と。
後半は深草の女房の慌て具合の描写がよいですね。
つねに冷静な「姫」とは対照的に描けています。
法光の怨霊が現れたのであれば、姫に「偽りの吉方位」を示したのが陰陽師の末席でもある「法光の仕業」とすることもできなくはないですよね。
それに気づいた賀茂光栄が「姫」の「方違え」の場所に駆けつけてくる理由にもつながるのではないでしょうか。
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