平安の世、陰陽師と姫君 1
陰陽師の呪縛 〜男を必ず落とす超モテ女の秘密〜
作者 雨 杜和
第一部 平安時代「深草の女房日記」前編
平安の世、陰陽師と姫君 1
https://kakuyomu.jp/works/16816452219750143893/episodes/16817330647878276516
※誤字脱字・構文など
>しかし、たとえ彼の娘であっても、実母の身分が低い姫、自分の出世は望めぬだろう。
⇒「実母の身分が低いため、」かなと思います。
この一文はやや技巧を凝らそうとしてわかりづらい印象があります。
シンプルにすると、
>しかし、たとえ彼の娘であっても、実母の身分が低く、出世は望めぬだろう。
>視線の先には光栄の姿しかうつしていなかった。
⇒「視線の先には」「〜があった。」の形が最初にあって、この変形として「視線の先には」「〜しかなかった。」があります。否定形にしたんですね。
で、ここからが妙な点で、「視線の先には」「〜しかうつしていなかった。」だと「姫」の視線の先に光栄の像を投影しているような印象を受けます。つまり「姫」が映写機になってしまっているのです。
最も納得度の高い表現は、
>視線の先には光栄の姿しかとらえていなかった。
ですね。こちらなら「視線の先」で「光栄の姿」しか「とらえていなかった」わけですが、他のものが映り込んでいなかった意となります。
※寸評
前半は口が利ける「姫」であり、改行を一気に入れて喋れなかった七歳の頃の「姫」を描く。
人によってはやや不可思議な順序に映るかもしれません。
> そう、あれはもう十年も前になる。
> 姫は七歳だった。
これがきちんと読み手に伝わっていれば、読み間違いはないのですが、流し読みする人からは見落とされる可能性が高いですね。
その場合は「ちぐはぐな文章」という印象になってしまいます。
たとえばダッシュを引いて、読み手の注意を引く手があります。
> ──そう、あれはもう十年も前になる。
> ──姫は七歳だった。
これだけでもダッシュが読み手の注意を惹いてくれるので「読み落とし」を格段に防げます。
第一話から「ちぐはぐな文章」と思われたら、第一話のPVだけ高くて第二話のPVが急落する可能性があります。
それをダッシュを引くだけで回避できますので、コストパフォマンスの高い表現だと思います。
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