17

臨海22世紀

作者 長宗我部 芳親


夢見るガイノイド編

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https://kakuyomu.jp/works/16817139556713261997/episodes/16817139558211970365



構文と誤字脱字など

>『ミオンを助けてくれてくれてありがとう!』

⇒「助けてくれてありがとう!」ですね。



> 女性職員はセーラの心急ぐ問いかけにどきまぎ戸惑っている様子だ。

⇒ここの「心急ぐ」もそうですが、類語辞典で調べて使っているのでしょうか。

 誤用があれば都度指摘していきますので、さまざまな語を使ってみてください。表現の引き出しも増えますし、取り組みとしては悪くありません。

 ただ、小説賞・コンテスト狙いの場合は、誤用すると評価が下がることがあるので、怪しい語は確実に用例を参考にして書くようにしてくださいね。

 ここの「心急ぐ」は正しい用例です。



(1)> 彼女の背中を見つめながら、ミオンは首を傾げる。

(2)> ランタンの明かりを落とし、ミオンは横になる。

⇒近くで似た表現が並ぶと単調さを与えやすいので注意してください。

 ここでは「〜、ミオンは〜する。」という文型が同じです。

 (1)はまだアイゼンの余韻があるので「ミオンは」と書く必然性があるのですが、(2)はすでにミオンひとりになった状態なので「ミオンは」と書く必然性がありません。なくても「ミオン」だろうと読み手にはわかります。



> 確信にも似た表情を見せながら、ミオンは一歩ずつ歩みを進める。

⇒ここは「表情を見せながら、」が傍から見た描写、「ミオンは〜歩みを進める。」はミオンの描写になっていて、一文で描写対象がズレています。「ミオン」について書きたければ「表情を浮かべながら、」にすると「ミオン」の描写にできますよ。



>「きゃああああああああ!!!!!!」

>
>

>「――ミオン様!?」

⇒ここは視点保有者がミオンからアイゼンに切り替わっているので、改行は三つもしくは改段落の記号などで区切ったほうが確実です。



>アイゼンはそれに心打たれたかのように一層と気を引き締めた。

⇒ここはやや不自然かなと。アイゼンはそれに「心打たれたかのように」だと感動するのかと思いきや「一層と気を引き締めた」と続きます。「心打たれる」は感動する表現なので、続く語が食い違ってしまっています。ここは単にそれに「励まされたかのように」でよいでしょう。これなら「一層と気を引き締めた」にしっくりと馴染みます。



>彼らにとって重要な乗り換えの効く時間も終わりに迫っているようですし、今晩はもう大丈夫でしょう。

⇒「終わりに迫っているようですし」は「終わりが迫っているようですし」か「終わりに差しかかっているようですし」ですね。



> しばらくして――、

⇒この一文で視点保有者がまたアイゼンからミオンに切り替わっています。前を改行三つにするか改段落の記号を入れるとわかりやすくなります。



> アイゼンの親切心を受け取り、二人は並んで廊下を歩く。

⇒「親切心を受け取り」は少し古い表現ですね。ただ、本作はところどころに少し古い表現を残してあるので、ここもそのひとつということでなんとかなるでしょう。



> アストラモスに化石を元に肉体を復元されて襲われるようなことがないように、対策を施したもののらしい。

⇒「対策を施したものらしい。」ですね。




※構成と展開について

 アイゼンのパートの見せ場ですね。ここをどのように解決するのか。頼りになる武器もないし、戦うにしても相手は素早いですよね。次回が気になるところです。


 途中で書きましたが、本作品はかなり頭を使って類語辞典などから表現を借りて使っているような単語がよく出てきます。ちょっと古い表現が多いので、そこを選考さんがどう受け取るか。それで小説賞やコンテストの評価に差が生じます。

 ですが、こういった表現をまったく思いつかない人と、多少古くてもこういった表現が使える人とでは、後者のほうに可能性を感じますので執筆はこの路線でかまいません。

 書籍化するにしても担当編集さんが「古い表現なので今風に」という指定をするだけで済むのでそれほど負担はかからないからです。

 執筆はある種のパズルですから、たくさんのピースを持っているほうが完全に合う表現をひねり出しやすいのも確かです。私は平易な表現で固めますから、著者様は文章に工夫を施すだけの余裕があるのもいいですね。

 あまりにも古かったり、用例を間違えていたりした場合は適宜指摘していきますので、今の感覚で表現を攻めていきましょう!



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