外務省の男 4

彷徨える王【心理サスペンス:横溝正史ミステリ&ホラー大賞応募作品】

作者 雨 杜和orアメたぬき


第三章

外務省の男 4


https://kakuyomu.jp/works/16816927863278356267/episodes/16817139555535767095



構文と誤字脱字など

>それで、検視のために死亡解剖をしたいのだけど、向こうでのツテはないかしら」

⇒「検視のための司法解剖」かな? 「死体解剖保存法」っていうワードもヒットしましたが、これは日本の法律ですのでちょっと違うと思いますので。

 少し先に

>「デトロイトに検視解剖をしてもらうツテがあるのかしら? 捜査することができるのか教えてほしいの」

⇒とあるので「検視解剖」かもしれません。

 さらに進むと、

>「この人たちに連絡するといい。最初にメモしたドクター佐藤は米国で司法解剖を勉強をする日本人医師だ。

⇒とあるので、なおさらわかりづらくなっています。それぞれ示す行為に差がありそうなので、意識的に使い分けているのか、単にバラけてしまったのか。判断に困りますね。



(1)> 彼の言葉を無視して、所長室に向かった。

(2)> ドアを開けると、書類仕事をしていた彼は顔をあげ渋い表情を浮かべた。

⇒ここまで五月端と話していて、(1)の彼は「五月端」ですよね。そして(2)の彼は「所長」ですよね。

 間で頼りになりそうなのが「所長室」なのですが、(1)のときに「所長室に向かった。」で、(2)で「ドアを開けると」が五月端の部屋のドアなのか、所長室のドアなのかが判然としません。

 なので先入観なしだと、(2)の彼は「五月端」だと読めてしまいます。



>「お待たせしました」

>

> ドアを丁寧にノックして彼が入ってきた。デスクの前、戸隠所長の向かい側に端然とすわったが、わたしはまだ立ったままでいた。

⇒ここはちょっとした叙述の違いなので、許容する方と許容しない方がいるので記しておきます。

 この文をそのまま読むと、「お待たせしました」という声が聞こえてきたあとに、「ドアを丁寧にノックして」から「彼が入ってきた。」ように感じられます。

 これは本当に受け取り手の問題でもあるのですが、字面をそのまま映像化していくと、どうしてもこの順序が浮かんでしまうのです。

 たとえば、

> ドアが丁寧にノックされ、ゆっくりと開かれた。

>「お待たせしました」

> 彼はデスクの前、戸隠所長の向かい側に端然とすわったが、わたしはまだ立ったままでいた。

⇒こう書くと、少なくとも初見の人でも動作は間違えないと思います。

 で、原文が悪いかといえば、まあ多少悪いのですが、そこまでではありません。文章を短くしてリズムを出すためであれば、こう書いても致し方ないところです。




※構成と展開について

 ここで「即断即決」な性格ということで、一度決めたら突き進む傾向がうまく語られているようですね。

 五月端も戸隠所長も置いてけぼりにして、ひとりで状況を先に作ってしまい「既成事実化」を狙っていますね。

 前話までの、少しか細い面を感じさせた櫻子が、戦闘モードに入ったのか生き生きと動き始めたと思います。

 かわいいからかっこいいへの変貌が、これからどのように活かされていくのか。

 おそらく次回は旅客機に乗るところまでかな。

 で、第三章が終わって、第四章でデトロイトに着いたところから始まる。

 章変わりできちんと場所が移動しているので、唐突感や違和感は感じられないと思います。

 ここまで5万字弱なので、第三章終わりで役5万字。残り7万字がアメリカ編ということになるのかな。まあプロローグを含めての話ですけど。

 ただ、本来の舞台であるデトロイトにたどり着くまでが少し長かったかなと思えますが、日本にいる間に仕入れた情報が活かされる展開なら、多少日本編が長くてもOKだと思います。たとえばインターポールに出向していた人を連れていくのような形も考えられますね。

 バランスをとるために13万字とか14万字とか、文字数制限を活かしてアメリカ編の長さのバランスをとるようにしてみてください。



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