血のつながらない兄 4(改稿後)
彷徨える王【心理サスペンス:横溝正史ミステリ&ホラー大賞応募作品】
作者 雨 杜和orアメたぬき
第二章
血のつながらない兄 4(改稿後)
https://kakuyomu.jp/works/16816927863278356267/episodes/16817139555121055023
構文と誤字脱字など
> 暴行事件の三日後の朝だった。
>〜
>「昨夜ですが、駅前で暴行事件がありまして。ご存じでしょうか」
⇒ここは「三日前の夜ですが、」かなと。
> 昨夜は眠れない夜を過ごし、やっと寝付けたのが明け方で、ぼうっとしていたが、眠気がいっぺんに覚めた。
⇒「昨夜までは眠れない夜を過ごし、」かなと。
>「わたしが塾から帰ったら、三人の酔っ払いに強引に誘われたんです。怖かったから断ったけど、しつこくて。腕を引き摺られて」
⇒「強引に誘われた」は「絡まれた」と書いてもニュアンスは同じかなと思います。ここに程度を示す形容詞や形容動詞をつければもう少し表現が広がりやすいですね。たとえば「執拗に絡まれたんです。」にすると「しつこくて」のニュアンスが追加されます。
まあ年齢を考えれば「強引に誘われた」でも問題はありません。
> 寝ぼけた声で、あっさりと否定した。思わず、わたしは調子外れの間抜けな笑い声をあげた。
>
>「被害者から告訴状が出たんです。そこで、署までご同行願いたいのですが」
>「あ、あの」と、耐えきれずに間に入った。
⇒「思わず、わたしは調子外れの間抜けな笑い声をあげた。」のに「耐えきれずに間に入った。」は表現がちょっとミスマッチかなと思います。
> 実際のところ正当防衛を主張するには、相手の状態が酷すぎた。
> この場合、暴行罪の適用からも外れ、傷害罪に相当すると、今のわたしなら、すぐわかっただろう。
⇒ここは正当防衛か過剰防衛かが争点になるはずです。
「刑法第36条1項に、正当防衛とは「急迫不正の侵害に対して、自己または他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為」と定義づけられています。」
「刑法第36条第2項に、過剰防衛の規定があります。 「防衛の限度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。」」
とあるので、今回は櫻子は正当防衛を主張しますが、撃退する相手の状態を考えると過剰防衛に該当し、情状を酌量して刑の軽減または免除も可能になるのです。
そこで今回の出来事についてですが、当事者以外から目撃証言を聴取できていれば、おそらく過剰防衛でも「情状酌量の余地」はあると思います。
もし目撃者がいない場合、過剰防衛側の櫻子の主張と、櫻子に絡んだ三人組の主張のどちらに妥当性があるかが争点になるはずです。
そしてだいたいの場合、絡んだほうは自分たちの行為を矮小化して申告するものなので、懲罰観念が強くなります。
こういうところで絡んだ側は図に乗るわけですけどね。
※構成と展開について
改稿後の添削になります。
構成としては過去の話で一本道なので読みやすくなりました。
展開としては「先がわからない」という不安が読み手に強く残ると思います。
あと今回の暴行事件は正当防衛か過剰防衛かが争点になりますね。
どちらにしても酌むべき情状がありますので、刑が減免するのはまず間違いないかと。
今回のケースでは最初から相手を傷つけることを目的とした傷害罪ではなく、他人に対して暴行をした者に適用される暴行罪の範囲は越えないと判断します。
暴行罪に対して正当防衛か過剰防衛かの情状が酌量されて量刑が決まります。
たとえ相手が亡くなったとしても、櫻子に執拗に絡んでいた人たちに対する正当な防衛反応が行き過ぎた結果過剰防衛での傷害致死となります。裁判になっても刑の減免もある程度織り込まれた判決になるでしょう。
似たものに過失致死傷罪があるのですが、こちらは傷つけるつもりがなかったが結果として死傷に至らしめたときに適用されます。
暴行罪、傷害罪、過失致死傷罪のいずれにせよ、過剰防衛によるある程度の刑の減免はある事案ですね。
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