血のつながらない兄 3

彷徨える王【心理サスペンス:横溝正史ミステリ&ホラー大賞応募作品】

作者 雨 杜和orアメたぬき


第二章

血のつながらない兄 3


https://kakuyomu.jp/works/16816927863278356267/episodes/16817139554743080090



構文と誤字脱字など

> 暑くギラギラ輝く太陽と、校庭から聞こえる生徒たちのかけ声と、木々をざわめかせて吹く風と、遠くから聞こえる吹奏楽部の音と、そのどれもが完成されたパズルのように、ぴったりとピースにはまった。

⇒ここの表現はいいんですけど、「ぴったりとピースがはまった。」ですね。「完成されたパズルのように、ぴったりとピースがはまった。」とこの部分だけを切り出すと助詞「が」が正しいとわかります。



> 兄があきれるほど頭がいいと周囲が認めたのは、学校に通って二年もしなかった。

⇒「学校に通って二年もかからなかった。」「学校に通って二年も経たなかった。」「学校に通って二年を待たなかった。」あたりですね。「しなかった」は万能性があるので重宝しますが、もう少し的確な単語のチョイスをしていくと、さらに文章の練度が上がります。



> そう思うと誇らさに、はち切れそうになった。

⇒「そう思うと誇らしさに、(胸が)はち切れそうになった。」

 「胸が」を入れたほうが慣用句であることがわかっていいのですが、文章のリズムを乱すかもしれません。作者様が是非を決めていただければと思います。



> 乱闘のなかで、わたしは心配よりも違和感を感じた。

⇒「違和感」は「を覚える」「を持つ」「を抱く」「がある」あたりをとります。「違和を感じる」から「違和感」なので「感じた」に付けると重複してしまいます。




※構成と展開について

 ここで兄ジオンの静と動を読み手に印象づけていますね。

 おとなしくて優等生な静と、ケンカ慣れしている野性的な動。

 二面性を引き立てた展開で、これを1話に盛り込んだのはいい判断です。

 そこに櫻子が惹かれていくさまを丁寧に描写していますね。


 映像化の観点からですが、ケンカした相手は血を流していたでしょうし、櫻子も肘をケガしています。ここで「赤」系統の色味を印象的に使うと、ジオンの「黄色い瞳」とともに本話を色づける要素になりますね。

 「黄色」を印象づけたかったと思うのですが、この物語はバイオレンスも取り込んでいるので「赤」も要所で用いるとさらに効果的ですね。

 作者様が「ここは黄色で押し通したい」という意図があるのなら別ですが、もし妥協できそうなら「赤」も混ぜてみてくださいませ。



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