美しい依頼人 5

彷徨える王【心理サスペンス:横溝正史ミステリ&ホラー大賞応募作品】

作者 雨 杜和orアメたぬき


第一章

美しい依頼人 5


https://kakuyomu.jp/works/16816927863278356267/episodes/16817139556967554593



構文と誤字脱字など

> 砂利の敷き詰められた石畳のアプローチ。歩く途中で、ひょこひょこした足取りの初老男性が、出迎えるように玄関から出て来た。

⇒「歩く途中で、」が初老男性の動きに読めてしまうので、たとえば以下の処理を考えました。

(1) 砂利の敷き詰められた石畳のアプローチを歩く途中で、ひょこひょこした足取りの初老男性が、出迎えるように玄関から出て来た。

(2) 砂利の敷き詰められた石畳のアプローチを歩いていると、ひょこひょこした足取りの初老男性が、出迎えるように玄関から出て来た。

(3) 砂利の敷き詰められた石畳のアプローチを歩いている。その途中、ひょこひょこした足取りの初老男性が、出迎えるように玄関から出て来た。

⇒長文を嫌うなら(3)のところで切る。長くてよければ(1)(2)も考えられます。



> ──ご主人に魅力を感じてらっしゃるんですね──という問いに綾乃は頰を染めた。その相手がこのジジィ。

⇒ここにきて「このジジィ」はインパクトが強いですね。肩透かしを食らった櫻子の毒づきですかね。なかなか面白い表現だと思います。



> 話が妙な方向へいっている。わたしは体制を立て直そうと粗茶を見た。

⇒「態勢を立て直そうと」ですね。



>「申し訳けございません。

⇒「申し訳ございません。」ですね。



>なんでまた、妻の名前を語ったかのう。

⇒「妻の名前を騙ったかのう。」ですね。




※構成と展開について

 自称「藤川綾乃」の朱常考が謎を残していきましたね。これぞミステリー。

 なぜ殺されなければならなかったのか。誰に殺されたのか。そもそも殺されたのか。などなど。

 ただ「財団」を探っていたということで、それを調べてほしいというメッセージだったのか。何者かに派遣された伝令だったのか。

 藤川拓次郎もそもそも物語に関係してこないとは言い難い。

 というあたりの謎を抱えての第一章終わり。

 なかなかに読み応えのある作品です。


 映像化を想定すると、本物の藤川綾乃の来ている服の色や柄、肝心の藤川拓次郎が着ているものあたりは書いていると映像が浮かびやすくなります。まさかとは思いますが、Tシャツにステテコ、ベージュの腹巻きなんていう姿をしているかもしれない。というより私が最初に思い浮かべたのがその服装でした(笑)。その点から言うと、櫻子の服装がわからないですね。ただ自称「藤川綾乃」が死んだと思っていたから喪服かなとは思いますが。決定打にはなりません。

 また、騙されていたとわかったときの櫻子の衝撃をもう少し強く書いてもよいような気もします。さすがに「開いた口が塞がらない」のようなテンプレを書くくらいなら、今のままのほうがよいのですけどね。「驚くことしきりだ。」あたりでも三人称一元視点ならだいじょうぶだと思います。まあこれもテンプレか。少し頭をひねってみて「ジジィ」から印象が変わったあたりの「驚き」をもう少し盛りましょう。

 そのあたりの映像化を考えるとよいですね。伊勢村さんの書籍化作品でも、姫君と侍女の服装を丁寧に書いています。きちんと着ているものがわかるというのは、映像化に向けて動きやすいというメリットを生みます。

 ただの書籍化で終わらせず、その先の映像化を目指すために、気をつけておきたい部分でした。



※寸評

 第一章は櫻子の性格と、自称「藤川綾乃」の朱常考の残した謎が大きな伏線になりそうですね。

 櫻子の説明が少ないのでもう少し櫻子の外見(顔立ちと体型など)とか愛用品とか考えるクセのようなものを書き込めたら、映像化が捗ると思います。

 第二章で場面が大きく変わりそうですが、そこに持ち込むアイテムや伏線はどのくらいあるのか。

 そこが楽しみですね。


 

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