第十九話 一人の少年

サファイアオブプリンス

作者 サファイア

第四章 聖女の騎士団

第十九話 一人の少年


https://kakuyomu.jp/works/1177354054885438097/episodes/1177354054888183390



構文・誤字脱字等

> シュテル達が、再び訓練を再開しようとしているその頃、ルビーとシトリンに見守れながら、ベットに下着姿で至る所に包帯で巻かれて横になっているアメジストの姿があった。

⇒「再び訓練を再開しようと」は「再」の字が重複しています。ここも「再び」は省きます。「見守られながら」「ベッド」ですね。「至る所に包帯を巻かれて」です。

 ちなみに「〜しているその頃、〜の姿があった。」だと文が成立しません。「〜している頃、〜していた。」が基本ですね。以上を踏まえます。

> シュテル達が、訓練を再開しようとしているその頃、ルビーとシトリンに見守られながら、ベッドの上で下着姿のアメジストが至る所に包帯を巻かれて横になっていた。



> この学園都市の何処かから入れるアジトで、そこで彼女達は今後の方針等を決める。

⇒「そこで」は要りません。



> 中でも、この部屋は幹部専用のリビングで、構成員達は絶対に入ることが許されない彼女達専用 の遊びとくつろぎの場所で、高級そうな家具と家電、大量に棚に並べたお酒、ダーツとビリヤードが、置かれている。

⇒「〜リビングで、〜くつろぎの場所で、」と続くと助詞「で」の重複が発生していてまた少し文が間延びしてしまいます。「大量に棚に並べた」を見て助詞「に」の重複だと思われるのですが、この「大量に」が曲者なんです。実はこの「大量に」は「大量の」という形容動詞の連用形なのです。普通形容動詞は常体で「静かな」のように「な」をとるのですが、まれに今回の「大量の」のように常体で「の」をとる形容詞が存在するのです。こればかりは「の形容動詞」を憶えるしかありません。この「の形容動詞」は「大量だ」のように「だ」に活用すると程度を示すので「の形容動詞」と区別できます。ちなみに連用形は助詞「に」よりも用言に近くなければわかりづらくなりますので、「棚に」の後に置きます。

> 中でも、この部屋は幹部専用のリビングで、構成員達は絶対に入ることが許されない。彼女達専用の遊びとくつろぎの場所で、高級な家具と家電、棚に大量に並べられた酒、ダーツとビリヤードが置かれている。



> 今、この組織に雇われている女の医者がアメジストの治療を施して終わったところである。

⇒「アメジストの治療を追えたところである。」ですね。


> アメジストが重傷を負ったと知ったアーサーから任務で出ていたサファイア、エメラルド、アクアマリンが、任務を終わらせ早急に駆けつけている

⇒ちょっとわかりにくいので、「アメジストが重傷を負ったと知った」を後ろにまわします。

> アーサーから任務で出ていたサファイア、エメラルド、アクアマリンは、アメジストが重傷を負ったと知り、任務を終わらせて早急に駆けつける。



> 40分後、サファイアら3人が到着し、サファイアが勢いよく扉を開ける。

⇒ここは「サファイアが」は「サファイアら3人」とバッティングするので、削りましょう。オススメは扉を開ける動作そのものを省くことです。

> 40分後、サファイアら3人が到着し、勢いよく扉を開けた。

 または、

> 40分後、サファイアら3人が到着した。



> 「大丈夫ですか!? アメジストが、やられたと聞きましたが!?」

⇒「大丈夫ですか!?」と最初の一言をいう人はまずいないでしょう。アメジストが心配なら開口一番「アメジスト」が出てくるはずです。



>「えぇ、そうよ。アメジストが、手始めに財閥の二人を暗殺しようと仕掛けたけど、想定外にその二人に返り討ちされたのよ!」

⇒「二人」が二回て出てくるのでスマートにします。「想定外に」はなくても良いかなと思います。

>「えぇ、そうよ。アメジストが、手始めに財閥の二人を暗殺しようと仕掛けたけど、(想定外に)返り討ちされたのよ!」



>「脚に被弾した弾の除去と腹の刺し傷の治療して消毒し、多めに包帯を巻いておきましたが、槍で腹に刺さった怪我が致命傷になっており、完治するには、二週間かかるので、しばらく安静にしておく必要があります。」

⇒「被弾した弾の」は「弾」の字の重複です。「脚に受けた弾」「脚に当たった弾」「脚に命中した弾」といった平凡な語のほうが有効なパターンです。「腹の刺し傷を治療して消毒し、」ですね。あとは「怪我が致命傷になっており、」は表現が過ぎます。「致命傷」は「命を致す傷」つまり「これが元で死ぬ傷」のことです。でも二週間で完治するのですから「致命傷ではありません」「槍が刺さった腹に傷が思いの外深く、」くらいでよいと思います。

>「脚に受けた弾の除去と腹の刺し傷を治療して消毒し、多めに包帯を巻いておきました。しかし、槍が刺さった腹の傷が思いの外深く、完治には二週間かかるでしょう。しばらく安静にしておく必要があります」



>シトリンが、笑顔で幸樹と呼ばれた少年に言った。

⇒どちらが「笑顔」だったのかで読点の位置とごの順序が変わります。おそらく、

>シトリンが笑顔で、幸樹と呼ばれた少年に言った。

⇒のように「シトリンが笑顔だった」のではないでしょうか。

 もし「幸樹と呼ばれた少年」が笑顔だったら、

>シトリンが、幸樹と呼ばれた笑顔の少年に言った。

⇒になります。



> 彼を不幸にさせない為に、戸籍でカモフラージュし、それぞれ一人の構成員と下請けの男を親役として偽造した。

⇒「戸籍でカモフラージュし、」とありますが、「偽造した。」とありますので、以下のようになります。「それぞれ一人の」は親役なのですから当たり前なので削除します。

> 彼を不幸にさせない為に、構成員と下請けの男を親役として戸籍を偽造した。



> すると、幸樹がアメジストと見て驚き彼女の元へ向かう。

⇒「アメジストを見て」ですね。



>「ご、ごめんね……姉さん、ある二人をやっつけようとしたけど、返り討ちにされちゃた」

⇒「返り討ちにされちゃった」ですね。



> アメジストは、優しい表情で心配そうな表情をしている幸樹の頭を優しく撫でた。

⇒「表情」「優しい」が重複しています。また「優しい表情で」はアメジストの動作なので読点の位置をズラします。

> アメジストは優しい表情で、心配そうな顔をしている幸樹の頭を穏やかに撫でた。

⇒くらいですかね。



>「わたくしの記憶に間違い無ければ、大きな道具などが入ったバックを掛けていたわ」

>「サファイア、この五月に大きなバックということは!?」

⇒「バッグ」ですね。



>「落ち着いて! 君は、この島で、徹夜での有名企業との取引などの仕事で疲れているんでしょう!? 今、そんな疲れた状態じゃ返り討ちにされるよ!」

⇒「取引など」と書かれるとそれ以外もしていたような印象を与えます。「徹夜での有名企業との取引」であればほぼそれだけに時間をとられるはずです。であれば「など」は要りませんね。「有名企業と徹夜の取引で疲れているんでしょう!?」ですね。



> 確かに、スポーツの試合時などでも同じで、勝利などをするにはコンディションを整えるのが社会人としての基本。

> 悪いコンディションのままで、試合などに臨めば、そんなの失敗するのが目に見えるはずだ。


⇒「勝利などをするには」これを見て、サファイア様が「など」を口ぐせのように多用するのだと理解しました。であれば口ぐせとして許容するか、徹底的に口ぐせを是正しようとするかで対応が分かれます。ちなみに「勝利などをするには」は「勝利」以外になにがあるのでしょうか。そう考えると「など」に意味がないとわかりますよね。是正するなら「勝利するには」でじゅうぶんです。

> 確かに、スポーツの試合でも同じで、勝利するにはコンディションを整えるのが社会人としての基本。

> 悪いコンディションのままで試合に臨めば、失敗するのが目に見えている。



> 「幸樹、テストは、どうだった?」

>「うん! 中々良かったよ!」

>「あら! 凄いわ!」

>「中々、大したもんよ!」

>

> アメジストとシトリンが、テストで100点満点取ったことに、幸樹を大いに褒めた。

⇒「うん! 中々良かった!」の後にテスト用紙を見せる動作が入るといいですね。

 また「アメジストとシトリンが、テストで100点満点取ったことに、」だとまるで100点満点を取ったのがアメジストとシトリンのように受け取られます。単語の並びをいじります。

>「幸樹、テストは、どうだった?」

>「うん! 中々良かったよ!」

> 幸樹はカバンからテスト用紙を取り出してアメジストとシトリンに見せた。

>「あら! 凄いわ!」

>「中々、大したもんよ!」

> 100点満点だった幸樹を、2人は大いに褒めた。



> 自信満々の表情を浮かべるルビーは、幸樹を見送った後、シュテルとマイケルに復讐するため準備を始めた。

⇒「復讐するための準備を始めた。」ですね。




※構成と展開について

 ここで視点が切り替わるわけですね。まあこの物語をこのまま成立させるには、シュテルの視点の他に、三人称視点がどうしても必要になりますからね。そこは致し方ないかなと思います。

 であれば、こちらサイドはきちんと三人称視点で通すべきです。

 今回は「彼には、何の事か分かっている。」以外は覗いていないようなので、まあ三人称視点は合格点でしょうか。ここを「彼には、何の事か分かっているようだ。」とすれば幸樹の心を読んでいません。



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