第八話 酒場の美女たち
サファイアオブプリンス
作者 サファイア
第二章 青の貴公子
第八話 酒場の美女たち
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885438097/episodes/1177354054885909247
構文・誤字脱字等
> アクアマリン内 コインロッカールーム前
>〜
> コインロッカールーム ブルーブロック
> この部屋に入った彼は、迷いなく5番のコインロッカーを開けた。
⇒場所を「アクアマリン内 コインロッカールーム前」「コインロッカールーム ブルーブロック」とだけで説明してしまうと、脚本と大差がなくなります。選考さんのウケが甚だ悪いので、普通の地の文にしましょう。
> ここのコインロッカールームは、この赤、青、黄、緑、オレンジの5つのブロックに分かれており、各ブロックに1000のロッカーがあり、中流階級以下の人間達しか使わない物置代わりとして使われることが多い。
⇒情報量が多くて散漫になっていますね。
適度に分割して「一文一意」の原則を踏襲してみます。
> ここのコインロッカールームは、赤、青、黄、緑、オレンジの5つのブロックに分かれている。各ブロックに1000のロッカーがある。中流階級以下の人達が物置代わりとして使うことが多い。
⇒第二文は情報量が少ないので、第三文とくっつけてみます。
> ここのコインロッカールームは、赤、青、黄、緑、オレンジの5つのブロックに分かれている。各ブロックに1000のロッカーがあり、中流階級以下の人達が物置代わりとして使うことが多い。
> ちなみに、なぜ森本は何故中年太りの言葉の意味を理解したかと言うと…「青を」と言うのは、ブルーブロックのこと。「五枚入れたよ。」のは、5番のロッカーのことを差す。
> つまり、「青を五枚入れたよ」というのは「ブルーブロックの5番のロッカーを開けろ」
> という暗号の指示だった。
⇒「ちなみに」が行頭二字下げになっているので「行頭一字下げ」に戻しましょう。
「なぜ森本は何故中年太りの言葉の意味を」の「なぜ」「何故」は同じ言葉なので、片方だけでじゅうぶんです。「何故」は「なぜ」「なにゆえ」と読みますので同じだとわかると思います。
ちなみにここで「暗号の指示」を取り立てて解説しなくても、
> この部屋に入った彼は、迷いなく5番のコインロッカーを開けた。
⇒と書かれているのでどう行動したのかは明らかです。
本作の対象読者が小中学生というのであれば、このくらいの補足は必要かもしれませんが、一般の小説賞であれば、この補足はないほうがよいですね。
選考さんはちょっと馬鹿にされたような気分がしますので。
> 森本がロッカーの中を覗くと、一枚の紙にとあるのバーの紹介状があった。
> 一枚の紙には、こう書かれていた。
>『今夜7時、マルクスに紹介状を持って来なさい。そこで、貴方の報告を聞きます。サファイアより』
⇒「一枚の紙ととあるバーの招待状があった。」なのですが、招待状をパッと見ただけで「とあるバー」と断定できるのかが疑問です。また「一枚の紙には、こう書かれていた。」とありますが、紙の枚数はすでに「一枚の紙ととあるバーの招待状」と明記してあるので、単に「紙にはこう書かれていた。」でかまいません。
あと「紹介状を持ってきなさい」と命令口調なのに、「貴方の報告を聞きます。」と丁寧に話しているのは違和感があります。「紹介状を持っておいでください。そこで穴化の報告を聞きます。」と敬語に寄せるか「紹介状を持ってきなさい。そこで報告を聞こう。」と命令に寄せるかですね。で先を読んでいくと敬体で話している人物なので、ここも丁寧にしてみます。
ちなみにシュテルや森本などは何歳くらいの設定なのでしょうか。森本はバーに入れたということは成人を過ぎているはずですが、シュテルと顔見知りなんですよね?
> 森本がロッカーの中を覗くと、一枚の紙と紹介状があった。
> 紙にはこう書かれていた。
>『今夜7時、バー“マルクス”に紹介状を持っておいでください。そこで、貴方の報告を聞きます。サファイアより』
>「ギリギリだな。急いでタクシーを捕まえるぞ」
> 森本は、急いでタクシーを捕まえ運転手に目的地を告げて走らせた。
⇒オウム返しはあまり褒められないので、片方だけを残しましょう。
>「ギリギリだな」
> 森本は急いでタクシーを捕まえ、運転手に目的地を告げた。
> 50分後 6時50分 バー『マルクス』
> 森本は、目的地へと着く。運転手に料金を支払った後、早速店内に入る。すると、早速店員に呼び止められる。紹介状を見せると店長が接客しているサファイアと呼ばれる人が座っているカウンターに案内される。
⇒ここもこういう場所の書き方は避けてください。あと流れがあまりよろしくないので、想定される出来事の順番に改めてみます。「早速」も二回使われているのでそこも回避します。森本はこのバーの店長を知っているのでしょうか。おそらく知らないと思います。知っていたら何分で着けるかなんて他人に聞きません。森本はサファイアを知っているようなので「サファイアと呼ばれる人」と婉曲に書く必要はありません。
> 50分後の6時50分、森本はバー『マルクス』に到着した。運転手に料金を支払い、早速店内に入ろうとすると店員に呼び止められた。紹介状を見せ、サファイアが座っているカウンターに案内された。
>「あぁ、紙を見たのは、六時だから急いで行かないと思ってな、サファイア、あんたのような美女を待たせる訳がないからな」
⇒すでに到着しているので「急いで来ないとと思ってな」ですね。「あんたのような美女を待たせる訳がないからな」はかなり怪しいんですけど「待たせるわけにはいかないからな」あたりが適当だと思います。
>「あぁ、紙を見たのは、六時だから急いで来ないとと思ってな。サファイア、あんたのような美女を待たせる訳にはいかないからな」
> 森本がサファイアと呼んだ女は、腰まで届く青の長髪に青の瞳、スタイル抜群で青いスーツを着た何処か冷たく感じる美女だ。
⇒森本はサファイアを知っていてすでにサファイアとも書いてあるので、ここは単に「サファイアは」でかまいません。また、描写するときは目についた順番に並べるものなので、森本が「腰⇒髪⇒瞳⇒スタイル⇒スーツ」の順で見たうえで「何処か冷たく感じる美女だ」と決定づけています。視線の順序に一貫性がないので、中心から外側へ、大きいものから小さいものへなど、一貫性を持たせるとスムーズな視線誘導ができます。
> サファイアは、青の瞳に腰まで届く青の長髪、スタイル抜群で青いスーツを着た何処か冷たく感じられる美女だ。
>「えぇ、「あの老猿を始末したからすぐ向かう」と2時間前に連絡が来ましたのでそのうちに来ます」
⇒カギカッコの中のカギカッコは二重カギカッコ『』を使います。また2時間前に連絡がきたのなら、「そのうちに来ます」より「すぐに来るでしょう」と言ったほうが自然ですね。
>「えぇ、『あの老猿を始末したからすぐ向かう』と2時間前に連絡が来ましたのですぐに来るでしょう」
> 森本がサファイアに尋ねると…誰かに肩を叩かれる。
⇒「森本」がこの話の主人公なので、とくに「森本が」と書かなくてもわかります。あと三点リーダー「…」ではなくここは読点ですね。
> サファイアに尋ねると、誰かに肩を叩かれる。
>「!?…ったく!エメラルドか…驚かすなよ。それにルビーとシトリン、アメジスト、アクアマリンまで…全く敵に回したら俺は、殺されているだろな」
⇒「俺は殺されているだろうな」ですね。
>「!? ったくエメラルドか、驚かすなよ。それにルビーとシトリン、アメジスト、アクアマリンまで。全く敵に回したら、俺は殺されているだろうな」
> 突如、森本の背後から現れた5人の美女。
> 森本の肩を叩いたエメラルドは、緑のシニヨンヘアーに緑色の瞳をした緑色のスーツを着た美女。ルビーは、赤い長髪と瞳に赤のスーツを着た美女。シトリンは、黄色の髪でポニーテールのヘアに黄色の瞳をした黄色のスーツを着た美女。
> そして、とっくにサファイアの右隣に座っているアメジストは、紫色のツインテールと瞳をしており紫色のスーツを着た美女。
> 最後にアクアマリンは、水色のハーフアップと瞳をして水色のスーツを着た美女だ。
> するとエメラルドは、アメジストの右隣に座り、森本の左隣にはルビー、シトリン、アクアマリンの順に座った。
⇒「突如、森本の背後から現れた5人の美女。」と書いていますが、この時点で「美女」とわかっているのだとしたら、以後「美女」と書く必要はありません。
また、ここですべて「何色の髪で何色の瞳、何色のスーツを着た美女」と5人を紹介しているので、単調すぎます。もう少し紹介の仕方を工夫しましょう。また誰の右隣に誰々が、誰の左隣に誰々が、というのも単一ですね。
森本は、残りの5人に資料を渡し見せてあげた。
⇒「見せてあげた」というと森本が優越的な立場になってしまいますが、それでよいのでしょうか。
>「アメジスト、全員が疑いの目をかければ奴が、尻尾出さないでしょ。それなら、私が森本に奴の事を内密に知らせてしらべさせれば油断をさせれることが出来ますから」
⇒ちょっと敬語慣れしていないですね。敬語を直して文章の筋を整えると次のようになります。
>「アメジスト、全員に疑いがかかれば、奴が尻尾を出さないでしょう。それなら、森本に内密に調べさせれば油断させられますから」
>年齢は、40才の男性で7時に仕事を始めるのだが親が体調不良のため病院へ送るため遅れることになった。
⇒「40才」と書いてあるので、あえて「年齢は、」と書く必要がありません。また続く会話文で親が体調不良だとわかりますので、そこを省くと次のようになります。
>40才の男性で7時に仕事を始めるのだが、親の体調不良で遅れることになった。
>「重症では無いですが、とりあえず処方箋を渡されて「一週間安静して下さい。」と言われました」
⇒「安静」は形容動詞なので「安静して」ではなく「安静にして」ですね。ここもカギカッコ内のカギカッコなので二重カギカッコ『』でくくります。
>「重症では無いですが、とりあえず処方箋を渡されて「一週間安静にして下さい。」と言われました」
>「斉藤」
> サファイアが斉藤に人差し指で机を軽く叩く合図を出した。
⇒「斉藤」と読んでから合図を出しているので、地の文の「斉藤に」は要りません。また「合図」と書かなくても、この動作で「分かってますってサファイア様」と返しているので、「合図」も要りません。
>「斉藤」
> サファイアが人差し指で机を軽く叩いた。
> 斉藤は、森本と同じ封筒をサファイアに
> 渡した。それは、とある組織に入るメンバーの名簿だった。
⇒妙なところで改行がはいっていますね。詰めましょう。
> 斉藤は、森本と同じ封筒をサファイアに渡した。それは、とある組織に属するメンバーの名簿だった。
> シトリンは、斉藤に名簿を渡した報酬として現金500万が入った封筒を渡した。
⇒こう書かれると、斉藤は単に名簿を渡しただけで報酬がもらえたことになります。おそらくですが、斉藤が名簿を作成して渡したのだと考えられますから、以下のように直してみます。
> シトリンは、報酬として現金500万が入った封筒を渡した。
⇒ちなみに通貨はなんでしょうか。500万円なら高額ですが、500万ドルなら6億円ほど、500万ウォンなら50万円程度になります。
現代ファンタジーなら日本円でどのくらい、という通貨価値があるはずなので、単位をしっかり定めましょう。
>「斉藤、スクリュードライバーをお願いします」
>「分かりました」
>「あたしは、ラム」
>「私は、シャルドネをお願いしようかな?」
>「私は、キャンティを頼むわ」
>「わたしくは、バーボンをお願い」
>「私は、そうだなウォッカを頼む」
>「はい」
> 斉藤は、頼まれた酒を彼女たちのグラスにそれぞれ注いだ。
⇒ここはキャラクターが立っていないので削ってもよいでしょう。残すのなら、
>「斉藤、スクリュードライバーをお願いします」
>「分かりました」
>「あたしは、ラム」
> と五名それぞれが頼んだ酒をグラスに注いでいった。
⇒とここくらいまでは圧縮できます。
>「えぇ、分かってることがあってね。性別は、男性で40代で3か月前から入り込んだしか分かってないわ」
⇒「性別は、男性で40代で」だとちょっと素直なしゃべり方ではないですね。
>「えぇ。性別は男性、40代で、3か月前から入り込んだしか分かってないわ」
>「(!)そうですか。全くそいつは、とんだ野郎ですね。分かりました。判明次第始末します」
>「ちゃんとあたしらに報告するのよ」
>(どうやら、気づかれていないようだな。俺と同じ年で3か月に入った奴は、俺も含めて50人もいる。この女の言葉から考えるとシロだと思われているようだな)
> 斉藤は、何故こう思ったのか……それは、後にわかる。
⇒ここは斉藤の心の中を覗いてしまっていますね。しかもこのシーンにはすでに心の中が覗ける「森本」もいます。複数の心の中が覗けているので「神の視点」となっています。
斉藤の心の中は今覗かなくてもよさそうなので、まるまる削除しても問題はないでしょう。
>「そうですか。全くそいつは、とんだ野郎ですね。分かりました。判明次第始末します」
>「ちゃんとあたしらに報告するのよ」
※構成と展開について
指摘しましたが、心の中が覗ける人物として森本と斉藤という2名が同じ場面にいます。前中は森本の心の中、後は斉藤の心の中が覗けます。複数の心の中が覗けると「神の視点」になるので注意してください。ここでは「斉藤の心の中」は覗かなくても成立しますので、「斉藤の心の中」はすべて削除しましょう。
主人公シュテルから視点保有者が森本に変わって、さらに斉藤にバトンタッチするというのはかなりの荒業です。視点はできるかぎり固定するべきで、一人称視点なら全編シュテルにするべきです。三人称視点は誰の心も覗けないので今回の話では使いづらい。そこで「三人称一元視点」を採用するわけですが、基本的にひとりの心の中だけしか覗けないほうがよいわけです。
ひとつの話で視点保有者が切り替わると、どうしても「神の視点」と区別がつきにくくなります。なので「三人称一元視点」にするとしても、一話の中では視点保有者は固定するべきです。
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