第六話 初めてのデート
サファイアオブプリンス
作者 サファイア
第二章 青の貴公子
第六話 初めてのデート
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885438097/episodes/1177354054885669276
構文・誤字脱字等
> シュテルは、カリーヌとの待ち合わせへ向かう途中、三人の男が立ちはだかる。
⇒この文、おなしいとは思いませんか?
試しに中を抜いてみます。
> シュテルは、三人の男が立ちはだかる。
おかしいですよね? これはシュテルの文なのか、三人の男の文なのか。
本来は「シュテルがカリーヌとの待ち合わせ(場所)へ向かう途中、」でなにかがあったわけです。格助詞「が」が重複するので私はやりたくはないのですが、
> シュテルがカリーヌとの待ち合わせへ向かう途中、三人の男が立ちはだかった。
となります。私は格助詞「が」の重複を嫌うので二文に分けます。
> シュテルがカリーヌとの待ち合わせ(場所)へ向かう。途中、三人の男が立ちはだかった。
ですね。今回の場合は「複文」になるので、混乱しなければ助詞の重複は認められるのですが、私の美学だと可能なかぎり避けます。
>「さっそく学園生活の最初の休日は、お出かけとは、良い身分してるな!」
⇒「さっそく」がかかるのは「お出かけ」ですよね。であれば語順が間違っています。
また「最初の休日は」だとなにを言いたいのかが不明確なので「最初の休日から」に直します。
>「学園生活の最初の休日から、さっそくお出かけとは、良い身分してるな!」
> 彼から見て左側にいる赤い帽子を被った男が剣を持ちながら睨んでいた。
⇒ここでの「彼」はシュテルを想定していると思いますが、三人の男も「彼」ですよね。
「彼」とは「視点とは別の男性の意」ですから、ここでは手を抜かず「シュテルから見て」と書いたほうがよいですね。助詞「を」の重複はあるのですが、係り受けがどちらも直後の動詞になっているので、そこまで目くじらを立てるほどではありません。そこも直すなら次のようになります。
> シュテルから見て左側にいる赤い帽子の男が、剣を持ちながら睨んでいた。
>「もしかして、君たちは中流階級の人達だね? この場所は、そのエリアが近いところだね」
> シュテルに近づいて来た男三人組は、中流階級の出身の者達だった。彼らは、辛うじてのお金持ちの存在であり、住む環境、待遇などは可も不可も無い普通のサービスを受けている人達だ。
>「そうよ、俺達は単に普通の暮らしをして普通のサービスを受ける何も刺激の無いんだわ?」
⇒第一文はシュテルの問いかけ、第二文は相手の正体を知った後の説明、第三文は相手が答えたものです。
となると相手の答えがないのに「中流階級」だとシュテルが断じるのはおかしいですよね。話を噛み合わせるなら以下のようになります。
>「もしかして、君たちは中流階級の人達だね? この場所は、そのエリアが近いところだね」
>「そうよ、俺達は単に普通の暮らしをして普通のサービスを受ける何も刺激の無いんだわ?」
> シュテルに近づいて来た男三人組は、中流階級の出身の者達だった。彼らは、辛うじてのお金持ちの存在であり、住む環境、待遇などは可も不可も無い普通のサービスを受けている人達だ。
⇒すると、同じ情報が出ていることに気づきます。シュテルが「君たちは中流階級の人達だね?」と問うて男が「そうよ」と応じています。ここであえて「中流階級の出身の者達だった」と書く必然性がありません。また「俺達は単に普通の暮らしをして普通のサービスを受ける」と言っているので、「住む環境、待遇などは可も不可も無い普通のサービスを受けている人達だ。」の情報も半分方は要りません。
また「何も刺激の無いんだわ?」はちょっとおかしいですね。「何も刺激が無いんだわ」にするのがよさそうです。ちょっと柄の悪さを出したいのなら、「おうよ、俺達ゃ普通に暮らして普通のサービスを受けるだけ。
あとは重複する情報を整理してみます。
>「もしかして、中流階級の人達だね? この場所は、そのエリアが近いところだね」
>「そうよ、俺達は単に普通に暮らして普通のサービスを受けるだけ。何も刺激の無いんだわ」
> 中流階級は辛うじてお金持ちの存在であり、住む環境、待遇などは可も無く不可も無い普通のサービスを受けている人達だ。
⇒このくらい情報を切り分けるとすっきりとした文章になります。
> シュテルは、彼らの顔を見て何をしようかは、予測していた。
⇒ここは「シュテルは彼らの顔を見て何をしそうか予測していた。」でよいでしょう。
>「だから、体に刺激を与えないと鈍るからその綺麗な顔を潰させてくれや。」
⇒「だから」と「鈍るから」の「から」は本来おなじものなので重複しています。
「だから」を活かすなら、
>「だから、体に刺激を与えないと鈍るんで、その綺麗な顔を潰させてくれや」
⇒とし、「鈍るから」を活かすなら、
>「というわけで、体に刺激を与えないと鈍るからその綺麗な顔を潰させてくれや」
⇒としましょう。
> シュテルは、答えを返すと銃を持った真ん中の生徒が自分の額を狙ってきたので、カウンターをダウンさせる。反撃の隙を与えず、自分の左手から水の矢がその男に浴びせて無力化する。
⇒ここはかなり粗いですね。「カウンターをダウンさせる」だと「カウンター攻撃を叩き伏せる」ようなイメージになります。「カウンター」は敵の攻撃を利用して反撃することなので、おそらく「カウンターでダウンさせる」でしょうか。
「自分の左手から水の矢がその男に浴びせて無力化する」もおそらく「自分の左手から水の矢を放ち、その男に浴びせて無力化する。」ということではないかと。
> (シュテルは、)答えを返すと銃を持った真ん中の生徒が自分の額を狙ったので、カウンターでダウンさせる。反撃の隙を与えず、左手から水の矢を放ち、その男に浴びせて無力化する。
⇒「水の矢」でなにを無力化したのか。銃を封じたのか、男の戦意を無力化したのか。どちらにもとれるので、そのあたりをもう少し具体的に書きましょう。
> シュテルは、右にいた男のパンチを回避して、華麗な蹴り技で吹っ飛ばす!
⇒ここまで地の文の始まりが三度「シュテルは、」になっているので単調です。二文目にカッコをつけたのはそのためです。ここも「シュテルは、」がなくても通じますので、省けるものは省きましょう。
> 右にいた男のパンチを回避して、華麗な蹴り技で吹っ飛ばす!
> 赤い帽子の生徒が剣を使った火属性の魔法を繰り出そうすると、後ろから、クロスするかのように風の魔術が飛んできて、赤い帽子の生徒を無力化した。
⇒助詞「を」の重複が気になります。ここは「赤い帽子の生徒が剣に宿る火属性の魔法を繰り出そうとする」「赤い帽子の生徒が剣で火属性の魔法を繰り出そうとする」あたりがよいと思います。ちなみにこの一文は「〜繰り出そうとすると」までの一文と「後ろから、クロスするかのように〜」からの一文を並べた「重文」になりますので、前と後ろとで助詞が重複してもカウントされません。
> シュテルは、後ろを振り向くと黒髪に緑色の瞳をした青年の姿があった。
⇒ここも「シュテルは」が余計なので省きます。
というよりも、以下地の文が「シュテルは、」で始まるものが多すぎるので、適当に間引いてください。毎回「シュテルは、」と書かれると文章がこなれていない印象を選考さんに与えてしまいます。できればすべての文の始まりを変えるべきですが、簡単にそうはいかないので、適当に間引いて調整してみましょう。
>「あなたは?」
⇒男三人組は「君」で、マイケル・ルインに「あなた」と問う。この違いはなんでしょうか。たとえばマイケル・ルインは見るからに上級生だった、とか。でも男三人組も中流階級として暮らしていたわけだからシュテルから見て先輩の可能性も高いんですよね。
なぜ「君は?」でなく「あなたは?」なのか。明確な意図があるのなら「あなたは?」でかまいません。
> シュテルは、彼の一族について聞いたことがある。
⇒三人称視点であれば、この一文は要りません。「シュテルが聞いたことがある」という情報がなくても、三人称視点なら直接ルイン家について語れるわけですから。
>(彼も、僕の仲間を知っているのか。やはり、曾孫であることが影響しているのだな)
⇒この一文は心の声なので、三人称視点なら書けません。三人称一元視点なら書けますが、場所が異なります。ここにあるのなら「彼も僕を知っているのか。」とするべきです。
> シュテルは、立ち去る彼の後ろ姿を好印象を持ちながら見た後、カリーヌとの待ち合わせ場所へ向かっていった。
⇒「向かっていった」ではなく「向かった」ですね。「向かっていった」は残された人物に視点があります。「向かった」は視点保有者でも使えるので汎用性を考えればここは「向かった」になります。を
> シュテルは、手を振っている赤を基調にしたワンピースのカリーヌと合流した。
⇒このままだと「手を振っている赤」という謎のつながりをまず感じ、読み進めると「カリーヌ」の名が出てきて、彼女が手を振っていたと気づきます。
ここはシンプルに「赤を貴重としたワンピースを着たカリーヌが手を振っている。」と書いたほうがよいですね。
>「うわー! 君の服のセンス、バッチリだね!」
>「ハハハ! そんなこと無いよ! 君のワンピース姿は、とっても似合うよ!」
>「ふふふ! ありがとう! さっそく行こう?」
>「うわ! 手を引っ張らないで!」
⇒すべて「!」「?」が付いているため、妙なハイテンションさを感じさせます。
ちなみにすべて削除しても文章として成立するので、この見ようなハイテンションを出したい場合以外は削除することをオススメします。
> 店内に入ると、夏の流行を取り入れるためにお互いアドバイスをして試着などをして2人合わせて六着を購入する。
⇒ここは助詞「を」の重複が目立ちます。適度に文を区切っていきます。
> 店内に入ると、さっそく夏の流行を取り入れてお互いアドバイスしあった。服を合わせたり試着したり。2人合わせて六着を購入した。
> 2人は、大ヒット映画、モーニングタウンを鑑賞することに、シュテルは、カリーヌが自分の肩にもたれているので、寝てしまいそうな時はチョンと指で起こす。
⇒映画のタイトルなら『モーニングダウン』と二重カギカッコでくくりましょう。また。「鑑賞することに。」とここは句点です。
> 2人は、大ヒット映画『モーニングタウン』を鑑賞することに。シュテルは、カリーヌが自分の肩にもたれているので、寝てしまいそうな時はチョンと指で起こす。
※構成と展開について
カリーヌとの待ち合わせに向かうと男たちの襲撃を受ける。
その過程でマイケル・ルインと知り合う。
その後はデートを楽しんだ。
構造としてはひじょうにシンプルです。
展開にもそれほど無理はないので、読み進めやすい。
それがかえって「シュテルは、」の多さを際立ててしまいます。
なくてもわかるところは、思い切って省いてください。
それだけで、さらにスラスラと読めるようになりますよ。
あと、カリーヌとのデートが主なはずなので、もう少しデート部分が長くてもよいと思いますよ。
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