第二話 突きつけられた現実
サファイアオブプリンス
作者 サファイア
第一章 中山として別れる日
第二話 突きつけられた現実
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885438097/episodes/1177354054885488689
構文・誤字脱字等
> 中山の小屋の前
⇒この一文が意味するものはなんでしょうか。
もし場面・シーンを表しているのだとすれば、それは地の文で説明するべきで、表題のような使い方はしないほうがよいですよ。「小説賞」ではこういう横着は減点対象になりますので。
> ちなみに、彼が住んでいるエリアは、ペーパーという社会的階級の中で一番下の平民階級が住むエリアで小屋みたいな住居が並んで建ており、それぞれ部屋には隙間があったり、ガラスにヒビが入っている、台所が古臭いなど、住む環境にふさわしく無いエリアである。
⇒「〜エリアは、〜エリアで〜、〜エリアである。」という文はスマートではないですね。
ここは句点も混ぜ合わせて、より読みやすくしていくべきです。
また比喩の「みたいな」は口語体なので、文語体の「のような」に置き換えます。
⇒ちなみに、彼が住んでいるのは、ペーパーと呼ばれる社会的階級の中で一番下の平民階級が住むエリアである。小屋のような住居が建ち並び、それぞれの部屋には隙間があったりガラスにヒビが入っていたり台所が古臭かったりなど、住むにはふさわしくない環境だった。
> そのため、それぞれの生徒達は、段ボールなどで隙間を塞ぐなどの対策をしている。
⇒「それぞれ」と「達」はともに複数を表しているので、「そのため、生徒たちは、〜」「そのため、それぞれの生徒は、〜」とします。
また「段ボールなどで」の「など」は複数を指しているので、例示も複数書きましょう。「段ボールや端切れなどで」のように。
>「しっかし、カラスがうるせぇな! ゴミが散乱しているし、糞も落ちてる…ったく!」
⇒「散乱しているし、糞も落ちてる…」ですが、「い抜き言葉」なのか標準なのかがわかりません。標準なら「散乱しているし、糞も落ちている……ったく!」ですし、「い抜き言葉」なら「散乱してるし、糞も落ちてる……ったく!」です。
> 共通エリアとは、全ての階級が進入可能なエリアかつ整備、清潔にされておりショップなどが建ち並んでいるが、特定以上の階級の人しか入れない店がほとんどのため、市民階級は登下校として使う道が無い。
⇒「共通エリアとは」どんなところなのか、をまず確定してください。そのあと店について書くようにしましょう。
> 共通エリアとは、全ての階級が進入可能なエリアとして整備され、つねに清潔にされておりショップが建ち並んでいる。しかし、ある特定以上の階級しか入れない店がほとんどのため、市民階級は登下校の通路としてしか使い
>「あんた、何処に行こうとしているのよ? そっちは、あたしのような綺麗かつ知能の高い貴族様が入るプチチナスクールよ…何勝手に入ろうとしているのよ?」
⇒おそらくですが「プラチナスクール」ではないでしょうか。
>「あーあ! 怖い怖い! これだから市民階級は、困るんだから?」
⇒最後の「?」は不要です。
> 中山は、彼女に暴力をしようとするが…
⇒三点リーダーは「二個一セット」が基本です。ここも「〜暴力をしようとするが……。」と書きましよう。
>「いいの?私のお父様は、学園関係者だよ? 問題起こせば、あんたの人生はおしまい。それでも汚い水でも飲ませてやろうか?」
⇒「いいの? 私の〜」ですね。他のところはかなり徹底していますが、たまに!や?の後の空白が入っていないケースが見受けられます。
> 中山は、カリーヌと友達から、汚い水を飲ませたり、周りの目の前で恥ずかしいことをさせたりと散々な目に合ってきた。
⇒「汚い水を飲まされたり、〜恥ずかしいことをさ(せら)れたりと」のように受け身形にしましょう。また「散々な目に遭ってきた。」ですね。「遭う」は思いがけずよくないことに巻き込まれる意があります。「事故に遭う」もこちらですね。
> 問題起こせば、負けるのは目に見えている。
⇒「問題を起こせば、〜」ですね。
> 廊下に立たされ、今じゃ古い水が入ったバケツを持たされるはめになった。
⇒「今じゃ古い、水が入ったバケツを持たされる」なのか「今じゃ、古い水が入ったバケツを持たされる」なのかがわかりません。水の入ったバケツを持つのが古いのか、持っている水が古いのか。そこをはっきりさせて読点を打ちましょう。
> この学園は、自らの体内に埋め込まれた聖石と呼ばれるものを育てて自らを強くするかつテクニックなどを学ぶ騎士科目と呼ばれる学習システムで構成されており、一時間目のスタートは8時10分。一日の授業数は、7回で一回の授業時間は、70分になっており、昼休み一時間含めて終了が夜の6時10分である。
⇒ここはわかりづらいですね。間をすっ飛ばすと「この学園は、一時間目のスタートは8時10分。」ということになります。その間に入っている情報がまったく無駄になっているのです。ここは中身をしっかりと強調するべきです。
> この学園は、体内に埋め込まれた“聖石”を育てて自らを強くし、かつ扱うテクニックを学ぶ騎士科目と呼ばれる学習システムで構成されている。
⇒そして、ここに書かれているスケジュールを書き出してみました。
1時間目 8:10
2時間目 9:20
3時間目 10:30
午前終わり 11:40
昼休み 1時間
4時間目 12:40
5時間目 13:50
6時間目 15:00
7時間目 16:10
午後終わり 17:20
この計算だと17時20分には樹ぎようが終わる計算になります。
しかしそれぞれの間に10分の休みを入れると、
1時間目 8:10
2時間目 9:30
3時間目 10:50
午前終わり 12:00
昼休み 1時間
4時間目 13:00
5時間目 14:20
6時間目 15:40
7時間目 17:00
午後終わり 18:10
となり、サファイア様が想定しているであろう時間割が見いだせます。
であれば、時間割の説明は以下のようになるはずです。
>1時間目のスタートは8時10分。1日の授業数は7つで、1つの授業時間は70分。授業の間に10分の時間がとってあり、昼休み1時間を含めて終了が夜の6時10分となる。
⇒合わせると、
> この学園は、体内に埋め込まれた“聖石”を育てて自らを強くし、かつ扱うテクニックを学ぶ騎士科目と呼ばれる学習システムで構成されている。
1時間目のスタートは8時10分。1日の授業数は7つで、1つの授業時間は70分。授業の間に10分の時間がとってあり、昼休み1時間を含めて終了が夜の6時10分となる。
> 「あーあ! つまんねぇーの。卒業まで後二週。グヘヘ! 騎士庁でトップクラスのランクであるアーサーラウンズの一員としてつけるかもな」
⇒カギカッコの行頭が一字下げになっています。カギカッコは一文字目に置きましょう。
ほかはできているようなのにときどきミスをしますよね。
> 帰る道先に居たのは、中山への騎士庁配属査定書を持った侮辱の笑みをしたカリーヌだった。
⇒助詞「を」の重複ですね。基本的には助詞「を」は一文にひとつだけにしたほうが、読み手にやさしい文になります。
> 帰る道先に居たのは、中山への騎士庁配属査定書を持った、侮辱の笑みが浮かぶカリーヌだった。
>「あんたがこれから警察よりも権限を持つ治安組織騎士庁につく部署の知らせを持ってきて上げたのよ…このカリーヌ様が」
⇒ここも三点リーダー「二個一セット」の法則ですよ。
> 査定書とは、四年間の成績に応じて警察よりも捜査権限を持ち警察に命令出来る治安組織騎士庁のどの部署に配属されるか本人に卒業の二週間前に通達する書類のこと。
⇒この文の問題点は「査定書」と「騎士庁」のふたつの説明を一文でしようとしているところにあります。それぞれを分けたほうが読み手に伝わりやすいです。
また、助詞「に」が頻出するので、これを可能なかぎり変更していきます。
> 査定書とは、四年間の成績に応じて騎士庁のどの部署へ配属されるのか、本人に卒業の二週間前の時点で通達する書類のこと。騎士庁とは、警察よりも高い捜査権限を持ち、警察に命令できる治安組織である。
⇒このように二文に分けると、どこに問題があるのかが一目瞭然となりますので、「一文一意」の原則に従ってふたつのことを言おうと欲張らないようにしましょう。
> ちなみに、アーサーラウンズとは、騎士庁で8人で構成されるナンバー2集団。警察の人事を行えたり、政治の介入などが出来ると
我々からしたら絶対に許されない役職である。
⇒助詞「で」の重複、並列助詞「たり」と複数の「など」の処理を行ないます。
> ちなみに、アーサーラウンズとは、騎士庁の8人で構成されるナンバー2集団。警察の人事を行えたり、政治へ介入したりなどが出来る、我々からしたら絶対に許されない役職である。
> その内容は、[中山隆殿、かなり最悪な成績により騎士庁雑用係として命じる。]であった。
⇒辞令であれば、「〜を命じる。」が基本です。また「かなり」と「最」で意味が重複してしまっているのです、これを解消します。つまり以下のようになります。
> その内容は、[中山隆殿、最悪な成績により騎士庁雑用係を命じる。]であった。
> その内容は、[中山隆殿、かなり悪い成績により騎士庁雑用係を命じる。]であった。
> カリーヌは、中山の絶望の表情を見て笑いながら書類を取り上げられた左手を近くの水道で洗うという差別行為をしていた。
⇒ここは読点が打たれていないために、わかりづらくなっている文です。おそらく狙いはここでしょう。
> カリーヌは、中山の絶望の表情を見て笑いながら、書類を取り上げられた左手を近くの水道で洗うという差別行為をしていた。
>彼は、金が沢山貰えるという単なる甘い考えで騎士に憧れだらだらとやるという自堕落な学園生活を四年間やってきたのだ。
⇒助詞「と」が並列以外で重複して使われています。「やるという〜やってきた」と動詞「やる」の重複もあります。これを解消します。ちなみにこの一文は中山の心の中を覗いているので「神の視点」になっています。「甘い考えで騎士に憧れ」がトリガーになっています。
>彼は、金が沢山貰えるという甘い考えで騎士に憧れ、だらだらと自堕落な学園生活を四年間やってきたのだ。
>そんなことに気づかず卒業二週間前しかも成人になってからやっと自覚するという哀れな末路を待っていたのだ。
⇒ここは「哀れな末路だった。」ですね。
ちなみにこの一文は中山の心の中を覗いているので、「神の視点」になっています。「そんなことに気づかず」「自覚する」がトリガーになっています。
「何で、俺はこんな甘い考えをしていたかな? そうだな…こんな才能が無く醜い容姿と顔していたらそうなるわな。」
⇒ここも三点リーダー「二個一セット」の法則ですよ。
> 中山が泣いているとそこにある男がやってきた。
> 見上げると帽子に青いスーツズボンに靴。
> 白シャツに青いネクタイにベストを着た40代がいた。
⇒ここは目線が定まっていませんね。下から上を見ていったのなら、
> 中山が泣いているとそこに何者か(誰か)がやってきた。
> 見上げると靴に青いスラックス、白シャツに青いネクタイを締め、ベストを着て帽子をかぶった40代の男だった。
⇒となるのですが、妙に説明的な気がしませんか? ちなみにスーツはジャケットも着ているのかどうかがわかりません。「青いスーツズボン」という単語がどこまでカバーしているのかわからないのです。
> 男は、待ち合わせ場所に書かれた地図を渡し向こうへと言った。
⇒「待ち合わせ場所の書かれた地図」を渡し、「向こうへと行った。」わけですよね。
「行く」は汎用性のある単語なので、一意性のある動詞に切り替えます。
> 男は、待ち合わせ場所の書かれた地図を渡して立ち去った。
※構成と展開について
第二話も引き続き世界観の説明と、主人公・中山の物語ですね。
個別に指摘しましたが、ところどころ「神の視点」になっているので気をつけてくださいね。
それ以外は、読みやすい文章を心がければ読み手を今よりもぐっと惹きつけられるので、もう少し文章を練りましょう。
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