第一話 だらしない男
サファイアオブプリンス
作者 サファイア
第一章 中山として別れる日
第一話 だらしない男
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885438097/episodes/1177354054885481268
構文・誤字脱字等
> 一人前の騎士になるため世界中から集まり私立騎士育成学園『アルフォード』で鍛え上げる。
⇒「誰が」の情報が抜けています。学生が集まりなのか猛者が集まりなのか。志望者が集まりなのかもしれません。
> だが、ここにはカースト制のようなものが存在している。
⇒「のようなもの」である必要はあるのでしょうか。
単に「だが、ここにはカーストが存在している。」としてもよいはずです。
ここを「ぼかす」意図を考えてみましょう。
ちなみに「カースト」自体が「身分階層制度」そのものを差している言葉なので、本来は「カースト」だけで通じます。ただ、ライトノベル界隈で「カースト制(度)」という呼び方が増えただけですね。本来の語意をとるか、ライトノベルの言葉をとるかはお任せ致します。
> ランクシステムは、いわば待遇の良さ…いや、接待のようなものと言えば良かろう。このシステムを短縮して言えば上の階級にしか許されない特権、一定周期などで手に入るこの学園都市の通貨アーサーが多かったりである。
⇒ここにも見られる「のようなもの」。口癖(小説なので手癖ですね)になっているのかもしれません。
「このシステムを短縮して言えば」の言は要らないですね。短縮するのであれば「接待」であり、それを補足するのが「上の階級にしか許されない特権」なわけですよね。
「一定周期などで手に入るこの学園都市の通貨アーサーが多かったりである。」の「など」「たり」はすべて複数を表す言葉ですが、複数が例示されていないので、「一定周期で手に入るこの学園都市の通貨アーサーが多いのである。」としてもよさそうに見えてきます。おそらく他の方法でも「通貨アーサー」は手に入るから「一定周期など」なのでしょう。ただ、どんな方法かをここで明かしたくなければ単に「手に入るこの学園都市の通貨アーサーの額に差が現れる。」と書いたほうが意図はしっかり反映できますね。
>「俺は、最強の騎士中山様だ…グヘヘ」
⇒三点リーダーは二個一セットが基本です。「中山様だ……グヘヘ」とします。
ライトノベルでは時間経過の尺あわせで一個から奇数で使う方もいらっしゃいますが、本来の使い方ではありません。ある程度厳格な小説賞だと、こういう記述のルールが守られているかでも評価をよくできるので、細かなポイントですが、確実に拾っていくようにしてください。
> この階級の一番下とも言える汚い部屋で寝ている肥満体型の彼が中山隆20才。
⇒「この」が要りません。「階級の一番下とも言える汚い部屋」は「一番下の階級(であること)を表す汚い部屋」と書いたほうが一意性があります。
> 金がたくさん貰えるという理由で騎士に憧れ試験合格ギリギリの範囲で入学を果たす。
⇒ちょっと無理のある言いまわしです。ここは、
> 金がたくさん貰えるという理由で騎士に憧れ、入学試験にギリギリ(のライン)で合格する。
と書けばすんなり読めると思います。
> しかし、自分の能力、知識量、容姿、性格(というか全てだが)が悪いもあって上の階級から馬鹿にされたり、汚い水を掛けられたりとイジメを受け続ける毎日だった。
⇒「が悪いもあって」は「が悪いのもあって」「が悪いこともあって」のいずれかですね。
> 成績、態度も悪く教師達から謹慎などのペナルティを受けても全く危機感を覚えていないというとんでもない青年でもある。
⇒「教師達から謹慎などのペナルティを受けても」は「教師」の他にも「達」がペナルティを出すのかどうか。たとえば「生徒会」もペナルティを出すのかどうか。
また「謹慎など」は具体的にどんなペナルティがあるのかを複数掲示するのが「など」を使うポイントとなります。たとえば「謹慎や食事抜きなどのペナルティを受けても」であれば、少なくとも「二種類の他にもペナルティがある」ことが読み手に伝わります。
> すると、食べ物のゴミがまき散らしているテーブルに置いてあるスマホから着信音がなる。
⇒「食べ物のゴミがまき散らかしてあるテーブルに」または「食べ物のゴミが散らかっているテーブルに」でいいですね。「スマホから着信音が鳴る。」は漢字で書いたほうが一読してわかるので、速読派の読み手のためにも漢字でかけるものは漢字にしましょう。
> 先生と呼ばれた男は、8時に朝のホームルームという言うことが面倒くさくなったのか、
> このようなことを言った。
⇒「朝のホームルームと言うのが面倒くさくなったのか、このようなことを言った。」のように直せるわけですが、動詞が「言う」と「言った」で同じです。これだといささか単調で幼稚な表現に見られてしまいますので、
⇒「朝のホームルームと伝えるのが面倒くさくなったのか、このようなことを言った。」
のように動詞を変えましょう。それだけで単調さ・幼稚さを回避できますよ。
>「とにかく! 早くクラスルームに来い!分かったかぁぁ!」
⇒他の部分はきちんとしているので、ここは空白の入れ忘れでしょう。
「とにかく! 早くクラスルームに来い! 分かったかぁぁ!」
「たかが30分で起こるなんて、どんだけ短気かな? こいつ…しゃあねぇ、登校するか」
⇒小説では基本的に半角文字は使わないほうがよいですね。また算用数字よりも漢数字が推奨されますので、書くなら「三十份で怒るなんて、」です。算用数字で統一するなら全角文字で「30分で怒るなんて、」としましょう。
中山は、お腹の脂肪を揺らしながらシャツに短パンから冬用のアルフォードの学生服をだらしなく着替えて顔と歯を洗わず磨かずに外へと出た。
⇒「アルフォード」がわからずGoogleさんに尋ねてみましたが、明確な回答が見つかりませんでした。説明文を読むとどうやら学園の名前がだとわかりました。たとえば「冬用のアルフォード学園の学生服を」と書けば、学校の名前だと初見さんでもわかります。紹介文に書いたから、では通用しないのが小説なので、このあたりは注意しておきましょう。
「顔と歯を洗わず磨かずに」と書くくらいなら「顔を洗わず歯も磨かずに」と書いたほうが誰が読んでもわかるので、こちらをオススメします。
※構成と展開について
まず第一話は世界観の説明と、主人公と思われる中山が出てきます。
視点は「三人称」なので、誰の心の中も書いてはいけません。
紹介文では巻き戻りで別人になる、とのことですので、それまではやや投げやりな表現が目立つのでしょうか。
もう少し文章をしっかり練れば、今以上に読みやすくかつ読み手が惹かれる物語に仕上がるはずですよ。
構成と展開も巻き戻りしたあとから考えたほうがよさそうなので、そこまでは指摘しません。
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