男を知らない女がこれから蕾を咲かせようと

紫龍と姫と、男たち〜魔性の放浪楽士と王女の恋物語〜

作者 雨 杜和orアメたぬき

第一部 出会い

男を知らない女がこれから蕾を咲かせようと


https://kakuyomu.jp/works/16816700429630458363/episodes/16816927861867786222




 腕から広い肩、鎖骨、首、首筋、そこを飾る黒いネックレス。

⇒の「ネックレス」、

「困ったな」と、彼はスイッチが切れたように無表情になった。

⇒の「スイッチ」、

そんなわたしを彼女は屋敷に招き入れ、嬉々として湯のはったバスタブに入れる。

 おそらく、ちょうどいいタイミングで珠花が馬車で出てこなければ、門前払いをされたかもしれない。

⇒の「タイミング」、

そんなわたしを彼女は屋敷に招き入れ、嬉々として湯のはったバスタブに入れる。

「そこの大鏡をもってきて、バスタブの向こう側に」

⇒の「バスタブ」、

かたわらで侍女がタオルを持って控えた。

⇒の「タオル」、

さらに、この豊かな乳房と、ピンク色の美しい乳首に口づけするためなら、男たちはどれほどの財宝を支払うかしらね」

⇒の「ピンク」、

ほら、この線、胸から腰に向かっての完璧で美しいカーブ。

⇒の「カーブ」、

 とこれだけ西洋語が使われています。

 今まで気づかなかったのですが、現代日本人が読むと自然でも、麻莉や珠花など「中華風ファンタジー」の住人からは出てこない単語ですよね。

 少し回り道かもしれませんが、「起」のうちに気づけてよかったです。

 ゆうすけ様に感謝です。

 こういう西洋語をなるべく無くしてより純粋な「中華風ファンタジー」に近づけていきましょう。


 中国の人がお風呂嫌いとのことですが、香港だとイギリスの植民地だったせいか、シャワーは浴びるんですよね。ジャッキー・チェン氏の映画の中でも、警護対象の女性が湯船に使っているシーンもありました。

 だから「中華風ファンタジー」でもとくに近代の「香港」のような世界であれば、お風呂に入ってもおかしくはないかと。

 そもそも中国は利水が不得意で、生活用水にも事欠くくらいだったので、浴槽に湯を張る習慣は庶民にはなかったと考えられます。

 逆に日本は利水が得意で、水が潤沢にあったので湯船に浸かる習慣があったんですよね。温泉に入る習慣が街の湯屋に反映された形ですね。


 で、この作品の世界観では「黄砂が吹く」ので空気が乾いていると考えられます。

 利水が得意なわけではないようです。それでも湯船に浸かる習慣が上流貴族にはあるのだとすれば、そういう説明はしておくべきかもしれません。

 「水が足りなくて庶民が入れないお風呂の湯船」とか。「温泉の湧水を使ったお風呂」とか。

 一般人が入らないからと、身分の高い人も入れないのかどうかはわかりませんからね。

 土地として「黄砂が吹く」場所では利水は期待できず、使えるのは井戸や温泉の湧水を利用するくらいでしょう。




※構成について。

 小屋での短い時間でしたがリュウセイと二人きりになれたことと、その後、珠花の別宅に戻ったこと。ここも元作に沿っているので違和感はないですね。


 展開について。

 リュウセイと二人きりになった展開で探りを入れにいく麻莉。そして「黄砂」がやんで珠花の別宅に戻ってくる。

 いちおう女子中学生が読むと仮定すると、あまりお風呂での細かな描写で単語を並べるより、伏線になりそうな「紫龍のアザ」をもう少し活かしたほうがよいかもしれません。

 「紫龍を呼べる者だけが持つアザ」とか「特殊な血筋が受け継ぐアザ」とか。

 「紫龍のアザ」だけでもあれこれ考えられるわけですね。

 これをどう解釈するか。読み手は頭の中へ確実に入れます。

 なにせタイトルにもなっていますから。

 より確実に「紫龍のアザ」の特殊性について、珠花は知っていても麻莉が初めて知ったことなので、その意味が聞きたくなりますよね。

 聞いても珠花にはぐらかされそうですけど。あえてはぐらかされる展開にしたほうが、強力な伏線にできると思いますよ。



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