江湖に囚われた美しい姫

紫龍と姫と、男たち〜魔性の放浪楽士と王女の恋物語〜

作者 雨 杜和orアメたぬき

第一部 出会い

江湖に囚われた美しい姫


https://kakuyomu.jp/works/16816700429630458363/episodes/16816927859929419722



 第三話はほぼ元作の焼き直しなので、ひじょうに添削が困難です。

 文章自体は整っているので、あまり直す点はありません。

 構成・展開の面で若干疑問点もありますので、今回はそちらを中心に。




 友人といえば、同じ階級の子どもしか知らない。

⇒ここは「知らない」と書くと「友人は○○しか知らない」となり、「他にも友人はいるのだが、見知っているのは○○しか知らない」意になります。

 どちらかというと「友人といえば、同じ階級の子供しかいない。」として、「それ以外に友人はいないのだ」としたほうが箱入り娘感は出るかなと。



 麻莉が知ってか知らずか「箱入り娘」であったことは確かで、それを言葉として書くか書かないで表現するかを選択する必要があります。

 展開としては「世間知らず」を強調するために「箱入り娘」だったことは明示しておいたほうが、読み手の女子から憧れられるのではないでしょうか。

 たとえば「このうぶな子がどんな甘々な恋愛を見せてくれるんだろう」のような期待感を煽れるかもしれません。ただ、あまりに「箱入り娘」が過ぎると、それはそれで嫌われてしまいかねませんが。

 とくに麻莉から見た世界なので、どれほど「世間知らず」なのかを見せるエピソードがあるとよいですね。

 珠花のセリフで嫌味を言われているわけですが、「世間知らず」なところを小馬鹿にされているのに気づかない、という部分だけで補強するのはちょっと弱いかも。

 ここであまり細かく書きたくないな、と思ったらいっそ珠花に「箱入り娘」と言わせてもよいでしょう。



 あと「ともかく、わたしは十八歳を迎えた。」とありますが、いささか唐突です。

 たとえば「そんなことがありながらも、ともかく、わたしは十八歳を迎えた。」と前文までを受けて、「それでも私は十八歳になったのだ」と説明したほうが、話が続くのでよいですね。



 ここで「運命の時が近づいた。」と書いていますが、展開としては今話のラストに置いたほうがよいかもしれません。

 「運命」に食いつく女子が多いことを考えても、ラストで「運命」が出てきて「どんな運命なんだろう」と思いを馳せてくれれば、第四話も続けて読みたいと思わせられると存じます。

 まあ第一話、第二話での「運命の出会い」に近づいた、との解釈もできますが。

 可能なかぎり、読んできた過去の話数を「運命」と後付するよりも、これから書くことを「運命」にしたほうが効果は高いのです。

 ですので、構成の意見としては「運命の時が近づいた。」を今話ラストに置いたほうが効果的ではないかと考えたわけです。

 ただ、ここはアメ様がどう考えて今の場所にこの文を置いたのか。その意図が知りたいですね。それによっては、今の場所でも妥協できなくはありません。

 「運命の時が近づいた。」のほうが重要なのか、「浜木が走ってくる」ほうがたいせつなのか。


 明日の添削前にもう一度第一話から読み返してみますので、それまでにはどちらを選んでいただけたらと存じます。



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