冷たい男の気怠い視線
紫龍と姫と、男たち〜魔性の吟遊詩人と王女の恋物語〜
作者 雨 杜和orアメたぬき
第一部 出会い
冷たい男の気怠い視線
https://kakuyomu.jp/works/16816700429630458363/episodes/16816927860215348784
「あなたの、お名前は」と、彼が聞いた。
⇒ここは、
⇒「あなたの、お名前は」と聞かれた。
⇒と書けば、主人公を変えないままで「彼が」を省いた表現になります。
顔がほてるのが自分であることが許せなかった。
⇒ここがちょっとわかりづらい文ですね。「自分の顔が火照っているのが許せなかった。」「顔の火照る自分が許せなかった。」なら一意性があるのでわかりやすくなります。
ただ、アメ様が元の表現がふさわしいとお考えなら、原文ママでもかまいません。たとえば慌てている主人公の麻莉の心情を表現したい場合は、このようなとりとめもない文になってしまってもある種のリアリティーを醸し出せるからです。
慌てているときに理路整然としてた文章を綴れるかというとかなり怪しいですからね。
これが吟遊詩人リュウセイと最初の出会いだった。
⇒「リュウセイとの最初の出会いだった。」と「との」が最適ですね。
吟遊詩人って「西洋ファンタジー」に出てくる職業で、中華風だとちょっと難しいかもしれません。
楽士(楽師)なら「律令制の雅楽寮の職員」なので仕官目当ての「楽士」または「楽士崩れ」のような形になるのかな? 私の古代中国の守備範囲は夏から三国志までなので、宋代、明代くらいの中国の地位制度がどうなっているのかが掴みかねます。
『論語』の有名な出だしの一部に「朋有り、遠方より来たる、 また楽しからずや」というのがあるのですが、これ、実は「楽」という職業を指していて、「朋」は二枚貝の宝貝のことです。そして貴い人は死後口に宝貝の片割れを口に含ませて埋葬されました。で「楽」という職業の人は祭事においてご先祖がくわえたものと対をなす片割れを取り出し、音楽を奏でて死者の魂を呼び寄せたのです。こうして祭事を執り行ったのが「楽」なのです。
「楽」を司る「楽士(楽師)」となにがしか関係があるのかないのか。
これを吟遊詩人で片付けてしまうと、中華風が崩れやすいので注意してくださいませ。
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