その日、恋に落ちた

紫龍と姫と、男たち〜魔性の吟遊詩人と王女の恋物語〜

作者 雨 杜和orアメたぬき

第一部 出会い

その日、恋に落ちた


https://kakuyomu.jp/works/16816700429630458363/episodes/16816700429630554473



 誤字などの文章上の添削箇所はありません。

 構成・展開の添削では、サブタイトルを本文に書いたほうが効果があるかもしれない、と感じます。

 今は単に惹かれただけで、恋とまでは考えが及ばなかった。けど、後から見れば「これは恋に落ちたんだ」と気づいた。という展開かもしれません。



 元作からどの程度構成・展開が変わるかわかりませんが、今の段階でわかるものだけをサブタイトルにするか、逆にここが麻莉にとって恋に落ちたことを明示するために、「恋に落ちた。」と断定するか。

 ここが企みどころですね。


 まずサブタイトルを「気になる歌声」のように単にそれだけにしてしまうと、読み手の一話切りはほぼ確実です。

 読み手は燃えるような恋愛話が読みたいのであって、「あの声は? なぜだかわからないけど気になる」程度の書き出しを望んでいないのではないでしょうか。

 ここで読み手をがっちり掴むために、たとえばラストに「私は恋に落ちた。」と書く。これだけで、読み手がどんな感じの恋なのかしら? と先々の展開を強く意識するようになります。

 もし燃えるような恋愛話に仕立てたいのなら、文中に「恋に落ちた」の文言を使ったほうが若い女性に強く訴えかけられると思います。

 まず一話切りを避けるためにも、このあたりの「強い惹き」を書くのがよいと思います。


 たとえがロボットアニメで恐縮なのですが、ヒーローの15歳の主人公がヒロインの女子の誕生日パーティーへの招待状を渡されたとたんにその場で破り捨て、すれ違いざま彼女にだけ聞こえる声で「お前を殺す」と言ってエンディングが始まった作品があるんですよ。

 この作品、ロボットアニメなのに女性ファンが数多く付きまして、本編が終わってもOVAや劇場版になるほどの人気を誇ったんです。

 私が考えるに「お前を殺す」というセリフが殺し文句だったと思うんですよ。(殺すで韻を踏んでいますね)。

 この一言で多くの女性がこの主人公を強く意識したようです。


 そういうものは小説でも可能だと思います。

 というより、文字だけで表現しなければならない小説だからこそ、読み手を一撃で仕留めるほどの「殺し文句」のような言葉が必要だと考えています。

 今作ではサブタイトルにせっかく「恋に落ちた」というふさわしいフレーズがあるので、これを使わない手はないかな、と思います。

 「恋に落ちた。」と書くだけで、読み手は吟遊詩人を意識せざるをえなくなります。

 主人公を追いながらも吟遊詩人への関心を呼び起こすという一挙両得が狙えますので、一話切りを防ぐ最も強い言葉が、「恋に落ちた」ではないかと思った次第です。


 もちろん作者様の思惑もありますので、この展開の添削は納得できないと思われるかもしれません。その場合はスルー頂いてかまいません。

 私は第一話に全力を注ぐべきだと思いますので、出し惜しみしている場合ではないと考えております。


 で、第二話を読んでみると、ラストに「わたしは恋に落ちていた。」と書いてありました。こうなると構成の面で、第一話と第二話を連結させ合わせて第一話として「その日、恋に落ちた」というサブタイトルにすると、今申し上げた展開上の欠点を一挙に解決できるのですが、いかがなさいますか?


 もし二話に分けたままにするのであれば、二話目のサブタイトルを「私は恋に落ちた」とし、一話目のサブタイトルを「気になる歌声」とか「運命の出会い」とかにしてみる。

 まあ先ほど述べたように「気になる歌声」では一話切りは固い。なので、甘々恋愛話としての「惹き」を強力にするなら「運命の出会い」くらい大見得を切るほうが女子もこれからの展開にワクワクしてくれるのではないでしょうか。 


 私が考える最強の第一話の「惹き」は、サブタイトルを「その日、恋に落ちた」のままとして今の第一話と第二話を連結させる方法です。

 次が第一話「運命の出会い」、第二話「(その日、)(私は)恋に落ちた」にする方法です。


 構成と展開を考えると、このあたりが落としどころかなと思います。

 ただ第一部のタイトルが「出会い」なので、重複をよしとするか、という問題もあります。

 このあたりは作者様がじゅうぶん考えてみてください。

 どの書き方をすれば、読み手を一話切りさせずに二話目以降に惹きつけられるか。


 元作と同じような開始なので、どこかを思い切って変えないと一次選考突破が難しくなりかねません。とくに第一話で見切られてしまったら、これから続く長編の執筆がすべて無駄になる、くらいの覚悟を持ちましょう。



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