7 ショッピングモールに行こう

八時の魔法~記憶喪失の僕は、猫になってクール系タラシの女子大生に拾われる~

作者 水涸 木犀

1章 猫と女子大生

7 ショッピングモールに行こう


https://kakuyomu.jp/works/16816700429221531909/episodes/16816700429553114432



 ここまで読んできて感じたのは、これは「推理を楽しむ小説」なのかなということでした。

 物語の根本的な仕組みとして「猫になる」「人間になる」があって、それが20時と8時に起こるとわりとすぐに判明する。

 でハチの記憶を掘り起こすべく行動して、いくつかのヒントをもとにその素性を読み手が推理していく。

 驚くとしたら、実は昴の死んだじいちゃんだった、という展開が来たときでしょうか。

 それだといとこの渉も驚きますけどね。

 まあ完全に手がかりなしというわけでもないので、ミステリーってほどでもありません。ジャンルは現代ファンタジーでいいと思います。

 ただ推理に特化して仕立てると、また違った物語になりそうですね。

 推理小説の小説賞があったら、仕立て直すと応募できるかもしれません。


 構成・展開としては、渉と会うにしても昴の部屋よりも外のほうが会いやすいだろうから、自然な流れだと思います。「服を買いに行く」のも理由付けにもなりますし。

 ここは「1話1シーン」なので構成上の瑕疵はないですし、これまでの振りに従って自然と流れていくので展開も申し分ありません。

 作為的に映らないので、よく考えてありますね。




ちなみに、

「玄関でちょっとハンコ押したりするのに、いちいち靴を履くのは面倒じゃない? 宅急便の人も待たせちゃうし。でもそのためだけにサンダル買うのも無駄だから、ちょうどよかったんだ」

⇒本当にちょっとしたことなのですが、「宅急便」という名称はヤマト運輸を運営するヤマトホールディングスの登録商標なので、小説では一般的に避けることになっています。一般名詞は「宅配便」ですね。

 「クロネコヤマトの宅急便」に引っ掛けているのかもしれないのですけど。

 この用語ひとつでボツにされるわけではないので、そこまで気を使わなくてもとは思います。仮に書籍化の話が出たら、編集さんか校正さんが指示してくれるはずなので。

 でもいちおう気になるようなら「宅配便」に改めてください。



「ああ、」

⇒基本的に閉じカギカッコの前に句読点は打たないのが普通なので、余韻を出したければ「ああ……」か「ああ──」にしましょう。



それにしても、いきなり昴の親族にご対面とはハードルが高い。

しかし、昴はそういうし、そもそも待ち合わせ場所に向かっている最中でまったは言えないのだが。

⇒この二行は行頭一字下げになっていないので、一字下げましょう。



昴の親族に会うのであれば、もう少し早めに聞いておきたかった感もあるが、どのみちショッピングモールに行くのは決まっていたことなのでまあいいかと思いなおす。

⇒「と思いなおす」はなくてもかまいません。もともとハチの一人称視点でハチの心の声を読んでいるのだから、改めて「と思いなおす」と書かなくても読み手はすでにわかっていますので。



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