3 お隣の松葉さん

八時の魔法~記憶喪失の僕は、猫になってクール系タラシの女子大生に拾われる~

作者 水涸 木犀

1章 猫と女子大生

3 お隣の松葉さん


https://kakuyomu.jp/works/16816700429221531909/episodes/16816700429362649053



 まず第三話で、第二話の終わりから続く形で進んでいき、すぐにそのシーンが終わってしまう。

 これは構成力不足を問われやすい状態です。

 本来なら「1話1シーン」で構成するべきで、そのほうが読み手に余計な負担を与えません。

 字数としてもこちらに回さなければならないほど切迫していたわけでもありませんので、またぐよりも「1話1シーン」に改めたほうがよいかもしれません。

 ただ、これは公募での話で、Web小説としての「小説賞・新人賞」でどうかは少し理解が及んでいません。ですが、おそらく同じだと思いますので、

「とりあえず、明日に備えてさっさと休もうか」

 までは第二話にしたほうが構成力がしっかりとするのでオススメです。

 ただし、Web小説としては興を削ぐかもしれませんので、リアルタイムで読み手を煽りたければ、ここはこのままでもかまいません。リアルタイムでは構成力でマイナスされても、煽りでプラスはとれるはずです。

 完成原稿を最初から読む人にとっては、煽りよりも構成力のマイナスだけが残りますので注意してくださいね。



 支度をしていた昴が戻ってくる前にバスタオルを巻く意識は、かろうじて残っていた。僕がどうにか腰回りを隠して壁に手をついたのと、彼女がけたたましく鳴るベルを止めたのはほぼ同時だった。

⇒ここで笑いをとりにいける余裕があるのがいいですね。今まではあまり笑いがとれる状況ではなかったためでもありますが。ただ、現代の小説に求められるライトさに「笑いをとる」があるので、ある程度意識して笑いをとりにいく姿勢は求められます。小説賞も「次世代の書き手」を求めているようですので、ある程度笑いもとれたほうが選考さん審査員さんのウケはよくなると思います。



 これ以外で不十分な構成はありませんので、そこは自信を持ってくださいませ。



 展開としては主人公・僕と女子大生・谷口昴、そのお隣さんの松葉さんが出てきましたね。物語を先に進めるには、主人公とヒロインだけでは不十分で、そこに絡んでくる主要な人物が必要です。松葉さんは昴の後見人のような形になるのかもしれませんが、ある種主人公を追い出す役にも回りそう。

 そのあたり、今後の展開の幅が広まって、先が読みたくなる展開になっていますね。

 この展開はプラス評価です。

 それだけに序盤の第二話の続き部分の構成力マイナスが響いてきそうです。




ちなみに、

銀メッキのそれは、上部に2つベルがついた懐かしいデザインだ。

⇒「銀メッキ」かどうかをどう判別したのか、また「懐かしいデザイン」ということは、ある程度近現代の記憶があるのか。これは少し保留します。

 まあ自分の根幹的な記憶だけがなくなって、他の細かなことまで憶えているという記憶喪失もあるので、その類なのかもしれませんね。



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