2 女子大生の家
八時の魔法~記憶喪失の僕は、猫になってクール系タラシの女子大生に拾われる~
作者 水涸 木犀
1章 猫と女子大生
2 女子大生の家
https://kakuyomu.jp/works/16816700429221531909/episodes/16816700429222239323
ここは引き続き彼女の部屋の中、ただし日をまたいでいますね。
そして最後に主人公がまた猫に戻る。
これは前回想定されていた「また猫に戻るかもしれない」が当たった形。
読み手の想定通りに進んでいるので、違和感を覚える方も少ないでしょう。
考えられる次の展開としては、
(1) なにかがきっかけで猫と人間とに変身できるのか。時間なのか、動作なのか、思考なのか。このあたりは物語の根幹だと思うので、今は不思議のままでよいでしょう。
(2) 変身ものは「元に戻らなくなる」という焦る展開が考えられます。たとえば猫になったはいいが、いつまで経っても人間に戻れなくなってしまう、とか。そういう焦燥感や危機感を煽ると面白さが増しそう。
(3) 変身を繰り返すことで記憶が戻るのか、ある記憶が戻りある記憶が消えていくのか。逆にどんどん記憶をなくしていくのか。とくになくしていくほうは相当危機感が強くなります。そのぶん重い話になりやすいので、今作ではあまり考えなくてよい展開かもしれませんね。
本話は、主人公の記憶が戻るか試みる展開ですね。
そのため主人公の現在の設定が、不自然にならない形で提示されています。
やや説明調ではありますが、年代についても書かれていますし。
このあたりは読みやすさが重視されていて、とてもよいですね。
ただ、女子大生・谷口昴がなぜこれだけ協力的なのか、についてはまだわからないかな。
一度引き受けたら完遂するまでやらないと気が済まない性分なのかな?
彼女の性格描写が少ないので、ぶっきらぼう・無頓着、それでいて世話好きな面も見受けられます。物語が進んで彼女の性格がわかってくると、このあたりが正しいのかどうかがわかりますので、以後も注視してみますね。
猫に「戻った」のか猫に「変身した」のか。
どちらだか読み手にはまだわからないので、物語の惹きになりますね。
ちなみに、
サラリーマンが出迎えを受けた奥さんにかけるような言葉を告げられて、妙にむずがゆい気持ちになる。
⇒これがわかるということは、一般的な慣習とかは記憶しているのでしょうか。食べ物の値段がわからないけど衣服の値段はなんとなくわかる、というものと情報がリンクしているのかも。
ちょっと特殊なシチュエーションを記憶しているのがあとで活きてくるのかどうか。以後の経過も見ていきます。
頭上から降ってくる昴の声に、心のなかで一緒に驚くしかない。
⇒一人称視点で書かれていますので、「心のなかで」と書かなくても地の文は心の中です。あえて書くのも一手ですし、わかりきっているから「心のなかで」を省くのも一手です。
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