通学路にマスクをしてスマホをいじる女性が立っている。それだけなら特にどうという事はないが、主人公から見て、彼女はとにかく「妖し」かった。ホラーの要は雰囲気の盛り上げ方なのだとわかる一本でした。彼女がどのように常人と違うか、なぜ少年の恐怖心をかくもあおるのか。ここまで詳細に「恐怖を感じるワケ」が書かれている作品は類を見ないものです。少年が感じた「ズレ」は、果たして本当のものだったのか?それとも夜道を行く心細さが見せた勘違いに過ぎなかったのか?マスクの下に隠された真実はいったい…?
とにかくこわかったです。自分が小学生の時にこのお話を読んだら、怖くて帰りに一人で歩けないだろうなと思いました。自分の予想斜め上を越えてきてくれた良いホラーでした。