自作アニメ化 その1(2001年ごろ)

 友人から電話がかかってきた。

「摩天楼の翳、アニメ化したねー」

 ……はぃ?

「え? 知らないの? 今やってるよ?」

 急いでテレビをつける。

 ほんとにやってた。


 ここで「摩天楼の翳」について少しだけ。

 私設諜報組織のエージェント、ゆうが主人公の裏社会ハードボイルド、異能バトルアクション。

 結はアメリカに出張していて、パートナーは13歳の少女、エリー。

 敵としてマフィア幹部、リカルドと彼の部下レッシュが登場し、長きにわたる戦いを描く。

 興味がわいた方はこちらから(と宣伝)。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882174206


 さて、夢の話に戻ろう。

 テレビをつけると、30分番組の半分が終わったところだったようで、アイキャッチが入って始まった。

 駐車場と思われるところでレッシュと彼の部下に追われる結。しかしそれは敵の目を引くための行動。


 同じ頃、エリーがもう1人のエージェントと要人2人を救い出していた。

 暗がりの中、出口へと急ぐ彼らの前方からスポットライト。

 たとえると、かなり古いが、「ルパン三世」のオープニングで使われていたようなやつ。


 そんなものをなぜ持っていたのかというツッコミはさておき、ライトを当てたのはリカルド。

「そんな策で私を出し抜けるとでも思っていたのか?」と冷笑を浮かべる。

 エリーの顔に、あせりの色が浮かぶ。


 同じ頃、結はレッシュ達に追いつかれ、薄暗い駐車場で闘いの火蓋が切って落とされたのだ。


 と、ここで「次回に続く」。

 うわ~! めっちゃ気になるところで終わった!

 エンディングはB’zの「流れゆく日々」。この曲は、「摩天楼がもしアニメ化されたら」というわたしの現実での妄想そのままの曲。

 声優陣が気になったのでじっと見ていたのだが、曲と映像が流れているだけでスタッフロールはなし。


 テレビを見終えたわたしの感想は。

「リカルド、なぜ銀髪?」「あの声はいただけない」

 原作のリカルドはライトブロンド。声のイメージはクールなのに、アニメは銀髪で、声が、なんというかねちっこい(笑)。どっちかというといやらしい敵である間ノ井のイメージに近い声だった。

 まあ作者のイメージとあわないこともあるよね。などと変な納得もしていたが。


 物書きならば、自分の作品がメディアで広まるというシチュエーションは、一度は夢見ることだろう。

 まさか実際に夢に見るとは思わなかったが。


 この夢の中のアニメのストーリーは本編とは関係ない話で、そんな場面は作品にはない。

 だからこそ、続きが非常に気になるのであった。

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