夢と幻想、酒呑みの見る夢 (15分間でカクヨムバトル)

&α そして出会う

「うぅ」

「大丈夫、ですか？」

「まぶしい。です」

「あっごめんなさい。車のハイビームを切ってくれ」

　光が。縮む。

「横断歩道で倒れていたので。何事かなと思って」

　ゆっくりと。目を開ける。

　走馬燈で見た。

　彼がいる。

「大丈夫ですか。近くのコンビニの人がいま救急車とか手配してくれてますから。応急処置とか」

「あ。ごめんなさい。大丈夫、です」

「いや、でも。倒れてましたし」

「ちょっと、おさけ呑みすぎちゃって。寝てただけ、です」

　ゆっくりと。

　起き上がる。

「ふああ」

　なんか。いい夢を、見ていたような、気がする。もう、思い出せない。

　青い救急車が、来ていた。

「俺もついていきます。心配だ」

「いえいえ。初対面なのに」

「そういうわけにはいかない。第一発見者ですから」

　彼の顔。

　見覚えが、ある、気がする。

「では、お言葉に甘えて」