なんという、ラストシーン。優しい人が、人と違うと自分を思っていた人が。ネタバレはできません。読んでみてください。私は彼女の書いた作品。素晴らしいといつも思いますが、そのなかでもこの作品が最高でした。
富も権力もすべてを持つ貴族の女性・エリカ。けれども、彼女が愛したのは平民の男性・アラン。二人が進む先は――。読む方を選ぶ話だと思いますが、ぞくりと来ました。特にラストは秀逸です!
極わずかな貴族の女たちが支配する世界。彼女たちに仕える平民の男は、ムチを打たれることこそが名誉。けれどエリカはそれが出来ず、貴族の女どころか、平民たちにすら侮られた。しかし恋しい男は、このままだと殺処分される……。人の痛みを我が身のこととして感じていたエリカから、すうっと熱がなくなっていく感じがたまりません。最後までゾクゾクします。