書籍よりもさらなる加筆。

なろうで全話読破しています。
その後、書籍化したものも出ているところまで、全巻購入して読破しました。
そして、カクヨムで(改)となっているので、興味をもって読み始めております。(今ここ)

うん、確かに(改)ですね。
ストーリーの流れに変更はないものの、関係者視点での挿話が追加されていて、これがなかなか楽しめます。(ヘルマン兄さんの苦悩とか、エーリッヒ兄さんの嫁の話とか、とてもよかったです)
これらの挿話は、書籍にはなく、店舗特典のものとも思われず(校正が入っているにしては誤字脱字が多すぎる)、カクヨムで初出のものではないかと思います。

というわけで、書籍で購入しているファンの方にもお勧めです。
発表方法としては、極めて特異な感じですね。
書籍が最終盤に突入しているので、次につなげるための工夫なのでしょうか。

なろうでは完結しているので、続きがどうしても気になる人は、なろうで確認するとよいでしょう。

なろう系の転生成り上がりものとしては、原点に近い作品です。
にもかかわらず、基本的に主人公は最強に近い位置にいますが、いわゆる俺ツエーではありません。
確かに、主人公自身極めて高い戦闘能力を持っていますが、本当の意味で戦闘技術に優れた大人たちにはかなわないところも面白いところだとおもいます。

また、ほかの同系統の作品との違いは、周囲の人物の描き方でしょうか。
主人公は現代日本で成人し仕事をしていた経験があるため、普通の少年に比べれば遙かに理性的に行動していますが、転成前も若造だったため、海千山千の大人たちにわりと翻弄されています。
最近ありがちな、「主人公以外は脳みそお花畑」ということもなく、登場人物はそれぞれの思惑で動いております。
確かに短絡的な登場人物もいますが、それぞれの個性で動いております。

ファンタジー貴族社会という現代日本社会とは違う世界を見事に描ききっており、一読の価値がある作品です。

ただ、作者には一点。
一読者として、もう少し、誤字脱字をなんとかしていただきたいかな……。
作品を楽しんでいるときに、見つけると気になってしまって……。
書籍化作家さんなので、一太郎の校正機能を使うとか、知合いに確認を頼むとか、色々やり用があると思うのですが。

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