ハロウィンのイタズラ魔法は遅効性

ぐいんだー

ハロウィン

 私はお隣さんである東雲家にお泊まりすることになり10月末の寒空の下を荷物を背負って向かっていた。今日は31日、今年も世間はハロウィンに現を抜かしている時期でトリックオアトリート! と近所の周りを夕方でも構わず保護者同伴の小学生がぞろぞろとお菓子をねだって練り歩いているのは毎年の光景だ。子供っぽい行事に私はやれやれと温かい目で見やる。


「去年の私を思い出すわね。たかがお菓子で喜ぶなんて愉快な子達」


 鼻につくような態度を取っているけど心はおだやかではない。中学生にもなってそんな事からは卒業してるので別にお菓子が貰えないことに特に不満があるわけじゃないし、帽子から溢れだしそうな程のきらきらと輝く宝の山を彷彿とさせるチョコや飴が羨ましいなんてこともない。ないに決まってるじゃない!

 

  私はもう大人だ。今度は与える側として参加してやるのが大人ってものだ。もしちびっ子達が話しかけたらお菓子をちょいと摘む悪い魔女役でもやってやろう。それなら合法的に味わえる。

しめしめこちらにカゴを抱えて走ってくるちびっ子がいるじゃないか。


「おっ、そこの少年!まさか私にお菓子を要求するつもりかぁ?」


 一人でこんな時間を彷徨く少年に不信感を覚える。補導されては問題だし話しかけたのは心配だったからで他意は無いのだ。すると少年は足をピタッと止めてチラッと手に持っているカゴを見た。つられて私も見たがどうやら成果は上がってないらしく枯葉の一枚も入っていない。悲しそうな顔をしていて何だか居た堪れない。


「えと、その、お菓子欲しいの?」


こくこくと頷く少年は必死にお菓子を欲しいアピールをしていた。ならば仕方あるまい。流石にかわいそうなので何かあるかなとポッケを探ると何か掴んだので出した。


「こ、これは……猫用ガム」


家から出る前に飼い猫の口の中にしこたま入れたが余ったのでポッケに入れていたのだ。


「……これじゃダメ?」


 差し出すと微妙な顔をしてたが渋々受け取ってくれた。やはり何か人に与えるのはいい気分だ、自分がまるで相手より優位に立っているこの感覚は安心感をもたらす。


 でもハロウィンってやっぱりよく分からない。お菓子をくれないとイタズラするなんて我儘だ。イタズラなんてしても得することなんて無いのにと思うが偶にラッキースケベ狙いの男の子がいたりするから去年は常に目を光らせてた。お隣りさんのお姉ちゃんが良く狙われていたので率先してボディーガードをしていたのでお菓子は集められなかったが致し方ない、本当はお菓子欲しかったけど……。

 

 しかしそんな事で私は奪う側になろうなんて考えちゃいない。今少年に泣け無しのお菓子を与えた分、去年の自分と比べると成長したなとしみじみ感じた。

 

 暗くなる空を見ながらそんなことを思っていると後ろから突然抱きすくめられた。


 この背中へのもにゅっとした感触、ふわりと鼻をくすぐるフローラルな香り、何より私の頭にしつこくチュッチュとキスをしてくる人は他には思い当たらない。


「シノおねーちゃん、ビックリするからそれやめてっていってるじゃん」

「ごめんねえ、ひまちゃん見るとつい」


 えへへと笑う長い真っすぐとした黒髪を揺らすこの人は今日泊まりに行く東雲家の一人娘である東雲志乃。私より4つ上の高校2年生で幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったので私にとって姉みたいなものだ。


「家で待ってたんじゃないの?」

「大好きなひまちゃんのこと待てなくなって隣に行こうかなって思ってね。むにむにーって髪切ったの? ショートもかわいいねぇ。もっとむにむにしちゃうぅー」

「ほっへひっはるのやめへよー」


ぐにぐにと引っ張るので仕返しにシノお姉ちゃんの脇腹に手を這わせこちょこちょをしてやった。


「あははははははは! や、やめて、くすぐぅたいよひまちゃん、あ、ん! だめっ!」

「あ、あの、それ卑怯だよ……」


 くすぐると昔からこうなる。対抗手段が無いから仕方なくやってるのだが声が怪しくなるのでくすぐり続けることが出来ない。クールビューティな容姿に反してこんな顔されると良くない事をしてるみたいで日に日に魅力を増すシノお姉ちゃんに触れなくなってきた。


「はぁはぁ、笑い死んじゃうよ……で何が卑怯なの?」

「……無自覚なところ」


 んー? っと頭の上からシノお姉ちゃんの首から元気そうな声が直接響く。折角整えた髪を顎でわしゃわしゃされるのはあんまり喜ばしいことではない。


「髪ぐちゃぐちゃになっちゃう」

「まあまあ、後で梳いてあげるよ。だから今はぐりぐりさせてー」


 この甘えっぷりに呆れるのも何回目だか。女子中学生を捕まえて好き勝手する女子高校生はこの地域には早々いないだろう。


 しかし何か忘れている気がする。そうだ、すっかりシノお姉ちゃんに気を取られて忘れていたが、さっきここにいた少年はどこだろう。キョロキョロと見回しても少年は見当たらず、忽然と姿を消していた。


「何キョロキョロしてるの? あ、もしかしてこうやって抱きしめてるのは恥ずかしい?」


それもそうだがちょっと目を離した隙に消えれるものなのだろうが。


「さっきそこでシノお姉ちゃんが抱きついてくる前に私と男の子が喋ってたんだけど」


 え? と本当見ていないのか全然分からなそうな様子だったので少し怖くなってきた。


「もしかしたらお化けかもよ~。 うーらーめーしー、やんっ! こらっ! 脇突っつくの禁止!」

「お化けなんかいるわけないじゃん! もう家に入る! いつまでもこんな所にいたら冷えるよ」


シノお姉ちゃんを振りほどいて先に玄関に向かった。


「ひまちゃん鞄忘れてるよー!」

「持ってきて!」




 東雲家、板里家の両親は今日は出払っていて東雲家の両親は結婚10周年記念ハネムーンへ、私の父は単身赴任、母は残業で遅くなるそうなのでシノお姉ちゃんとご飯を食べて泊まることになっている。


 荷物をリビングへ持っていきソファへだらりと横たわってテレビをつけた。今のゴールデンタイムにやっているお笑い番組は退屈だが学校での話題作りの為に仕方なく見る。


 あんまりにもつまらないので後ろのキッチンに目をやると長い髪をポニーテルにしてエプロンを着た妖艶な女子高生とは思えないプロポーションの持ち主がいた。ちんちくりんな私とは大違いだ。


「なぁに?」


 私の視線に気づいたのかにっこりと笑いかけてくる姿は何人の男を虜にしてきたのだろう。なにより胸が大きい人がエプロンを付けるといやらしく見える。そもそも何を着ても強調されるから制服姿で学校を過ごしていたらクラスメートの視線が常に強力な重力の様に、いや乳力によって引き寄せられているだろう。


「ひまちゃん、今日パンプキンパイ作るんだけど他に食べたいものある?」

「胸」

「ん?」


 なんか意識が胸に吸い寄せられていたが今シノお姉ちゃんが今何か言った気がする。しかし意識まで取り込む胸とはなんとも恐ろしい胸器だ。あんなものを将来揉みしだく男が現れるのか。いやもしかしたらもう彼氏がいて揉みしだかれてるのかもしれない。モヤッとする。あれは私のおっぱいじゃないのか? 小さい頃から私が見守ってきたおっぱいなのだ。私のおっぱいと言っても過言では無い。シノお姉ちゃんはしどろもどろしているがどうしたのだろうか。もしや私がずっと胸を見ていることに気づいて恥ずかしがっている? それはそれで何故だか興奮する。


「えーっと? 胸?」

「何言ってるのお姉ちゃん?」

「いや、今ひまちゃんが胸って……」


 ブツブツと何かつぶやき始めたシノお姉ちゃんから一旦目を離しててリビングでくつろぐことにしたがどうもおちつかない。なんだかこう気分が高揚しているというか身体が熱いというか、意識もなんだかふわふわする。


 尻尾も自然とうずうずして揺れる。ん?……尻尾? 後ろで何かゆらゆらと黒い影が見える。幻覚か? と恐る恐る後ろで揺れてる黒い影に手を持っていくとシュッとした毛並みの良い物体に触れた。


首を回して見て確信した。


「嘘でしょ……」


これは紛れもない立派な黒猫の尻尾だった。


 下着とお尻の隙間を通ってスカートのベルトに挟まっている。生えるにしてもどうしてこうなる。持ち上げている長い猫の尻尾が落ち着きなく揺らり揺らりと揺れる。自分の意思で制御出来たり出来なかったりとじゃじゃ馬なしっぽのようだ。


そして私は察した。


猫の尻尾と来たら猫耳が着いてくるのがお約束というもの。そっと手を頭に持っていく。しかし髪の毛をまさぐったが猫耳らしきものは無い。中途半端に尻尾だけ生えても何だかなと思うがこの現象はなんだ。


 この猫の尻尾、抜くことは出来ないか試す価値は無くはない。万一抜けなかった場合この尻尾とこれから付き合っていく事になる。


 それは……吝かでは無いかもしれない。だって尻尾だ。自分で言うのもなんだが私はモテる。小学生の頃私の事を虐めていた男子は中学に上がる前に私に告白してきた。なんで虐めていたのかと聞くと接し方がわからなかったからからかいついでにボディタッチでもと思っていたらしい。キモすぎるし当然その告白は断った。今更好きだと言われても私からしたら嫌悪の象徴だしこれが切っ掛けで男子が嫌いになった、触られるのも嫌で堪らない。


 そして中学校に入学してから上級生や同級生に告白されることも多くなった。少し変わったのは同級生の女の子がたまに告白してくるのだ。バツゲームかと疑ったがどうやら本気の眼をしていたので何処が好きなのと聞くと「妹にしたい位可愛い」とか「家で飼いたい」とかペット扱いをしたいようで今の生活に支障が出そうなので全部断った。


 女の子同士で付き合うってよくわからないし、そもそも恋ってなんなのかわかってない。


そんなことより、だ。これがあればメロメロに出来ない人間は存在しないのだ。男は勘弁だがきっとシノお姉ちゃんは喜んで飛びついて来るはず。でもそれは仮の話、尻尾が取れるなら取るに越したことはない。現に今も圧迫されて痛いしキツい。


 尻尾を弄るために私はリビングからシノお姉ちゃんにバレないようにトイレ若しくは一人で落ち着ける場所が必要だ。そろりそろりと忍び足でリビングから出ようとした時キッチンにいたシノお姉ちゃんがタイミング悪くこっちに来たので私は急いでソファに戻って座った。


「どうしたのそんなに急いで」

「と、特に何も無いよ? シノお姉ちゃんこそどうしたの?」

「私はお手洗いに行こうかなって。もしかしてひまちゃんトイレ行きたいの?」

「う、うぅん。全然」

「そう?」


そういってシノお姉ちゃんがトイレに行った。これでは尻尾を弄くれない。仕方ない、こうなったら2階にあるシノお姉ちゃんの部屋に行くしか無い。音を立てず、まさに猫の様に四つん這いで階段を駆け上がりササッとシノお姉ちゃんの部屋に入った。


 相変わらずかわいい系の人形が多い部屋だ。高校生になってから減るかと思いきや寧ろ増えている。大小様々だが特に猫の人形が目立つ。私も家で猫を飼っているのだが東雲家にも茶トラがいる。普段はつんつんしていて触らしてくれないので隙を伺ってモフるしかないのだが今日は見てない。多分この寒さの中でも構わず外へ悠々とうちの黒猫と散歩しに行ってるのだろう。


「取り敢えず脱ごう」


 下着が尻尾を挟んでいてかなり窮屈だったので早く脱ぎたくて仕方なかった。下着を脱ぐと開放的になりのびのびと尻尾を振り回せる。スカートのウエストベルトも少し弛めて尻尾がスカートの中から下へ出るようにした。


「これでよし、後は引っこ抜くだけね」


 だが試しに尻尾を引っ張るが抜けないし痛い、そして気分が悪くなりそうだった。気持ち的に指を引っ張ている感覚。次の手立ては付け根の方を強く握ってぐりぐりしてみることにする。これなら気分は悪くならなそうなので出来そうだ。だがそれは悲劇を招いた。


「えいっ! ンあぁあ!?!?!?」


引っ張った瞬間、ビリビリと電気が走るような感覚が全身に巡って息が止まりかけた。


「にゃ、にゃにこれ……」


 呂律が廻らず頭はふわふわする。突然の刺激によって足が崩れぺたんこ座りになり息も絶え絶え。立とうとするが上手く力が入らない。頑張ってベッドまで足を引き摺りながらも辿り着いて腕をシーツの上に投げ出す。暫くは動けない。動けないとこの尻尾が見られてしまうがまあ良い。


 問題は下着を履いてない事だ。昔から一緒に過ごし、お風呂も入ってお互いの裸なんて当然のように晒していたが、中学に上がって羞恥心を学び今ではお風呂は別々だ。


 私にとってこの状況は変態チックで恥ずかしすぎる。スカートとで見えないとしても下に何も無いなんてただのド変態だ。しかも下着は脱ぎ捨てているのですぐ見つかるだろう。だから早めに拾って部屋から出なくては。


「ひまちゃんここにいたんだ。 急にいなくなるから心配したよ。もうっ! ダメだよ黙って人の部屋に入るのは」


腰に手を当てちょっと怒っている。


「ごめんにゃさい」

「にゃさい?」


口調が少し安定しない。何故に「にゃ」が出る。おかしいと思い口をむにむにしているとシノお姉ちゃんの視線が下へ向いた。


「ひまちゃんなんでここにパンツが落ちてるの? それにその尻尾? は何かしら」


終わった。これはどう言い訳すればいいのか思いつかない。


「こ、これはコスプレの衣装で」

「へぇー! よく出来てるね。この猫耳もかわい〜! ねえ触っていい? いや触っちゃう!」


なんか騙せた……って猫耳? まさかと思い 頭に手をやるとフサフサのとんがった何科に当たる。さっきまで無かったのに何故急に? 困惑しているとシノお姉ちゃんがジリジリと近寄って私に許可を取らずに覆いかぶさり尻尾やら猫耳を触り始めた。ヤバいと本能的に理解しも身体が動かない。


そして遠慮無くスカートの中に手を突っ込まれ尻尾の付け根を触られる。


「うわぁすごい! 本物みたいだねぇ」

「や、や、んや、そこダメ! おねえちゃんダメっ! あたまおかひくにゃ」


 頭がチカチカして口の端から涎が出る。息がまた苦しいし胸も苦しくなってくる。段々と動きが激しくなり首筋にキスまでされるが抵抗が全くできない。シノお姉ちゃんはエプロンを脱いで私に身体を擦り付けてきた。


「ねぇ、なんでそんなにえっちな声が出してるの? しかもこれコスプレじゃないよね。 本物の猫耳と尻尾だよね。 いつからひまちゃんは猫ちゃんになったのかな」

「しゃべ、んッ、れないから、やっ!」


 ベッドに仰向けにされニマニマと器用に頭を撫でながら耳を刺激される。返事をしようにも上手く喋れないので言葉にならない鳴き声しか出せない。


「ねぇお姉ちゃんが彼氏作らなかった理由、我慢できないから教えてあげる」


 シノお姉ちゃんは彼氏いなかったんだ。嬉しい気持ちが溢れ涙目になる。そして段々と快感を享受することに抵抗が無くなってきた。真っ赤な顔をしたシノお姉ちゃんは私の髪を掻き分け耳を甘噛みしながら囁く。


「ひまちゃんが大好きだったから。昔っから大好きで大好きで仕方なかったの。でもひまちゃんにこんな醜くて欲望まみれの姿は見せたくなかったの。幻滅されちゃうって思ってたから。でももう今日は我慢しなくて良いよね? 我慢出来ないよこんなかわいくてえっちな子猫さんの前じゃ」


 耳元で聞こえるシノお姉ちゃんの息遣いと艶のある声が私の頭を酔わせる。もう、この人には敵わない。


「愛してるわよ陽葵」

「うん、わたしもあいひてりゅシノおねぇひゃん」

「ッ! ひまちゃああああん!!!」


 タガが外れたのか狂ったように服をひっぺがされて揉みくちゃにされ尻尾も耳も愛撫された。


後の事は皆まで言う必要も無いだろう。


 パチッと目が覚めた。気怠い体を起こしてベッドの上にある時計を見ると朝の6時くらいで寝ていた時間はざっと10時間。いや、寝たのは多分もっと後だからそんなには寝ていないかもしれない。そして目が覚めた時にはもう耳や尻尾は消えていた。横で幸せそうにスースーと寝息を立てているシノお姉ちゃんの額をでこぴんで弾くと「んん〜」と唸るだけで起きない。冬が近いというのに二人で寝たため熱くて寝苦しいのは体温が二人とも高いからだろう。

 

 身体もべっとりとしていて二度寝なんて出来そうに無いので絡まった脚と腕を解いて1階へ降りた。顔を洗面所で洗い口を濯ぐ。この時期の水道水は冷たくて肌が引き締まる感じがして嫌いじゃない。洗面所から出ると丁度階段から降りてきたシノお姉ちゃんと鉢合わせた。



「ふぁぁ……おはようひまちゃん」


眠た気な目で着崩したシャツから覗く私の噛み跡。


「お、おはよ! ちゃんと顔洗ってね! 後服もちゃんとね!」


 「服?」と惚けた顔をして首を傾げ反対側の噛み跡も見え、冷やした顔が沸騰するように熱くなり私は逃げるようにリビングへ駆けた。


 昨夜は夕飯を食べずに二人で……その、色々していたせいでお腹が空いている。何か口に含めるものは無いかと探しているとリビングのテーブルの真ん中に紙切れと何か棒状の物が置いてある。


「あれ? これって」


手に取ったのは見覚えのあるフォルム、これは確か昨日少年にあげた猫用ガムじゃないか。


「なんでここにあるんだろう?」


 下にある紙切れには


【おかしをくれなかったのでいたずらしました。こんどはちゃんとしたおかしをください】


と差出人不明でぐにゃぐにゃとしたメッセージが書かれていた。


「なぁにそれ? イタズラ?」


 カーディガンを羽織ったシノお姉ちゃんがくっ付いて私の頬にスリスリしながらメッセージに目をやる。


「うん、トリックオアトリート」

「もう11月よ」

「確かに……あっ、パンプキンパイ」

「……ああああぁぁぁ!!!! 忘れてたああああああ!!!!!」


キッチンに走っていき崩れるように泣いている。


「パイ生地でろでろだぁー……うえぇん」


常温で放置しておいたパイ生地が溶けていたみたいだ。


「どんまいシノお姉ちゃん」


 パンプキンパイは食べれなかったがお互い美味しい思いを出来たのだから私は全く後悔していない。あの少年に感謝しつつ来年は犬用のお菓子でシノお姉ちゃんを犬に出来ないかなんて思っても口にはしない。


「シノお姉ちゃん」

「なぁあにいぃ……」

「一緒にお風呂……入ろ?」

「入る!!!」


来年が楽しみだ。

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ハロウィンのイタズラ魔法は遅効性 ぐいんだー @shikioriori

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