人格破綻者と大罪人による懲罰部隊、しかしてその実態は……

「勇者刑とは、もっとも重大な刑罰の名前である」

冒頭に出てくるこの文章に偽りはない。
主人公たちが放り込まれる戦場は、毎回絶望的に不利な物ばかり。それもそのはずで、彼ら懲罰勇者は捨て駒と同義。何故なら揃いも揃ってとてつもない極悪人なのだから。
例えば息をするように盗みを働くコソ泥、王城をサーカス団に売り払いかけた詐欺師、自身を国王だと信じてやまないテロリスト、ターゲットの代わりに無関係の通行人を殺す暗殺者――などなど、誰も彼もが個性的な人格破綻者ばかり。
そして、主人公のザイロ・フォルバーツにいたっては『女神殺し』の大悪党。
懲罰部隊故に何もかもが不足している彼らが、いかに「魔王現象」と戦っていくのか。その巧みな戦術、戦闘描写がこの作品の大きな魅力の一つになっている。
その他にも個性的なキャラクターによる軽妙なやり取りや、徐々に明らかになっていくバックストーリーからも目が離せない。

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