第7話:異常なステータスなので若隠居してくれ

「ヴェデリン、すまないがお前はあまりにもステータスが異常だ。

 儂とジュリアスとローガンも桁外れに強くは成れたが、無限というのは流石に誰にも知られるわけにはいかない。

 王家の基準で侯爵家に匹敵する未開地と魔境を分与するから、表向き陪臣準男爵として分家してくれ」


 俺は素直に祖父の言葉に従うことにした。

 まだ愛着の薄い今生の家族とはいえ、争うのが嫌だった。

 一番問題だったのは、祖父とジュリアスとローガンに外部から魔力を流した事で、本来適性がなかった属性まで取得していた。

 しかもその時に祖父とジュリアスとローガンが会得していた魔術まで、完璧に複製して放つことができるようになっていた。


 こんな事を祖父に知られてしまったら、恐らく謀殺しようとするだろう。

 転生した身体とはいえ、殺されるのは嫌だから、逃げるか戦うかになる。

 どちらも嫌なら、更に異常性を増したステータスを知られるわけにはいかない。

 素直に隠居しておくのがお互いのためだ。


「分かりました、でも自分の分だけ耕作地を増やすのも嫌なので、ローガン兄さんとヘンリー兄さんが分家してもいい耕作地を作っておきますね。

 そうすれば家族仲良く暮らせると思うのです」


「ふむ、確かにそんな方法もあるだろうが、できれば王家の未開地を開拓してもらいたいな、そうすれば本家の領地を減らすことなく爵位を得ることができる。

 もっとも、開拓方法を秘匿するのが難しいから、実際にやるのは無理だろう。

 もしやれるのなら、ヴェデリンにもそうやってもらうのだがな」


「では今から徐々にやればいいのではありませんか?

 大量の人間を投入したように見せかけて、少し早めの開拓速度にすれば、王家も他家も疑念を抱かないのではありませんか?」


「残念だがそうもいかんのだよ、ヴェデリン。

 ドニエック公爵家は自分達で開墾するという条件で、広大な未開地と魔境を領地と認められているから、まずそこを開拓しなければいけないのだ。

 王家直轄の未開地や魔境に入ろうと思えば、ローガンとヘンリーが軍功を立てて未開地を拝領する必要がある」


 なるほど、そういう事ですか。


「ではその時を楽しみに土魔術と木魔術を極める事にします」


「ステータス」

名前 :ヴェデリン・ドニエック

年齢 :7歳

職業 :貴族

レベル:11

体力 :194(無限)

魔力 :無限

攻撃力:175(無限)

防御力:174(無限)

俊敏性:170

属性 :土属性・木属性・火属性・金属性・水属性・光属性・闇属性・空間属性

スキル:土魔術・木魔術・火魔術・金魔術・水魔術・光魔術・闇魔術・空間魔術

   :土木複合魔術・五属性複合魔術

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転生貴族は土属性と木属性を極めてスローライフを楽しむ 克全 @dokatu

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