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2020年11月8日 11:09 編集済
辛口の感想を頂けるとありがたい、とあったので、少し難癖レベルかもしれない「個人的に気になった部分」を書いてみます。 前回まではプロローグなので、ここからが、いわば作品のスタートですよね。そのため読み始めた段階では「この作品は、語り手の用意された(ラノベにありがちな)一人称小説なのか、あるいは普通に三人称なのか」というのがわからない状態でした。 一応「私は」「俺は」という言葉は書かれていないので、普通に読めば三人称なのですが、「自分が〇〇した」みたいな文章では主語を省略して「〇〇した」という書き方もあるので、もしかしたらそういう文体かもしれない、という可能性も考えてしまったのです。 そう思って冒頭部を読んでいたら、引っ掛かったのが以下の部分でした。>その塔のような赤い建物が何なのかと気になって近づくと ここで「気になって近づいたのは誰?」と引っ掛かったのですね。実は語り手の設定された一人称だったのかな、と。まあ三人称の小説でも語り手(神様視点?)の自己主張が強い書き方もありますから、ここは黒子であるはずの語り手が「気になって近づく」という動きを示しちゃったのかな、とか、「実はこれは後の世の伝記作家が書いているみたいな体裁なので時には語り手が出て来ても良い」という作品なのではないか、という想像までしてしまいました。 とにかく、私には小さな違和感でした。それこそ「建物が気になって近づく」ではなく「建物が違和感を覚えさせる」みたいな書き方ならば、こんな違和感は出てこないのに……。そうも思ったのですが、この書き方だと「両開きの」以下も大幅に書き直す必要が出て来てしまいますね。 だから「では自分ならばどう書くだろう?」と想像してみたら、「その塔のような赤い建物が何なのかと気になって近づく者には」「その塔のような赤い建物が何なのかと気になって近づく者がいれば」くらいでしょうか。これはこれで、「者」という言葉にかかる修飾が長過ぎて悪文ですが、今の私だとこれくらいしか思いつきません。 なんであれ「気になって近づく」の主体は書き手ではなく一般人である、というのを示したくなるのです。個人的には。 実際、少し下には、>この看板を見た人は、まず>だが、一部の者は知っている。 という書き方もあるので、そちらが先にあれば、上述のような「書き手が出て来た?」という違和感はありません。というより、数行後の「この看板を見た人は」で解消される程度の違和感なので、問題ないと言えば問題ないレベルなのでしょうが……。だから難癖レベルと私も理解した上で、一応、書かせていただきました。 ◇◆◇◆以下の部分には、それほど気になった部分はありません。 逆に「うまいな」と思ったのが汚部屋の設定。散らかっているという形で空き缶、ペットボトル、プラモデル、ノートPCといった器物を登場させていますから、「こういう物が存在するファンタジー世界だ」という設定説明の助けになっていると思いました。 ファンタジーでもSFでも、それぞれ独特の世界観があるはずで、それをさりげなく読者に伝えるのは結構難しいといつも感じています。特にラノベの異世界ファンタジーは、読者の頭の中に「こういうもの」という固定観念が出来上がってしまっている気がして(基本的に私は読者を信用し過ぎないようにしています・笑)、いっそうの難しさを感じていました。 ルージュとノワールという二人のキャラクターの掛け合いも面白いと思いました。おそらく女性主人公と男性主人公なのでしょうが、だからこそ序盤でキャラを立てておくことは重要ですからね。
作者からの返信
遠慮のない感想、非常に助かります。参考にさせていただきます。一応、私なりの書き方としては、冒頭部分はいわゆる神の視点、自由な視点を持つ神による描写のつもりでした。あるいはカメラワークの擬人法的なものになるのでしょうか。まぁ難しいところだと思うので、頂いた意見を参考に少し考えてみます。世界観の自然な説明と、メインキャラ二人のキャラ立ては意識したところなので言及をいただけて嬉しいです。感想ありがとうございました。
2020年10月30日 19:35
引き続き、「ラノベ作家志望者批評会」からです。「無題」、「プロローグ」では気にならなかったのですが、この話から文字がびっしりで内容がすらっと入ってこなかったです。特に序盤、「多数の書物(主に漫画)、~」の所が15行くらい連なって「うっ」となりました。空白、段落を使うとよくなると思います。辛口になりました。失礼しました。
引き続き、感想ありがとうございます。もっと辛口でも全然構いません。とてもありがたいです。参考にさせていただきます。
編集済
辛口の感想を頂けるとありがたい、とあったので、少し難癖レベルかもしれない「個人的に気になった部分」を書いてみます。
前回まではプロローグなので、ここからが、いわば作品のスタートですよね。そのため読み始めた段階では「この作品は、語り手の用意された(ラノベにありがちな)一人称小説なのか、あるいは普通に三人称なのか」というのがわからない状態でした。
一応「私は」「俺は」という言葉は書かれていないので、普通に読めば三人称なのですが、「自分が〇〇した」みたいな文章では主語を省略して「〇〇した」という書き方もあるので、もしかしたらそういう文体かもしれない、という可能性も考えてしまったのです。
そう思って冒頭部を読んでいたら、引っ掛かったのが以下の部分でした。
>その塔のような赤い建物が何なのかと気になって近づくと
ここで「気になって近づいたのは誰?」と引っ掛かったのですね。実は語り手の設定された一人称だったのかな、と。まあ三人称の小説でも語り手(神様視点?)の自己主張が強い書き方もありますから、ここは黒子であるはずの語り手が「気になって近づく」という動きを示しちゃったのかな、とか、「実はこれは後の世の伝記作家が書いているみたいな体裁なので時には語り手が出て来ても良い」という作品なのではないか、という想像までしてしまいました。
とにかく、私には小さな違和感でした。それこそ「建物が気になって近づく」ではなく「建物が違和感を覚えさせる」みたいな書き方ならば、こんな違和感は出てこないのに……。そうも思ったのですが、この書き方だと「両開きの」以下も大幅に書き直す必要が出て来てしまいますね。
だから「では自分ならばどう書くだろう?」と想像してみたら、「その塔のような赤い建物が何なのかと気になって近づく者には」「その塔のような赤い建物が何なのかと気になって近づく者がいれば」くらいでしょうか。これはこれで、「者」という言葉にかかる修飾が長過ぎて悪文ですが、今の私だとこれくらいしか思いつきません。
なんであれ「気になって近づく」の主体は書き手ではなく一般人である、というのを示したくなるのです。個人的には。
実際、少し下には、
>この看板を見た人は、まず
>だが、一部の者は知っている。
という書き方もあるので、そちらが先にあれば、上述のような「書き手が出て来た?」という違和感はありません。というより、数行後の「この看板を見た人は」で解消される程度の違和感なので、問題ないと言えば問題ないレベルなのでしょうが……。だから難癖レベルと私も理解した上で、一応、書かせていただきました。
◇◆◇◆以下の部分には、それほど気になった部分はありません。
逆に「うまいな」と思ったのが汚部屋の設定。散らかっているという形で空き缶、ペットボトル、プラモデル、ノートPCといった器物を登場させていますから、「こういう物が存在するファンタジー世界だ」という設定説明の助けになっていると思いました。
ファンタジーでもSFでも、それぞれ独特の世界観があるはずで、それをさりげなく読者に伝えるのは結構難しいといつも感じています。特にラノベの異世界ファンタジーは、読者の頭の中に「こういうもの」という固定観念が出来上がってしまっている気がして(基本的に私は読者を信用し過ぎないようにしています・笑)、いっそうの難しさを感じていました。
ルージュとノワールという二人のキャラクターの掛け合いも面白いと思いました。おそらく女性主人公と男性主人公なのでしょうが、だからこそ序盤でキャラを立てておくことは重要ですからね。
作者からの返信
遠慮のない感想、非常に助かります。参考にさせていただきます。
一応、私なりの書き方としては、冒頭部分はいわゆる神の視点、自由な視点を持つ神による描写のつもりでした。
あるいはカメラワークの擬人法的なものになるのでしょうか。
まぁ難しいところだと思うので、頂いた意見を参考に少し考えてみます。
世界観の自然な説明と、メインキャラ二人のキャラ立ては意識したところなので言及をいただけて嬉しいです。
感想ありがとうございました。