第4話

 親たち四人は、私達二人を除いて協議して、その結果について、それぞれの親が説明した。


「あなた達の仲を裂こうというのではないの。むしろ二人が一緒になってくれることを、私達もあちら様ものぞんでいるわ。でも、それは今じゃない事をわかって」


 あの時のキス自体には性的な意味は無かった。だけど、以前のようにスカートで浩介に馬乗りになれる自分は、もういなくなっている事を知り、私は急にコウスケを異性として意識するようになった。


 だが、けっして父が言うようにセックスを望んで居るのでは無い事を母には解って欲しくて訴えた。


「ええ。わかってる。でも男性はそうじゃないの。だからコウちゃんは自分からご両親に約束して、しばらくあなたと逢わないようにしてるんだって」


「そうなんだ。その意味での魅力は私にはないのかな」


 私に逢いたいと頑張る浩介であってほしかった。


 浩介に突き放された気がした。


「逆でしょ。貴方の魅力に負けまいとしてるのよ」


「だったら丁度良い。私も留学願書出すわ」


 浩介とは、コットンハウスで分かれたままだ。彼は、『好き』は積み重ねなければ変質することをわかっていない。


 彼の消息は同じ高校に通う1年の従姉妹、みどりが教えてくれていた。

 浩介が学校帰りにあの書店に寄ることを教えてくれたのもみどりだが、しばらく何もいってこない。 


 なんだかこのまま『仲の良かったお姉さん』になってしまいそうな気がした。


 そうなれば血が繋がってない以上、浩介との仲は途絶する。


 それも運命かもしれない。


 私は悲しい気持ちで最悪を覚悟した。


 いいさ。きっと恋は一つではないのだ。


 




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