番外編(後輩の優雅な1日)
こんちわっス!みんな大好き陽姫だよー!!
って、アイドルみたいな入り方しちゃったけど……、うん、向いてないね私には。
今日は、先輩がバイトってことで家に一人なんだけど……暇だ。
先輩のバイト先に遊びに行こうと思って何のバイトしてるか聞いてみたらまさかの雑誌の配達だったし。これじゃ遊びに行けないじゃん!!
せっかくからかおうと思ったのになー。
先輩に甘えたい気持ちと八つ当たりを兼ねてケータイでスタ爆をする。
よしよし、これで先輩のLINEの通知は私でいっぱいなはず……。はぁ、虚し……。
と、ケータイの通知をお知らせするライトが近々するのを確認。─────っしゅば!!
先輩からのLINEだと思ったらなんか瞬間移動出来ちゃったけど気にしない。愛があれば大抵のことは出来るもんだ。私は先輩を愛してるから大して驚かないよ?
で、ケータイを開けると仲のいい友達からのLINEだった。
要件は先輩との関係。最近聞かれること多いな。特にクラスの男子共、しつこすぎマヂ無理……。私は追われる恋じゃなく追う恋がしたいのだ。世の中の男子共には先輩を見習って欲しいものだね、まったく……。
でも先輩はもう少し私に構ってくれてもいいと思うの。流石にこの前みたいに耳元で囁かれるのは興奮しすぎて気絶するからダメだけどね!
おっと、いかんな。友達からのメッセージに早く返信しないとだ。
『陽姫ちゃん!今日もお泊まりなんでしょ!?どこまで進んでるの!?』
そう、私と先輩は付き合っていると言うのが周知のこと。実際はまだお付き合いはしてないけど、そのうちね?
私が先輩から告らせて見せるから!!
もう、お前が居ないと無理って言わせてやるんだから!!
そのためにまず、外堀を着々と埋めていく。
惚れさすのは当たり前だけどその前に逃げることが出来ない状態にしとくのだ。
我ながら相当ヤバイ手段を使っているのは分かるわけども……、それほど私は先輩が好きだから仕方ないよね?
『今日は何もしないと思うよ?普通にご飯食べて、普通にお風呂に入って、普通に寝ると思う。』
ごめん、嘘ついた。ご飯の時はアーンを強請るし、お風呂も先輩が入ってる時に乱入しようと画策してるし、寝る時も先輩が寝るのを待って、先輩を抱き枕代わりにして寝ようと思ってる。てか最近は抱き枕が先輩代わりだったりするけど……、まぁどっちにしろ友達には言えないかな。
さて、特に何をするでもなく部屋でダラダラしていると、あっという間に四時半。
私は今日の晩御飯の材料を買いに行くため立ち上がる。はぁ、この部屋から出たくない。この匂いをずっと嗅いでいたい。そんな切実な願望が私の中で膨れ上がる。
ぶっちゃけ先輩のせいなんだけどね。
だって橋で私が大泣きした時、先輩は私を抱きしめたのだ。その時から私は先輩専属の匂いフェチになっちゃった。自分で言っててなんだけど専属の匂いフェチって変態の領域ですね。はい、ちゃんと自重しますよ?しますとも。
あ、でも一応、外で先輩が恋しくなった時用にハンカチを一枚借りとこう。使い方は簡単、先輩の匂いが欲しくなった時に口元に当てて思いっきり深呼吸するだけ!!
私、天才!!
で、買い物に来ているわけですが!!
なんと外で働いている先輩の姿を発見!!
これはもうテンション爆上がりですよぉ!!!たまたま道路の反対側で見かけただけなんだけどね!でも先輩も超真面目に働いているから声は掛けない。迷惑になるとダメだしね!
うん!偉いぞ私!!
よし!頑張っている先輩に今日はスタミナ料理を作ろう!!
そうと決まれば後は材料を買って料理するだけ。偶に先輩の匂い補給をしながら破竹の勢いで買い物を済ませていく。
ちなみに今日の晩御飯はカキフライ、山芋どん。スッポンのスープ。後はなんか肉と野菜で野菜炒めでも作ろっかな。
え?性欲を高める料理だって?知らない知らない!夜先輩がムラムラして襲って来たらいいのになーとか微塵も思ってないんだからねっ!
■□▪▫■□▫▪■□
はぁ、ようやく帰り着いた……。
先輩は、まだ帰って来てないか……。
いいんだよ?分かってたから。必死で働いているの知ってるから。でもね?女の子は構って貰えないと直ぐにどっか行っちゃうんだよ?って先輩に言いたいけど……、私は一生先輩と一緒にいるつもりなので多分効果はないと思う。畜生め。
さてと、ご飯を作る前に風呂でも沸かしときますかね。先輩も疲れてるだろうから帰って来たら直ぐ入りたいだろうしね。
風呂も洗ったし後少しで先輩も帰ってくる。料理は後ちょっとで終わり。はぁ、先輩早く帰って来てないくれないかなー……。
ガチャ、
「ただいまー」
「せんぱぁーい!!!!」
「ぶへっ!」
テンションが今日、最高潮に達した私は勢い余って先輩の溝に頭突きをかましてしまったらしい。
「先輩?大丈夫ですか……?」
「ぐ、誰のせいだと……、まぁいいやただいま陽姫。お出迎えありがとう。」
やっぱりせん先輩は優し過ぎる……。
頭突きかましとってそのまま誤魔化そうとした私を怒らないでくれるどころか、ありがとうとすら言ってしまえる、そんな優しい先輩。
「いえいえ、で、お風呂にします?ご飯にします?それとも「お風呂に入って来るよ」んぁ!!もう、最後まで言わせてくださいよー!!」
でも、やっぱりそんな所も大好き。
もう先輩好きすぎてヤバイ。
好き好き好き好き好き大好き!!
「あの、陽姫?目が怖いんだけど……?」
「へ?あー、すみません。考えごとしてました。それじゃ私はご飯の準備をしときますね!」
「うん、ありがとう!」
あー、その笑顔。その笑顔があるから私はいつも頑張れるんですよ?先輩。その笑顔を私だけに向けてて欲しいな。他の人にはその顔を見せたくないなー。なんて、考える私はやっぱり独占欲が強いのだろうか。
まぁいっか。先輩も風呂に行ったので……、ソッコーでご飯の準備を終わらせて乱入しようと思います!!
ってことで!今日は私の一人語りみたいな感じになっちゃったけど……、まだまだ本編も続くから末永くよろしくお願いしますねー!!
行ってきまーす!!!
「先輩ー!!!今日こそ一緒に入ってもらいますよ!?」
「うわ!陽姫!?なんではいれんの!?ちゃんと鍵閉めてたはずだよね!?」
「そんなもの愛のパワーと少しの小細工でどうにかなるんです!!先輩!覚悟!!!!」
「ぎゃあああああああああ!!!!!」
そんなこんなで、今日もいつもどうり騒がしい根付陽太の家であった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
これで、第一章完になります!
最後まで読んでくださいました皆様、応援ありがとうございました!m(_ _)m
続きに関しましては、なろうで第二章を書いております。なろうで第二章を完結させてから改めて連載を再開しようと思っているのでまた、会える日を楽しみにして貰えると嬉しいです。
自殺しようとしたら先に飛び降りようとしていた後輩を助けてしまって、後輩の為に生きる約束をしました。〜あれ?俺も死のうとしてなかったっけ? 秋之葉Momiji @727368657
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