連続殺人事件と、その犯人、という構図を引き立たせているもの。
何に怯え、何故振り返るのか————ミスリーディングを誘うのが、恐怖のベクトル、だろう。
そして、タイトルである。
表層だけ読み進めるならば、犯人しか知り得ない情報を持つ読解となるが。
最後の一文、そこに込められた作者に仕掛けられたダブルミーニングによる秀逸な毒害である。
正直、小憎たらしい作品だ(笑)
だからこそ、想像を掻き立てられるクオリティ。
個人的な感想だが。
母親は、分かっていたんじゃないか。
次の犠牲者は、コイツだったんじゃないか。
念願叶ったとして、先輩は、結局、先輩ではないことにされなかったのでは?
うん、この短編、極めて、ギルティ。