体と想いのアンマッチ
一粒の角砂糖
体格差
「ぎゅ。すき。すきっ。」
彼女が僕の体に優しく頬を擦り付ける。
とても幸せそうなその顔に、何かをすることすら思いつかない。
満足そうな鼻息が髪の毛を揺らす。
甘い顔がこちらを見つめる。
「あなたのことが大好きだよ。」
そして自分よりずっと大きな人差し指で撫でられる。
指紋の模様がハッキリと見えている自分の太ももくらい太い物が、やんわりと体の隅々までいやらしくなぞってくる。
「あなたが私と同じくらい大きければいいのに……。」
優しく手のひらの上に乗せられて、ふわりと胸と、おわんのように僕を潰さぬように覆った手が、僅かながらも彼女の心音と体温を届ける。普通より早く、暖かく。息が荒くて……でも落ち着いて。
「愛の数だけ大きくなって欲しいな……私よりもうーんと大きく……この寂しさを。悲しさを。埋め合わせてくれるくらいに愛して欲しいな。」
悲しそうに目をうるうると輝かせ始める。僅かに涙が流れてきたあと、僕は暖かな胸に全身を預ける。自分なりの精一杯の愛の表現だ。
「……あっ……うう……愛してくれて……るの……?私の事ぎゅーってしてる……。嬉しい……すごく嬉しいよ。……私もぎゅーってしたいけど……そしたら君は壊れちゃうから……。」
大粒の涙が服にシミを作る。時々頭に当たってびしょびしょになるがそんなことはどうでもいい。
「あなたがこんなでも。私はずっと一緒にいるから……いつかぎゅーしようね。」
そっと特大のキスをされた。
体と想いのアンマッチ 一粒の角砂糖 @kasyuluta
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