独りの剣鬼が、ひとと鬼との間を行き来しながら悩み苦しみ、怒り悲しみ、そして時には胸に小さく火を灯す姿に最後まで感情移入して、読了(episode 7-2)まで疾走できる秀作。
登場人物たちが設定頼りのなろう小説のような書き捨てでなく、みな生き生きと魅力的に描かれているので読んでいて気持ちが良い。
それもあって、設定に塗り潰されない、主人公が異世界にあってなお滲ませ漂わせ景色を歪ませる「幕末」が強烈な異物感となって押し寄せてくる。
これはファンタジー小説なのか。時代小説なのか。
サブタイトルが本文に似合わずやたら軽いのも、アイキャッチに引っ掛かった自覚のある読者としてありよりのありであった 笑
(ネタバレ気味なので空白あけて)
後半の、主人公をひとに繋ぎ止めようとするかのような演出の連続で感情が大きく揺さぶられてしまいました。
大満足の読後感でした。素敵な作品を有り難うございました