ゲナート大陸編
1話
転移門をくぐると、そこには壮大な自然が広がっていた。無事に転移は出来たようだ。快は一安心してあたりを見渡していると、転移門が現れてた場所に容量が結構ありそうなカバンがあるのに気が付いた。近くによってカバンを調べてみると、1枚のメモを見つけた。読んでみると、
____この手紙を読んでいるってことは、無事に転移は出来たみたいだね。このカバンには食料と水分、剣、それと少しだけどお金を入れておいたよ。ちなみに今いる場所は、幻想の森って場所だよ。弱いけどモンスターも生息しているから注意してね!あと、街へは歩いて2日でいけるからね。城壁で囲まれていて結構目立っているからわかりやすいと思うよ。いい旅になる事を心から祈っているよ。 toクロ
これはクロからの物だったのか・・・。これで食料には困らなくなったから本当にありがたかった。剣は生まれてから一度も振ったことがないけど大丈夫だろうか?こうなってくると一度街に行って剣の扱い方を学んだほうがいいな。人と話すのもまだ抵抗はあるけどそこは我慢するしかないか・・・。そう思い、快は町に向かうために足を進めた。
森の中を歩き出して数時間後、少し疲労が溜まってきたので休憩していると何かの音が聞こえた。身を潜めながら近づいてみてみると、一匹の白い子狐が緑色の体の生物数体が持っているこん棒によって殴られていた。その光景を見た快は、
「やめろ!!」
と叫びながら、白い子狐の前に立った。普段は温厚で冷静な快だが、今のような光景を見ると後先考えずに飛び出してしまうのだ。
(さて飛び出したのはいいものの、どう対処しましょうか。おそらく緑色の生物はゴブリン。ライトノベルではよく雑魚モンスターとして描かれてますが、戦闘経験も武術の心得もないただの一般人の私にとっては十分な強敵といえましょう。ですが・・・)
後ろを向くと、ゴブリンよって傷つけれている白い子狐が恐怖によってか震えていた。そんな狐に私は、
「大丈夫ですよ。絶対にあなたを助けますから!」
そういって白い子狐を安心させると、私も覚悟を決め手元にある剣を握りゴブリンに向かって構えると、何故か急にゴブリンがたじろいで逃げ出した。戦闘を避けれて良かったが、急にゴブリンが逃げ出したのが謎だった。その謎はひとまずおいておいて、私はすぐさま狐のもとに駆け寄り、
「大丈夫ですか?どこか痛いところはありますか?」
そう聞くと、白い子狐は私のことばを理解したのか、
「コンコン。」
といいながら首を横に振った。
「よかった、幸いにも軽傷だけで済んだみたいですね。さてここを移動しましょうか。ここに留まっていてはいつさっきのゴブリンが戻ってくるかわかりませんからね。」
「コン!」
と了解と言わんばかりの返事をした白い子狐と一緒にその場を離れた。
数十分歩いた場所にきれいな湖のほとりで私は、
「ここまで来ればもうゴブリンは追ってくるはないでしょう。もう他のモンスターに捕まってはいけませんよ?ではお元気で。」
そう白い子狐に告げ別れましたが子狐はずっと私の後ろをトコトコついてきます。ついてくる子狐に私は、
「まだ私に何か用ですか?」
「コンコン、コンコンコン!!」
そう質問すると子狐は必死になにかを伝えようとしています。私はもしかしてかと思い、
「私についてきたいのですか?」
「コン!」
やはりそうでしたか…。
「私に助けられたことは気にせず自由にに生きて良いのですよ?それでもついてきたいのですか?」
「コン!」
「そうですか。そこまでの意志があるのならいいですよ。でもそうなると、あなたの名前が必要ですね。う~ん、安直ですがその白い毛並みから『スノー』なんてどうでしょう。」
「コーン?コン!」
「気に入ってもらってよかったです。では街に向けて出発しましょう。」
「コン!」
わたしたちは、再び街に向けて出発した。
人間不信が世界を駆ける 三望 @tomato0410
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