第8話 プログラムを終えて
自分で決めたことながら週6日8週間のプログラムを実践している時、やり遂げられるのか全く自信が無く不安だった。「あと三週間あるな」と考えるとそれだけで憂鬱になるのでなるべく明日と明後日のことだけを考えるようにした。また、ラスト10日を頑張り過ぎないようにした。10月20日にプログラムを終えたとしても21日に燃え尽きていたのでは実験失敗になるからだ。
それと、最後の3日を投げ出したくなる気持ちに囚われていた。変な話だが「やり遂げると成功体験になり自信がついてしまう。自分は自信を持つに相応しい人間ではない」という気持ちがあった。8週間を終えて自信はついた。だがやり終えると大したことではない。また少し休みを入れて別のプログラムに取り組んでみたいと思う。
結果として慢性的な精神疾患を治すのに8週間は短すぎた。ただ、精神疾患以前の問題だが情緒が安定してきた自覚があった。短期集中型のトレーニングで脳の働きに無駄が無くなったのかもしれないがうまく説明出来ない。振り返って思うに双極性障害Ⅱ型だのうつ病だのと言っても腫瘍が出来るなど目に見える症状が出るわけではない。だから患者が自己診断で治った治らないというのは危険なことでそこは医師の診断に任せるしかない。
精神疾患で苦しむのは本人だけでなくその家族だということも知っている。そして少なからずの患者の家族は「精神疾患の患者が家族にいる」ということを受け入れられない。そして世の常だが「自分が一番苦しんでいる」と誰もが思いがち。そこで「筋トレがうつに効く」と聞いて患者にやらせる人がいる。これは逆効果で、精神に問題が無い人も筋トレが嫌いになる。私も強制されたら絶対やらない。
私は週6日8週間という短期集中型プログラムを自分で始め自分で終わらせた。その過程で痛感したのは繰り返しになるが「さぼる」「手を抜く」をやらないと明日、そして明後日自分で決めたノルマすらこなせないこと。更に精神的な負担を減らすために「腕立て伏せ10回だけでもその日のトレーニングを終えたことにする」とハードルを下げた。結果的にそういう日は無かったのだが、週6日やる作業で毎回100点を取れるわけがない。平均点60点くらいに抑えないと来週すら無いだろう。
ここまで読んで「結局治らないんじゃ意味ない」と思う人もいるだろうし、「まず懸垂が出来ない」という人もいるだろう。そこは自分自身と相談してハードルを下げていい。まず、普段抗鬱剤を飲んでいる時点で体に負担がかかっている。ただ、寝たきりでは精神疾患は改善しないだろう。
私も医師ではないので例えば産後うつにどういう運動がふさわしいかなどの質問には答えられないし、答えない。ただ、私は気持ちが落ち込んで起きれない場合手を握ったり開いたりから始める。休む、無理をしないは大前提としてどう休むのか、どう無理をしないのかは自分で探るしかないところだ。
死にたいと思うのはよりよく生きたいと思う気持ちが強いから。しかしその気持ちがあるゆえに死ぬのなら「人生をさぼり、手を抜け」と言いたい。
今後また何か気付いたことがあれば記事を投稿するが、気が向いたら、ということにする。
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