第14話 素直になれない私を・・・
「裕唯っ!」
ドキーン
名前を呼ばれ足を止めた。
「や、やだ!…どうして来るの!」
「仕方ねーだろ!?足が勝手に……」
「何それ!」
「うるせーな!」
「………………」
雪が舞い散る中
私達の想いは
1つになるのでしょうか?
でも
奇跡は
起こるかもしれない
だってクリスマスイブだから
恋の女神(ヴィーナス)は
私達の恋愛に
どう対応してくれる?
「プレゼントサンキュー」
「あ、あれは別に……渡しそびれたプレゼントだから処分して良いよ」
「俺に処分しろっておかしくね?」
「だってサンタクロースに渡すはすだったプレゼントだったし」
「いや、お前のプレゼントはサンタクロースは受け取らねーな」
「どうして?」
「サンタクロースは、みんなに幸せとプレゼントを運んでくれてるし」
「だったら私があんたに幸せとプレゼントを運んでってサンタクロースに頼む。そうすればきっと運んでくれるから」
「でも、お前手渡しじゃん!」
「良いでしょう?今回は間に合わなかったの!」
「へぇー、間に合わなかったんだ!」
「そう!だって期限があるから。だから手渡し。ともかくプレゼント渡したし別に欲しいって頼まない!」
「頼まないんだ。でも頼まれなくても届くと思うけど?」
「えっ?」
「お互いの想い」
ドキン
胸が高鳴る。
「……瑠惟…」
「…俺…お前と喧嘩ばっかしてた。弱い所も見せたりした。でも…そん時の俺……友達としてだったから」
「………………」
「だけど、それも含めて自分曝け出せるのって、そうないわけじゃん?俺が前に恋人同士なら出来る限り曝け出して、嫌な所とか弱い所とか沢山知ってもらって好きになってもらった方が良い……その事を考えると……俺にとって……お前は少し特別だったのかもしれない」
ドキン
胸が高鳴る。
「……瑠惟……」
「ただ、恋人として付き合うとか付き合わないとか……気持ちがハッキリしてなくて……」
「………………」
「恋人は、まだ無理かもしれないけど……友達以上恋人未満で良いなら……」
歩み寄る瑠惟。
すると優しく抱きしめられた。
ドキン
「お互いの想い……今日しか言えないから」
「……瑠惟……」
「すぐに恋人として付き合えなくてごめん……だけど…クリスマスイブだからこそチャンス逃したくねーし!サンタがくれたお互いのプレゼント…想いは大切だから」
「…うん…」
神様ありがとう
サンタさん
彼からの
想いのプレゼント届きました
結果はどうであれ
天使は舞い降りた
幸せと奇跡が起きました
「…瑠惟…」
「何?」
「一言…言わせて…」
「うん…」
「……あなたが……好き……」
「………………」
「…私…意地張ったり……強気な事言ったりして……瑠惟を困らせるかもしれない」
抱きしめた体を離す瑠惟。
「それでも……良いかな?素直になれない自分がいるから……」
「……裕唯……ああ…俺がお前の事、好きになれるように努力するから」
瑠惟は再び抱きしめた。
素直になれない私を・・・ ハル @haru4649
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