第8話 二人の距離
放課後、担任の先生に、雑用を頼まれたクラス委員の私達。
私は麻那人に別れを告げた。
だけど本当は好きで、好きで仕方がないのに、
開いた口が止まらなくて
言うつもりなんてなかった言葉を
私は言ってしまった……
『別れよう』
と…………
私は涙が次々と溢れてきた
本当は彼女と別れてほしいって
言いたかったけど
言えなくて
麻那人にワガママ言って
嫌われるかも?
むしろその方が良いんだろうけど
迷惑かけたくなくて
重いって思われたくなくて
私は自ら
別れを告げてしまった…………
~ 渡辺 麻那人 side ~
俺は彼女の心を
傷つけてしまった
きっと彼女の心は
今
戻すのに
時間がかかりそうな
気がした
そんな俺も
とても後悔した
俺は美冬の事が好きなのに
アイツから
別れを告げられた瞬間
すごくショックだった
――― 本当にこのままでいい ――――
俺も美冬も同じ気持ちだった
「………………」
「……麻那人……」
「………………」
「……恋なんて……しなきゃ良かった……こんな事になるなら……知らない方が良かったよ……」
ガタン ビクッ
物音がし、驚く中、音のする方に視線を送る。
ドキン
「……麻…那…人?」
「美冬…何で泣いてるの?」
「何でって……別に関係ないでしょう? 早く帰れば?」
「………………」
「私の事は良いし、私が済ませるから気にしなくて良いよ。大丈夫だから」
グイッと立たされ、唇に押し当てるようなキスをされた。
ドキッ
唇が離れたかと思うと、すぐに唇が塞がれ壁に押し付けるようにされた。
すると抱きしめた。
ドキン
「ごめん……美冬……お前を傷つけて……」
ドキン
「麻……那……人……?」
「俺はお前と別れないから!」
「……えっ…?」
「だから別れるなんて言うなよ!」
「………………」
「お前の……美冬の今の本当の気持ち言えよ……いや…言ってほしい……」
抱きしめた体を離す。
「別れて……」
「えっ?」
「彼女と別れて!」
「美冬……」
「……そう言った所で…無理でしょう?私…麻那人が好きだから我が儘も言いたくないし、迷惑かけたくないし…それに重いって思われたくないから…」
「……だったらそのまま言えよ!俺にさ……」「…麻那人……」
「無理なら無理って言うから!」
「………………」
「だけど、出来るから…彼女と別れてほしいって思うなら俺は別れるから!」
「…そんな簡単なものじゃ……どうして…そんな簡単に…」
「簡単な事だよ。俺はお前が嫌いになった訳じゃない。俺は……お前の為にやった事なんだよ!結局、凄い傷つけてしまったけど……俺はお前が好きだから!」
ドキン
「美冬は……俺の事嫌いになった?」
私は首を左右に振る。
「俺と本当に別れて良いの?」
私は再び首を左右に振る。
「…好きだよ……別れたくないよ…私は…麻那人以外…考えられないよ……」
私の両頬を両手で優しく包み込む。
「美冬は…俺の大事な彼女だから…誰にも渡したくない…お前を失う事考えられないって……改めて実感した」
ドキン
「麻那人……」
「美冬は…俺以外の男だったら、もっと傷付く事になるかもしれない…初恋だからこそ…俺とずっと仲育んでいこう。美冬が傷付くなんて考えたくないから…ずっと俺の傍にいろ!お前以外愛さない!!」
「麻那人……うん…」
私は麻那人に抱きついた。
「彼女と別れて……私のずっと傍にいて……麻那人……他の女の子の所に行ったらやだ…」
「…分かった…」
抱きしめた体を離すとキスをされ、麻那人から深いキスをされ驚くのと同時に戸惑う私。
「…ごめん……美冬にはちょっと激しかったね……可愛い過ぎて…すっげー嬉しかったから」
「バ、バカ…」
再びキスをする麻那人。
「物足りないって顔してる」
「えっ? し、してない」
キスをされ一回唇を離すと深いキスのやり方を麻那人は私に説明すると、私のシャツのボタンを外され、制服を少しズラすと首スジから胸元迄、唇を這わせ鎖骨から胸あたり迄、ピリッとした痛みがありシャツのボタンをはめた。
オデコと唇にキスをした。
「美冬……少しレベルあげていこうか」
「えっ?」
「美冬の初恋を奪ったように……美冬の全てもらって良い?」
「麻那人……」
「俺達、二人付き合っていくには今のままじゃ 美冬を不安にさせるかもしれないから愛深めていこう♪ ゆっくりで良いから」
「うん…」
Fast Love ハル @haru4649
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