第7話

次の日、呼び鈴がなるので出ると、卓也だった。


「行くか」


「ああ」


そしてその日も、あの女はいた。


これまでと同じ場所で、二人の後ろを歩いていた。


もう二人とも何も言わずに、早足で学校に向かった。


そして学校帰り。俺の家の近くであの女がまた現れた。


俺たちはまた走る羽目になった。


――いったいどういうことだ。


家に帰ってまた考えた。


あの女はいったい何者なのか。


なにが目的なのか。


そして一番大事なことだが、これはいつまで続くのか。


なにもわからない。


誰でもいいからなんとかしてくれ。


もうたくさんだ。



次の日の朝、呼び鈴がなるので卓也だと思って出た。


だが卓也ではなかった。


なんとあの女が目の前に立っていたのだ。


あまりのことに俺が動くこともなにか言うこともできないでいると、女はぎょろついた眼を激しく動かしながら、ざらついた声で言った。


「こんなにも学校の行き帰りでいっしょになるなんて、私たちは運命の赤い糸で結ばれているのね」


俺がなにも返せないで固まっていると、女は耳まで裂けているのではないかと思うような大きな口で笑うと、言った。


「もう死ぬまでいっしょだね」



       終

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