202010 ジャパロボ 10

渋谷かな

第1話 ジャパロボ10

「見せてあげよう! 私がダメな子ではなく、機会がなかっただけだと。私はやればできる子だー!」

 広瀬さとみは全国ジャパロボ大会の予選に出場するので、意気込みを語っている。

「zzz。」

 姉のイリスは寝ていて聞いてない。

「お姉ちゃん!? 私の話を聞けよ!?」

「つい。お約束なので。」

 掴みはOK。

「私は今度こそ全国ジャパロボ大会で優勝してみせる! 妹のさとみなんかに負けないんだから!」

 姉のイリスは前回は2位。今回はリベンジに燃えている。

「zzz。」

 妹のさとみも寝ていて聞いていない。

「さとみ!? あんたもお姉ちゃんの話を聞きなさいよ!?」

「悪いのはお母さん。アハッ!」

「そうだ! 悪いのはお母さんの細胞だ!」

「おお!」

 さとみとイリスは仲良し姉妹になった。

「令和ちゃん。祐奈さんって、本当に寝てばかりいたんだよね。」

「はい。そうです。なんたって祐奈さんは伝説の眠り姫でしたからね。」

 さとみの友達のすずとさとみのジャパロボのAIロボットの令和ちゃんが、姉妹の母親について語りだす。

「そんなさとみちゃんのお母さんが、よく全国ジャパロボ大会で高校3連覇を達成できたわね?」

「祐奈さんは寝ていると敵視マイナス300パーセントのミラクル・アビリティー持ちだったんです。」

「敵視マイナス300パーセント!?」

「はい。だから寝ている間にライバルが潰し合い起きたら優勝。または最後の一体と戦って勝てば優勝という、美味しい設定だったんですね。」

「美味し過ぎる!? その設定!?」

「おかげでゲストキャラクターの話や、新型のジャパロボの開発なんかもよくでき、変なストーリーをぶち込んでも全対応できるという安定のストーリー構成でした。」

「そうか!? それで書きやすいから今回に繋がっているのね!」

「大正解! ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!」

「やったー! 褒められた!」

 大喜びのすず。

「zzz。」

「zzz。」

 しかし広瀬姉妹は眠っている。

「こいつら聞いてなかったな!? ・・・・・・殺してやる!」

「すずちゃん!? 人殺しはダメよ!?」

「大丈夫。顔に落書きするだけだから。ニヤリ。」

 すずはカラフルなマジックで二人の顔に落書きする。

「ふわ~! よく寝た!」

「ふわ~! 久しぶりにゆっくり眠れた!」

 そしてお互いの顔を見る。

「キャッハッハー! お姉ちゃん何!? その顔!?」

「キャッハッハー! そういうさとみこそ!? インスタ映えする顔よ!?」

「平和っていいな。」

 黄昏るすず。

「お茶が入りましたよ。」

「ありがとう。令和ちゃん。」

 気の利く令和ちゃんであった。

 つづく。

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