第2話多分、これが一番早いと思います(衰退世界編)

やっと眩しい光から解放され、目を開けてみるとさっきの女神様といた部屋とは全く違う風景の世界に降り立った。


そして見渡す限り赤い色の砂。砂。岩。砂である。遠くには大きな建物のようなものが見えるがあまりに遠いのと砂が舞い上がってかぼやっとしか見えていなかった。


「変な世界だなぁ!最初来た世界とは全く違うな。ん?」


目を凝らすと遠くの方で大きな砂埃が舞っていた。砂埃が大きくになるにつれて


ドドドドド!!!!とまるで牛の大群でも押し寄せてくるような、そんな音だ


「ヤベェ!!逃げねぇと!!」

「待て!勇者!!」


呼ぶ声に振り返ると、黒い油をボタボタとこぼしながら数百はあろうかという足(アーム)を高速で動かすグロロボットとその先端で必死に走る幼い女の子、少女というぐらいがいた。


「誰だぁ!オマエェ!?」

「忘れたのか勇者よ!私ヲォ!!」

「お前みたいな知り合い知らんわぁ!」

「とりあえず助けてくれ!!」





なんとかグロロボットを撃破(油を引火)する事でなんとか二人とも生還することができた。


「んで、誰だお前?この世界に来てからまだ数秒で友人のゆの字もまだ作れていないんだが」

「魔王だ」

「えっ」



そして魔王と俺は共に行動することとなった。まずは遠くに見えた建築物に向かい、事情を聞いた。どうやらこの世界は科学の発展しすぎて自然が破壊され、地上は住めた土地じゃ無くなったとのこと。これを聞いてからの行動は早く。まず手頃なAIを仲間にし、酒で飲んだくれた男を仲間にしこの世界に絶望してそうな女の子を一人を仲間にして旅に出た。



時には、AIちゃんがいうには『原点』、『完成されたAI』と言われる超巨大ロボットに対抗するために街にあった超巨大大砲を使い倒し(コアが大爆発し後かとも残らず)、


この世界に絶望してそうな女の子がいうには、お母さんを助けてほしいとの事で、研究所を襲い実験を物理的にやめさせ、実験体にされていた人達を全員救い(なお研究所は謎の大爆発で後かともなくなった)、


オッサンがいうには、俺は実験を反対したとのことで研究所から追放されていて、この世界に再び緑を戻したいとの事で砂漠化した世界に魔力という異世界パワーを使い、雨を降らせて異世界パワーで木々を生やす事で多くの人を救った。(なお、地中からワームという芋虫が出てきたのだが、魔王やおっさんが言うにはこれが大変美味しいらしい)


と多くの旅を四人で続け、最終的に悪の本拠地『TOKYO本研究所』と呼ばれる場所へと辿り着いた


ゴゴゴゴ!\\\\TOKYO本研究所////ゴゴゴゴ!


「ここがお母さんを苦しめた元凶……!!」


「これは俺にも責任がある。だから最後は俺が止めてやらねぇと」


「マスター……すみません、あなたの言うことが聞けないダメAIで、でも必ずあなたを助けて見せます」


と憎悪に顔を歪める女の子に、覚悟の決まった表情をするオッサンに、言葉に重みを乗せるAIと三者三様だった。


全くこれじゃ前回と変わんねえじゃねか!


「よしいくぞ!!相棒!」

「当たり前だ!」



と研究所の中を進むと大きな広場に出る。そこには


「お、かあさん?……なんでここ、に?」

「マ…ス…ター……理解不能。マスターの生命活動は停止し、記録にも乗っているはず…error error error error」

「よぉ、久しぶりだな、友よ」



そこには得体の知れないものでもみるかのような三人と


「おい、相棒。これはなんだこれ」

「あぁ、なんて皮肉なんだろうな。人類はとうとう宇宙の法則すら無視するものを作り出したらしい、名付けるならそうだな」


そこには制作不可能とも言われた完全な球体の中に作られた一切の熱すら逃がさない光は赤く赤く、膨張を続けていた。そのすがたは神を思わせる存在感、スケールのデカさに



「「永久機関『ゼウス』」」


「君とはセンスが合いそうだなぁ、どうだ今から一緒にお茶でもしないか?」

「お前!!」

「……っ!相棒!出るな!」


「……っ!」


あと数センチ前に出てたなら。相棒が引っ張ってくれなかったら俺はこの巨大ハンマにぺしゃんこにされていただろうと容易に思い浮かぶ。


「惜しい!惜しい!あともうちょっとだったのに」


とどこか狂ったように男は笑う。それは狂気じみており恐怖よりも不気味さを思わせる。

こんなやつに足止めされている暇はないって言うのに


「……相棒。ここはお前に任せていいか?」

「?俺は別にいいが、お前にあの兵器を一人で止められる自信があるのか今のお前は俺の何十倍もよえぇってのに」

「うるさいわ!私に考えがある!それまでに奴を倒しておけ!!」



止めるじゃなく、倒すか……なら本気出してやる。


「えぇ……?あの子あっち行っちゃったの?勿体無い!もったいない!あの子死んじゃうよ!止めてあげてよ!」

「へっ、自分で作っておきながらよく言うぜ!」

「それはしょうがないよ!この世界をおわすためだもん!しょうがないよ!しょうがない!!」


じゃぁ、お前を今から倒すけどしょうがないよな


「こい」


その声に剣は姿を表す。残念ながら魔王戦使った聖剣は修理中のためお休み中だ。だが、お前を倒すってだけに対してはオーバースペックもいいところだけどな!

「イカレオタク!いくぞいざ!尋常に!!」

「無駄無駄無駄。すぐおわしてあげる!」




触るだけで分かる。これは人間の持つべきものじゃない。今にも破裂しそうなほどのエネルギーが渦巻いて勢いを増し続け、上り続け、止まらない。


「これは、生きては無理かもな」


私は私の魔力と混ぜ体内に取り込む。少しでもミスれば取り込んだ隙間からエネルギーが流れ出すし、少しでも手を抜いたら魔力に混ざったエネルギーが毒となり即座に死ぬ可能性がある。だから早く正確にだ。それでもエネルギーは増え続け焦る。


焦ればミスも出る。少しずつ少しずつエネルギーは漏れ出し、そのエネルギーが私を傷つける。



あぁ、こんなに長く苦しい思いをしたのは初めてかも知れない。第二に地獄での刑罰巡りだが、それでも勇者の助けで今思えば笑える話だ。


「クソッ、こんな時に勇者のこと考えてる暇かよ」


まだつづく。いつになったら終わる?まず終わりなんてくるのか?もう壊れてもいいんじゃないのか?諦めてしまえば……


「おい!」

「……!勇者!」

「勇者じゃない相棒とよべ」

「……相棒」


ゆうしゃはなんてことは無さそうにエネルギーの渦を浴び続けている。いや正確にはやせ我慢しているんだろう。流石の勇者でもこんなのきついに決まってる。


「うん、これは無理そうだな。取り込むのは諦めよう」

「じゃ、じゃぁ諦めるのか!?この世界には多くの友を作ったと言うのに諦めるのか!?」

「いや、そういうことじゃない。こういうことだ」


勇者は大きく息を吸い続ける。私が頭を傾げると勇者は


「女神ぃぃぃぃいぃぃ!!!!こぉぉぉっぉい!!」

空気を揺らすような大声に思わず耳に手を突っ込む。その瞬間にエネルギーは一気に加速へと移る。


てかそんな原始的な方法で女神は来るわけねぇだろ!

「お呼びでしょうか」\\\ペカァー!!///

「くんのかよ!」


「おぅ、女神確かさ、エネルギーが一切なく、もはや宇宙すらままならないみたいなとこあったよな」

「ありましたね」

「これ運んで」


「お、おい、仮にも女神だぞ。流石に頼み方ってのもあるだろうし、第一に無理って言われたらどうするんだ」

「できますよ」

「できんかよ……」


呆れでもはやため息すら出ない。

「ただし」


「!」

「」ホジホジ


「器が入ります。それもかなり小さい状態で。流石にこのサイズだと持ち運べませんね。要望するなら手で持てる範囲です」


それって、つまり


「……犠牲者がいるってこと?」

「まぁつまるところそれでもいいです」

「……」


そんなの……


「分かった。私が」


「これでいいか」ひょぃ


「それってお前の聖剣……!」


「んあ?そうだな」

「だ、大事じゃねぇのそれ?」


「いや、お前に壊されていたし処理に困ってたんだ。ちょうどいいし、これ一個で世界救えるなら十分よ」

「えぇ……いや、まぁ……いっか」



かくして、世界は救われ!なんやかんやでみんな仲良くなり、世界は緑が増え、人類は空から地上へと戻り、かくしてめでたしめでたし!!



旅たちの日には三人にそれぞれ感謝の言葉と激励が贈られ、何か珍しそうな宝石とかタオルやら食べ物貰って女神の部屋に戻ってきた。


「いやー大変だったなー」

「毎回これだときついな……流石に」

「なーに弱音吐いてんだよ!らしくねぇな。もっといつものようにガキが胸張ったみたいな格好しとけ!」

「んだよ!そんなのいままでしなかっただろがい!!」

「高い高いでもするかぁ!?」


ヤイノヤイノ!!コロシコロス!!-------→!


「次の世界が決まりました。お二人さん」

「次の世界は……」

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多分、これが一番早いと思います。 主船路1040 @allforakaban

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