登場人物1
■
◆ウルリカ / Ulrika
A49004-W
49年度生、一級聖女。
見かけは10代の半ばから後半の少女だが、実年齢は5年。
元々の髪色は赤だが、色素脱落によりほとんど白髪になり、いくつかの房がメッシュのように残るのみ。当初はストレートの長髪だったが、負傷以降は短くしている。
目の色はアンバー。身長175センチ。
「白の死神」、「白狼の聖女」などと呼ばれている。しかし、本人は聖女と呼ばれることに関して、若干の抵抗感がある様子。
白色と赤色が嫌いで、身に着けるものはすべてそれ以外の色。「学校」指定の正装も渋々着る。
自分の髪の色さえも気に入っていないが、染めてもすぐ落ちるため、気にしないようにしている。しかし、ふとしたとき嫌悪感が湧くことも。
外出時に偽名を使うことが多い。ウルリカという名前が嫌いなわけではないが、名前を変えて束の間の自由を味わいたいと考えてのこと。
学校での成績はトップ。都市全体を見ても3の指に入る。
過去にリルの右目を傷つけたことを負い目のように感じているが、傷を消さずに残していることをうれしくも思っている。さらに言えばリルがもう一度自分に勝つことがあれば傷を消してしまうだろうとも考えており、リルに負けることだけは決してあってはならないとも思っている。
「魔女のケモノ」との戦闘によって左腕と左胸を失い、義腕になる。
もともと奔放で子供っぽい性格だったが、左腕を失ってからはトラウマと投薬の影響もあり、さらに精神的に不安定になる。
・神器
【永久の生、白日】
鋸刃の大鎌のような形状の神器。
機能は断頭。人型特効。
刃の接触部位に関係なく、斬撃が首へも打ち込まれる。どこを斬っても首が斬れる断頭の呪い。斬撃が足に当たったとしても、足だけでなく首も斬れる。
完全解放は純粋な出力強化。しかし最上位のケモノには〝格〟が足りず、断頭以外では死の呪詛が刻めない。
実はそれほど強くない神器。ケモノの大半が人型や獣型のため、常に特効機能を発揮できる状態にあり、外からは強力な武器に見えている。
・固有異能
「重力操作(偽)」
重力制御による“逸らし”と、三次元機動の立体戦闘を得意とする。
この能力の影響で、一部の自動火器の動作が安定しない。
(実態は重力操作というよりは「空」や「虚」を操る能力といったほうが近い)
◆リル / Rell
文中では「リル」と表記しているが、発音は「レル」のほうが近い。
A49021-A/E
49年度生、一級聖女。
ブルーグレーの髪色にヘイゼルの目。身長161センチ。
ダウナー・クール・ニヒル系低自己評価ガール。
「学校」での成績は万年二位。
右の眉から頬にかけて傷があり、右目が義眼。この義眼は白目に当たる部分が黒いため普段は片目を閉じていることが多い。
右目の傷は過去の訓練でウルリカによってつけられたもの。この傷を負った一回のみ、リルはウルリカに勝った。
「黒の聖女」や「葬儀屋」、「告死の聖女」と呼ばれたりもするが、本人は知らない。
低学年時に、リルを担当していた医務官を殺害している。その結果、E(特務)型に改められた。
ウルリカとは同室。性的関係にあるが、愛や恋というわけではなく互いの性欲解消と、互いを裏切れないようにする儀式的、慣習的な側面もある。
ゲルトルードとは恋人関係。ゲルトルードと二人きりのときは、普段の様子とは打って変わって、甘々な態度になる。
ウルリカの写真を売って、小銭を稼いでいる。
利用できるものはすべて利用するタイプの戦い方。
ケモノたちの言葉がわかる節がある。
・神器
【 耀う堅き悲憤 】
折れた剣の形状の遺物。
刃長は10センチほど。この状態でも鋼板を切り裂けるだけの切れ味と強度を持つ。
投擲で発動する必中、所有者の手元に返ってくる機能がある。
解放時には水晶に似た結晶状の刃を形成する。刃長は可変。その威力は、天と地が分かたれたかのように錯覚するほどのもの。
・固有異能
「■■」
適応していない神器を能力を制限した状態で疑似的に自身の神器として扱える。
リミッター解除で、短時間だが完全に自身の制御下における。また、ケモノの固有領域を侵食できる。
・武器
「08式短型騎兵銃」
8mm弾を使うボルトアクションライフル。K08k、08kとも呼ばれる。
木製銃床で、ホログラフィックサイト(作中世界では、先進的な光点投影式照準器H3式G型と呼ばれている)が無理やり取り付けられている。また、リルの物はフロントサイトガードが外されている。
着剣装置が使いたいがために、旧式のものを使っている。
弾薬自体は狙撃銃や機関銃用途に使われ続けているため、供給の問題はないが、装薬や弾頭がこの銃の開発時とは変わっており、銃にかかる負荷は大きい。
小型種や中型種などはバイタルを抜くことができれば、一撃で屠るだけの威力はある。
・義眼
義眼は遺物の技術を転用した疑似遺物で、法石の活性反応を視認することができる。
◆ゲルトルード / Gertrud
A49106-S
49年度生、二級聖女。
砂色の金髪。糸目。目の色はヘイゼル。身長は155センチ。
ゲルトルートではなく、ゲルトルード。
性自認は男。(物語に関わりはないため、ほぼ死に設定)
リルは恋人、ウルリカは「友人」という奇妙な関係性。
趣味はリルを観察することと、パルクール。
・神器
【雷虹】
二段階加速式ライフル。
13mm弾を使うライフルで、マガジンが二つ刺さっているように見えるが片方は動力の法石を収めたキャニスター。通常時は装薬と電磁誘導による二重加速により弾体の初速を引き上げる。解放時には弾の威力や性質を変化させ、爆発や散弾、誘導、光熱弾などにする機能がある。
弾薬なしでも非実体弾を撃てるが、その際は発射前にチャージが必要。
・固有異能
「広域探知」
生体やケモノをその痕跡も含めて探知できる。浮いていたり、飛んでいる対象の足跡も追跡できる。
◆パルサティラ / Pulsatilla
A51102-B
51年度生、準二級聖女。
灰色がかった暗めのピンク色の髪。ふわふわボブ。目の色は青。身長は163センチ。眼鏡。
外見は、真面目で優しくおとなしい雰囲気の少女。性格は、無邪気で奔放な部分が強い。
普段の雰囲気からは想像できないアグレッシブな戦い方をする。
「学校」の職員であるブレンダンに恋をしている。
同期で親友のハイデマリーとルームシェアしている。ハイデマリーに身の回りのことはほとんど任せきり。
柑橘類が好き。
・神器
【果てしなき強き炎への献身】
72個の刃からなる多節剣で一つの節を構成する刃の数を変えることができ、高い柔軟性を持つ。節とワイヤーは、極めて高い強度と切れ味を持ち、意のままに操れる。
連結時は鋸刃の片手剣。この状態でも、装甲板を切り裂ける性能がある。
適合者に生存の意思がある限り、どのような損傷を受けようとも延命するという副機能がある。この機能は、巻き戻しに近い肉体再生で、損傷は治っても受けたダメージ分の痛覚は消えず、どんどん蓄積されていく。本来その傷が治癒するのにかかるはずだった期間、痛み続ける。この痛みは鎮痛剤や麻酔などで軽減することはできない。
解放時には、刃同士を結合するワイヤーを解き、さらにすべての刃が細かく砕け、花弁様のブレードと化す。それらが舞う花弁や火の粉のように敵を襲う。
・固有異能
「重力操作」
自身を中心とした数メートルのレンジで重力場を展開する。
また、自身に傷を負わせたものはその傷が癒えるまでは力場外でも能力の対象になる。ただしこの重力場は自身も一定の影響を受ける。
“重さ”を増すことで対象の動きを制限したり、押し潰したりするほか、反重力場を形成することで宙に浮かせたりもできる。
・武器
「MP4-2s」
完全な近距離に特化した最新型の特殊用途銃。115mmの短銃身、毎分1000発の発射速度、刺突向けのスパイク付きハイダーなど、超近距離に特化している。
中型種以上の大きいケモノに剣でとりつき、SMGの接射を浴びせるというアグレッシブな戦い方をとることが多い。
◆イリス / Iris
A50125-B
50年度生、準二級聖女。
褐色肌、銀髪ポニーテール、アイスブルーの目、サングラス。
身長は181センチ。
気丈で、口調が荒い。背が高めなことも相まって、「怖い人」だと思われがちだが、人柄は気さくで面倒見がよい。
実際の階級よりも頼られることが多く、実戦でも指揮役に就くことも少なくない。
ペトラとは同期で、奇妙な絆がある。
・神器
【流火隔霄】
日本刀様のブレード。
適合者が「格上の敵対者」と認識した相手と相対したときにしか抜けない。
抜刀による超加速、出力が跳ね上がる機能がある。ただし超加速や出力増強は肉体負荷が高く、加えてこの神器には肉体再生や負荷を軽減する加護がないため、頻繁に機能を使えない。
そのため、本人は奥の手として普段は温存している。
・汎用神器「二五式戦術刀」
神器兵以外にも扱えるように遺物の技術を利用して作られた汎用神器。
特別な機能は無いが、同形状の通常の刀剣よりは頑丈。
旧式装備だが、多くが予備として保管され、「学校」でも教練・儀礼用装備として使われている。
刀身が黒いことから「黒刀」とも呼ばれている。
・固有異能
「感覚失調」
感覚失調、認識攪乱。
対象の五感を数秒狂わせる。また、数秒程度自身の姿を認識できなくする、あるいは幻影を見せることもできる。
◆ロズメリー / Rosmerie
A51111-W
51年度生、一級聖女。
夜の水面のような黒髪、前髪が左目にかかる無造作なミディアムヘア。目の色は淡緑。身長167センチ。顔立ちは幼めだが、スタイルはよいほう。
ロスと呼ばれている。
パルサティラとは同期で、低学年時は同室だった。
人の顔があやふや。大きな記憶障害があるわけではないが、記憶の関連付けがうまくいっていない部分がある。
パルサティラの恋を羨ましく思っており、自分も良い男の人を見つけたいと考えている。
合同訓練時にラルスとの戦闘で勝利。その後、キャンプでウルリカに唆されラルスと関係を結ぶ。
「学校」に戻って以降は、欲求不満を募らせている。解消しようにも、ロズメリーは学外へは任務以外で出ることはできず、学内の人間はロズメリーの素性を知っているために相手になってくれる男性がいない。
第19番都市襲撃時には、ケモノ化したセシリエと対峙する。神器の鎧化形態で戦い、セシリエを撃破するも、記憶の大部分を喪失する。
・神器
【篤き憶いの焦がれ】
人器一体型の神器。原型は脊椎のような形状。
血液と同化しており、ロズメリーは自身の血液を自在に変形可能なマテリアルとして扱える。
第三、第四の腕を出現させ、攻撃の補助を行わせるというスタイルで戦うことが多い。
解放時は、全身を覆う鎧のような形状に変化させる。ただし、その状態では最大でも3分維持できるかできないかと、消耗が激しい。
・固有異能
「なし」
固有の異能はない。同化している神器の機能が実質スキルとなっている。
・武器
「自己装填散弾銃」
銃床のないタイプの短銃身セミオートショットガン。装弾数は4発。
◆アネット / Annett
A52001-A
52年度生(厳密には51年度の末)、準一級聖女。
亜麻色の髪、青い目。身長159センチ。
いかにも可憐で可愛らしい「聖女」といった雰囲気の少女。
ウルリカから見て「理想的な聖女」。
本人は、自分がイメージする己の能力と実際の評価とに乖離があり、戸惑っている。アネット本人は自分は弱いと思っているが、実際には学内トップクラス。いわゆる天才。
「魔女のケモノ」戦で、精神的ダメージを受け、一時的に錯乱しケモノに操られる。その際、ウルリカを攻撃し、ウルリカが負傷するきっかけを作った。
戦闘からは生還するも、自責の念に駆られ、自殺する。
・神器
【時荒びの謡眸 / 翅韻】
ささくれ立った内反りの刀身をもつ双剣、雌雄剣。
使用者が敵と認めた相手、敵対者に対し、腐敗を与え、風化させる。また、再生阻害機能もある。鉄や岩をも風化させ、砂のように断ち崩すことができる。
陰陽剣ではあるが、それぞれに異なる属性はない。雄剣にあたるのが「謡眸」で、炎のような刃文が浮かんでいる。一方の「翅韻」は蝶とトンボと思わしき虫のエングレーブが施されている。
・固有異能
「均衡」
無効化。固有異能の影響を受けない。
ケモノの現実改変領域も中和できる。
◆アデーレ / Adele
A49033-S
49年度生、準一級聖女。
水色に近い銀髪に、青緑色のメッシュ、サイドテール。青紫色の目。眼鏡。身長169センチ。
訓練生時代はあまり成績はよくなかったが、実戦投入後は長く生き残り、いまでは指揮官クラスになっている。
ウルリカに憧れており、並々ならぬ感情を抱いている。
ウルリカの真似をして煙草を吸っている。煙草の銘柄もウルリカと同じ。はじめは火の点け方も真似してマッチを使っていたが、ウルリカからオイルライターを贈られてからはライターを使っている。
また、リルからウルリカの写真を買っている。
12月の大規模襲撃時には、「司書」と対峙する。左腕を汚染されるも、自ら切り落とし、侵食を食い止める。ハイデマリーと連携し「司書」を撃破する。
・神器
【篤き鉄と血の矜持】
砲付き盾型の神器。
低初速の50mm砲弾を汎用弾薬として用いることができる。基本は榴弾と熱圧力弾で運用している。
解放起動時には、砲弾なしでビーム砲として砲撃可能。
盾自体の防御力は、既存の兵器では傷一つ付けられないほど高い。神器でなら破壊できる可能性があるが、喪失を避けるため、実験は行われていない。
・固有異能
「トランセンデンス」
一時的に身体機能、出力を引き上げる。
効果終了後に、動くこともままならない虚脱感と出力低下が発生する。スキル使用時には、確実に敵を倒すか、味方のフォローが必要になる。
リミッターを外さずとも、それに匹敵する出力を出せるため、案外有用な能力。
◆ハイデマリー / Heidemarie
A51070-B
51年度生、準一級聖女。
灰緑色の髪、目の色はヘイゼル。身長171センチ。
ふわふわした雰囲気の少女、顔立ちやスタイルは大人びている。
広い個室に住める階級ではあるが、同期のパルサティラとルームシェアしている。パルサティラが弱みを見せる数少ない人物。
お互いのことは、親友や戦友としてとても大事に思っている。
親友の恋のことは知っており、応援している。
パルサティラの身の回りの世話をするのが趣味のようなもの。
パルサティラの声が好きで、パルサティラの体調がよい時には小説や詩などの朗読を録音させてもらっている。
防衛戦では、アデーレと共に「司書」と交戦。アデーレと連携し「司書」を撃破する。
・神器
【悲嘆に渇いた漣歌】
丸鋸斧。
一度目の接触で印を付け、印を付けた箇所にもう一度刃を打ち込むことで対象の強度を無視した損傷を与える機能がある。チップ一つ一つに判定があるため、実質、常に機能が発動しているともいえる。
・固有異能
「強化」
息を止めている間、運動能力と反応速度が大幅に上昇する。
能力発動中は視界が白黒になり、聴覚と痛覚は遮断され、あらゆるダメージが即座に回復される。
代償として、能力使用後しばらくの間、ぼやけた白黒の視界以外の感覚がすべて失われる。
◆ペトラ / Petra
A50027-C
学校内の庭園と温室で植物の世話をしている少女。
髪の色は桑の実色、目の色は緑。身長165センチ。一人称は「ボク」。
ゆったりとした控えめな子。穏やかで柔らかな性格、物腰の人物だが後輩たちからは、きっと怒らせてはいけない陰の実力者なのではないかと噂されている。
50年度生で戦闘経験はほとんどないが、ひたすらに訓練を積んできたため神器なしでの戦闘の能力は高い。少なくとも格闘戦では学校内でも5本の指に入る。
不具合があるため実戦には出られないという扱いになっている。
50年度生の聖女が少ないのは、7割近くが彼女の神器の機能に巻き込まれて死んでしまったため。生き残りの多くも戦死や解体されてしまっている。現状、現役はイリスのみ。
12月の襲撃時にはケモノの大群と交戦し、非戦闘員を守った。後の防衛戦にも参加。この戦いを死に場所にする、と高揚していたが、ほぼ無傷で生き残ってしまう。
自傷癖がある。
・神器
【陽花の誓約】
指輪型の神器。
周囲を凍てつかせる氷の力を行使できる。
氷のような黒色の結晶体を作り出し、投射もできる。この物体は適合者の意思以外では融けず、-150℃より高温になることはない。
・固有異能
「■■」
幸運、悪運。
普通であれば命を落とすような局面においても、無傷で生還する。
いままでそういった状況に陥ったことがなかったため襲撃まで自身の能力には気づいていなかった。
◆アンリース / Annlies
A51198-S/E
51年度生、準二級聖女。
ウルリカに想いを寄せる後輩の少女。
青緑系の髪色。目の色は赤。髪は長め。主要な登場人物の中では最も胸が大きい。身長165センチ。
リルと同じく特務型で、仲間殺しの死神の役を負う。
人間を殺せないように設計されている自分たち聖女が人を殺さなければならない。そうした自分の不幸な境遇に酔っている面がある。
ウルリカ負傷後には、リルの代わりと知りながらウルリカの暗い欲求を受け入れ、喜んでいる。
攻撃時に、首を狙う癖がある。
12月の都市襲撃事件の際、「残響」側へ寝返り、多数の聖女や警備員を殺害する。同日の作戦から帰還したリルに無力化・処理される。
・神器
【揺月】
フランベルジュ様の片手剣。
影に潜み、視界内10~15メートルほどの範囲の影にジャンプできる機能があり、影を斬りつけられた対象は剣を鞘に収めるか適合者の任意の時間で解除されるまで動けなくなる。さらに適合者を限定的な不死にする機能がある。
この疑似不死によって彼女はこの武器で磔にされた際、死ぬに死ねない生き地獄を味わうことになる。
・固有異能
「霊化」
音を消し、気配を減少させ、姿も薄くなる。この状態ではアンリースの体に触れることはできなくなる。暗ければ暗いほど効果が増し、昼の間は効果が減少する。
理論上は新月などのほぼ真っ暗闇の状態では存在すら消せる。
制約として、使用中は徐々に呼吸が乱れていく。これは自身や薬剤でコントロールできず長時間の使用や乱発すると呼吸困難に陥る危険性もある。
◆セシリエ / Cecilie
A47186-A
47年度生、一級聖女。現役最古参。
ライトブラウンの髪に紫の目。身長170センチ
技術部に出入りし、自身も研究・開発に携わっている。
「司書」に拉致され、改造・洗脳される。
その胎内にケモノを宿すことになる。本人は、遠い記憶の夢の中で見続ける果たされることのなかった自分の子供を抱くという願望を叶えた。
最終決戦時、ロズメリーと交戦。「子供たち」諸共撃破される。
・神器
【黒鉄蜂の杖】
穂先を射出、交換できる槍状の刺突武器。
弾倉に予備のビットを収め、射出後には半自動で次の穂先を装填する。
挿入し保持できるものなら材質を問わない。
装填された物体は、木の棒であろうと、装甲板や構造体を貫通できる異常性を獲得する。
通常のビットは構造材に使われるような何の変哲もない鉄合金製。
高パフォーマンスのビットは、中空のアルミ製ビットに、聖樹の葉や枝の灰を樹脂で固めたものを装填したもの。
障壁特効や防御無視のような常時発動型の機能がある。
・固有異能
「リワインド」
巻き戻し。数秒前の時点に自分だけをまき戻す。
心身への負荷が高く、乱発はできない。
◆エーファ / Eva
A49123-C
49年度生、二級聖女。
オレンジブラウンの髪、グレーの目。身長163センチ。
身体が弱く(特に下半身の運動・感覚機能が低下しており)車椅子を使っている。以前は問題なく歩けたが、戦闘の負荷で不可逆なダメージを受け続けている。最近は利き手でないほうの手も衰えてきている。
ふわふわした、おっとり清楚な、ある意味で聖女然とした少女。
死を受け入れており、同期の中で次に死ぬのは自分だろうと考えている。
12月の「学校」襲撃時に応戦。多くの敵を倒すが、限界を迎え、行動不能に陥る。その後、死亡。
・神器
【廻雪霹靂】
2個の盾型ビットと5個の剣型ビット、計7個のビットから成るシステム。
剣型ビットは射撃兵装にもなる。
すべてのビットが合体することで、高火力の砲撃形態に変化することもできる。しかし、この砲撃形態は威力・射程ともに過剰なため、試験以外で使われたことはない。
・固有異能
「透視」
物体越しに物を見ることができる。
透過対象や距離を細かく調整することもできるが、多くの意識や集中力を異能の制御に割く必要がある。使用時には、その時間や頻度によって頭痛や眼痛にも襲われる。
◆ティナ / Tina
A51281-S
51年度生、準二級聖女。
薄桃色の髪、アンバー色の目。身長160センチ。
右目に眼帯、セーラー服、ベレー帽、デザートブーツと「学校」全体を見ても、個性的といえるファッション。
眼帯を着けた右目はほとんど視力がない。その関係で、利き手は右だが、左構えで射撃する。
近接戦基準では四級聖女相当。「狙撃兵」は貴重な職で、その役職のおかげで評価に加点されていると本人は考えているが、実際にはそのようなことはない。むしろ、純粋な射撃能力の高さで、近接戦闘能力の低さを埋め合わせるほどの評価を受けている。
最終戦では、外壁や塔の上から狙撃してケモノを倒していたが、砲撃型に砲撃される。一時、砲撃の影響で戦闘不能となるも軽傷で生存し、残存ケモノの討伐にも参加する。
・神器
【暗月の鐘声】
ライフル型の神器。
念を込めることで弾丸に誘導や爆発などの特性が付与できる。また、僅かながら認識阻害機能もある。
標的との距離が離れるほど威力が上がっていく副機能がある。(機能無しでも、現実現代の.338LMと同等の性能がある)
・固有異能
「ジャンプ」
視界内最大10メートルの範囲の地点に瞬間移動する。
発動には着地地点が見えている必要がある。ただし、明るい場所であれば、空中を着地地点に指定できる。
◆ルイーゼ / Luise
A52055-A
金髪青目。身長164センチ。
52年度生、三級聖女。
12月時点での戦闘経験は半年ほどの間に3回程度で、実力も高めで有力な神器兵とされていた。
自身の名が誰かの心に残るのなら、この瞬間しか生きられなくとも構わないという思想の傾向がある。
12月の襲撃事件の際、ケモノ化したクラウディアと戦い、相打ち。
・神器
【月光の棘姫】
槍。
解放すると使用者の手に火傷を負わせ、徐々に体を蝕む。軽々と鋼板や岩盤に刃を通す高い貫通力を持つ。奥の手として刺した対象の内部で穂先が棘となり破裂させる機能がある。解放すると穂先が赤く輝く。
皮一枚でも繋がっていれば骨が砕けようが筋肉が裂けようが体を動かせるという隠し機能がある。
・固有異能
「集中」
体感時間を引き延ばす。これによって見かけ上の反射速度、行動速度が上昇。
生き残っていたなら、リミッター解除時に固有能力が時間停止の領域に達していた可能性がある。
◆クラウディア / Claudia
A52046-B/F
赤い目に銀白髪。身長168センチ。
可愛いものは「食べちゃいたい」らしいが、食欲ではない。
本人の体質と神器の影響で日の光に弱い。
「残響」に感化され、記憶に飲まれケモノ化してしまう。
・神器
【蒼き導きの誓花】
鋏のような形状の剣。
外向きに刃がついている。
吸血鬼化と形容できる呪いとも言える機能がついており、神器に血を吸わせる、殺した対象の血肉を契約者が啜ったり浴びることで生命力を蓄積できる。致命傷を負っても吸収した血に十分な蓄えがあれば即時回復できる。また身体能力も向上する。
・固有異能
「捕食」
食べたものの経験や知識を得る。血液でも可。
◆カレン / Calen
A52114-C
52年度生、四級聖女。
栗毛に明るい茶色の目の眼鏡っ娘。身長156センチ。
フルネームはカレンデュラ。
武器や機械に興味があり、技術部に度々出入りしている。
アンリースに殺され、その遺体はケモノに弄ばれることとなる。
・神器
【枷砕きの鍵杖】
左腕用の籠手様の神器。
魔法と呼べるような不思議な能力が行使できる。神器内に百近い数のプリセットが内蔵されており、契約者は自在に呼び出し、異能を扱える
武器強化や弾丸・投擲物を起点にして発動するタイプの術を好んで使っている。
・固有異能
「アポート」
一部の例外を除き視界内の判別可能な物体を手元に引き寄せる。マーキングしたものは視界内になくとも100メートル圏内なら引き寄せられる。それを利用し携行できない量の武器弾薬を扱える。
方舟聖女 / いつか、あの川のほとりで 京ヒラク @unseal
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。方舟聖女 / いつか、あの川のほとりでの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます